アークナイツ:エンドフィールド:詰んだ

6年前からプレイし続けているタワーディフェンスゲーム「アークナイツ」と世界設定を共有するアクションRPGタイトル「エンドフィールド」を始めた。
endfield.gryphline.com

RPG部分としては似たようなタイトルが他にもあるが、エンドフィールドの特徴的なところは「工場自動化」と「インフラ整備」の要素を持つところである。

工場自動化というのは「Factorio」などに代表されるゲームジャンルで、ベルトコンベアラインを組んで様々な加工装置に素材を運び、加工品をってゆく。より重要な部品を作るためには複数の行程を経る複雑なラインを考案する必要があり、最適化が悩ましくも面白い。
エンドフィールドでは装備品のための部品などを工場ラインで生産する必要があり、フィールドを駆け回って集めた素材を加工してラインを拡張してゆく。

インフラ整備の方は、主に電線の延伸である。
エンドフィールドではあちこちに電力のダウンした装置が転がっており、これに電線を繋いで電力を供給することで先へ進める道が拓けたり、素材採集を自動化したりする。そのために電柱を立て電線を繋いで電力網を伸ばしてゆく必要がある。

ある程度進めると素材の回収が電力網によって自動化でき、それを使って工場を動かし続けることができるようになってくる。
装置を増やしてゆくと徐々に必要電力が増加するのだが、電力もまた自動生産ラインの中に組み込んで効率の良い燃料を製造し、それを消費して高効率な発電を行なうことができるようになる。
そうやって電力の余裕を作っては電線を伸ばし、その先々で採取する素材を増やし、また新たなラインを組んでゆく。
エンドフィールドは、アクションRPGでありながら拡大再生産の遊びでもあるのだ。

で。

生産ライン自動化が楽しすぎてどんどん工場を拡張し、新たな高級素材を生産するラインを増やしていったら、素材消費が増えすぎて自動採取が追い付かなくなり、在庫が枯渇してしまった。
前述のように、発電システムもまた自動生産ラインの一部に組み込まれており、生産ラインが製造した燃料が供給されることで全体の電力を賄っている。
それが、すべて停止した。

ラインを再起動するためには電力が必要になる。が、その電力はラインが担っている。つまり、再起動するための電力がないので再起動できない。
いちおう、燃料を手掘りして発電機に流し込めば最小限の電力は確保できるのだが、それでは到底足りない。
やむなくラインをすべて解体し、多数の発電機を並べて直接燃料を流し入れるだけのラインを組んだ上で複数の採掘所を回って回収してきた燃料を流し入れてみた。これで電力網が起動すれば自動採掘機能が活動を再開し、素材の蓄積が再開できるので様子を見ながら生産ラインを徐々に拡張して電力効率を上げてゆけば、いずれ元の生産ラインを再構成できるだろうと思ったのだが、現在可能な範囲で組んだ発電ラインでは最低電力を確保することができなかった。燃料が虚しく消費されるのみである。

あとは電力網とその先に繋がった自動採掘装置などを解体して消費電力を下げてゆくしかないのだが、そうなるとある意味で全てリセットして1からプレイし直すより苦行では⋯⋯

こういう事態に陥ったときの救済措置ってないのかな。というか、こういう事態が想定されてなかったんだろうか?

髪の毛の絡まない掃除機

掃除機の運用に於いて、ブラシに絡まる髪の毛の清掃は悩みの種である。
長髪の人や長毛種のペットがいる家庭ならば尚更だ。

長く細い毛は回転部に容赦なく絡む。ブラシに、ローラーに、絡まった毛は隙間に詰まり軸を締め付け、回転を阻害する。
およそ掃除機に於いて回転構造を避けることは難しく、とりわけロボット掃除機のように自走するタイプでは走行輪や隅の埃を掻