人はCMなんて見やしないわけで

ヴァラエティなどで「続きはCMの後!」がCMに対しても番組に対しても悪印象となるという調査結果がある。端的に言って、視聴者にとってCMは単なる邪魔者だ。
TV番組を視聴しようとするとき、CMは意識の外にある。CMに注目するとすれば、そこで紹介された商品が興味深いか、CMそのものが面白い場合であって、これはこれで独立したコンテンツとしての価値と言える。


とりわけ録画/Web視聴時代にあっては基本的にCMなど邪魔な存在でしかなく、切り捨てられる運命にあるのは致し方ない。そこへ文句を言うより、その状況を打開する策を考える方が賢明ではないのか。
既にある程度効果を上げている方法の一つとして、ドラマなどの登場人物が身に付けている小道具類を提供する方法がある。とは言えこのやり方では具体的な商品名やメーカ名が出るわけではないから、情報認知の手法としては単独では弱過ぎるのかも知れない(だからCMと組み合わせるのだろうけれど)。まあ地上波デジタルならばメタ情報を付加できるはずだから、「使用中の商品情報を表示する」なんてことも可能かも知れない。ある種の拡張現実だ。


もう一つ、CMそのものを作品として鑑賞に耐えるレヴェルに引き上げる方法が考えられる。つまり「CMがニコニコに載る」のを期待するわけだ。
この方法は、放送枠への出資以上の効果を発揮する(可能性がある)という点で興味深い。しかも番組中の放送と違って視聴者が最初からCMそのものに興味を持って見るというのも重要な点だ。
ただし必ずしもポジティヴに捉えられるとは限らないという問題点もある。意図せぬ方向での反響で、売れ行きに悪影響を生じるかも知れない。
また、CM制作契約時点での取り決め以上に利用されるという点で、著作隣接権上の問題もある。


いっそCMそのものをスタックして自由に視聴・コメント可能なサーヴィスを作るというのはどうか。商品CMに直接反響が来るというのは、それなりのメリットもあるかと思う。少なくとも一部業界のCMなんかを見ていると、視聴者がどう感じているか全然理解していない節もあるし。
あるいはニコニコが公式コンテンツ提供を考えているらしいので、それに乗って無償提供のコンテンツとする方法もある。どうせなら、ニコニコ市場的仕組みでCMと派生動画を結び付ける仕組みもあると面白いことになるかも知れない。ユーザからの勝手CMとか。