久々に模型を作り始めたのだが、作業の前にまず散らかった素材やパーツ、積みプラ、工具などを整理する必要に迫られた。
元々、私個人の作業部屋というものはなく、工作は主にキッチンテーブルの片隅で行っている。
工具などはテーブル脇に置いたツールボックスに収納しているのだが、これは3段の引き出しと最上段の二重底トレーで構成され、蓋を閉めた状態では引き出しにロックがかかるため、引き出しを開けるためにはまず上蓋を開けるという一手間がかかる。
また、机まわりにプラモの箱や材料、資料などを置いておくスペースがないため手近な工具箱の上へ雑に積み上げがちで、そうすると上段の物を取り出すのにまず積まれた物をどかさねばならず、ひどく効率が悪い。
無論そうやって物を積み上げないように運用すべきというのは正論であるが、物が積まれるのは作業の時に必要なものをストックする場所が足りていないから「とりあえず」積んでしまうことによる。つまり、この悪癖を解消するためにはまず置き場所を作る必要があるという道理である。
そういうわけで、環境整備を行う。
工具箱の整理
手始めに積み上げた物を一度片付け、工具箱を整理する。最上段は蓋を開ければすぐアクセスできるが、上下2段になっており下段は上のトレーを持ち上げないとアクセスできない。ここには比較的使用頻度の高くないものを入れる。
3段の引き出しのうち、最も容量の大きい下段には電動工具など大きめで重めのものを入れる。中段には接着剤などを整理、上段には使用頻度高めのものを入れた。
メタルラック
次に、工具箱の上にメタルラックを組み、「工具箱の上に積み上げる」代わりの置き場を確保することで、開けっぱなし問題の解決を図る。
使用するメタルラックは、幅がちょうど工具箱を跨ぎ、窓際のスペースにすっぽり収まるAmazonブランド製品。
最上段の棚板の下、工具箱の上蓋を開いた状態での高さギリギリに2段目を取り付け、ラックの強度を保つとともに置き場を増やす。2段目は主にカメラレンズのストックなどに利用。
棚板は3枚あるのだが、工具箱の上にはもうスペースがないので、余った1枚は工具箱に当たらないよう側方に出し、支柱を2本追加することで低めの棚を張り出す形にする。ここには机脇に積み上げていた積みプラ類の置き場として活用したい。床積みだとどうしても周辺を掃除しにくいので、床から上げてしまうことで掃除機のノズルが届く余地を作りつつ、必要に応じて下に収納ボックスなどを追加できるようにしておく。
有孔ボード
ラックの背面に600x900の有孔ボードを縦に取り付けた。
上下の棚板を固定する背板として棚の強度を増すと共に、棚やフックなどの拡張が可能なようにする算段である。
ボード端には電源タップもネジ止めして、なにかとゴチャつきがちな作業用電源まわりを整理する。
また上面にLEDバーライトを配置した。
思ったより照度が高く、直射だと眩しすぎるきらいがあるので、上から覆いをかけて間接照明にする。ラック前面にはバスケットやフックをいくつか取り付ける。ここはカッターやハサミ、ペンなど使用頻度の高い汎用ツールを常備する場所となる。
長物を置くために有孔ボード用の棚を買ったのだが、なぜか取り付け部の間隔がボードの穴と合わない。有孔ボードと同じメーカーから有効ボード用製品として出ているものを買ったのに、これはないんじゃないの⋯⋯と思ったが、メタルラックのサイドに引っ掛けて結束バンドで固定したら丁度いい感じの定規置き場になったのでよしとしよう。定規は使用頻度が高く、また長さがあるため若干収納しにくいので、専用の棚があるのは結構便利だ。
有効ボードにワイヤーバスケットを取り付けてみたら、ティッシュペーパーの箱無しパックを収めるのにぴったりだった。作業の際は何かと使うので、手元にあるのは重宝する。
ただ、ゴミをどうするかは悩ましい。ティッシュだけでなく削りカスなども出やすいので手近に捨てられる場所を用意したいが、棚の下は工具箱が占拠しているためゴミ箱を置けるスペースがない。ひとまず台所用のレジ袋ホルダーを棚板に取り付けて袋を引っ掛け、ゴミ袋代わりにしてみた。
材料置き場
模型材料はプラ板とプラ棒が大勢を占める。
板の方はブックスタンドに立てて保管すれば良いが、問題はプラ棒やパイプである。厚みが3種類程度しかないプラ板と異なり、棒やパイプは太さを取り揃える必要があるため整理は結構大変だ。
ひとまず3段引き出し式の書類棚を購入、この中にプラ段ボールで仕切り板を作って種類別に仕分けてみた。
ただ、プラ棒はともかくプラパイプは組み合わせ可能な仕様のため最小3mmから最大8mmまで、0.5mm刻みで11種類もある。仕切り板の設計についても考えなければなるまい。
機能整備
一通りの整理が終わったところで、機能の拡張に着手。これまで作業中に不便を感じた部分などの改善を図る。
掃除機
作業中は細かい削り屑などが発生しやすいので、ハンディ掃除機を購入。安いものだと充電がUSB直挿しのことが多いが、できれば置いておくだけで充電できる台付きでさっと使用してまた戻せるようにしたいので、アイリスオーヤマのものを買った。シンプルなデザインとグレーのカラーリングも良い感じ。
ライト付きルーペ
アーム式のリングライト付き作業ルーペを購入、手元を照らしつつ細かい作業を行えるようにしてみた。ルーペよりも照明代わりに使うことが多いが。
モーターツール新調
モーターツールは今までグンゼの乾電池式を使っていた。有線式よりも出力は低いもののコードがないので取り回し良好だが、ツールを固定するチャック部が振動で徐々に緩んでしまうため使用中に都度締め直す必要があった。
家庭内でモーターツールの需要が高まったので充電式の安いものを買ってみたところ、ちょっと太いペン軸程度の太さで持ちやすく、ツールは差し込むだけで十分な固定力があり、パワーも申し分ない。これを常用することにした。
ガラスのカッターマット
樹脂製のよくあるカッターマットを敷いて作業していたが、この樹脂はどうも熱に弱く、たとえばコーヒーカップなどを置いただけで波打ってしまう。
そこでカッターマットをガラス製に入れ替えてみた。
USBハブ
以前から小型電動グッズ類などでは給電のためにUSBポートを使用するものが多かったが、最近はそれが長方形のUSB TypeAや小型機器用のmicroBなどからTypeCに統一されてきた。
ポートが統一されるとケーブルも統一できて良い⋯⋯かと思いきや、これらは本体側こそUSB-Cポートでありながら給電元がUSB-Cだと電力供給できない。どうやらコネクタがUSB-Cというだけで機器としては対応していないらしく、「かならず付属の(給電側がUSB-Aコネクタになっている)ケーブルを使用してください」ということで、相変わらずUSB-Aが必要になるのだった。
しかしMacBookにはもうUSB-Aポートなど付いていないので、機器充電のためだけにUSB-Aハブを用意する必要が生じた。これはデータ通信用ではなく純然たる電力供給用であるので、ACアダプター付属でコンセントから電力を取れるタイプのハブを取り付ける。
薄型でポートが側面にあるタイプをメタルラックの棚板に結束バンドで結びつけてみた。こうすることで棚板の厚み内にハブを納め、すっきりと使用できる。ただUSBポートが網の内側にあるため抜き差しは容易でない。今のところは短いケーブルを挿しっぱなしにしているが、むしろポートを下向きに並べた方が簡便だったか。
シロッコファン
台所は家の中で最もクーラーから遠い位置であり、西向きの窓がある上、火を使うこともあって熱が篭りやすい。
タワーファンで送風することで冷気を届けてはいるものの、どうしても夏は暑くなりがちなので、棚板の網の内側に冷却ファンを取り付けて送風できるようにしてみた。多少なりと涼しくなると良いが。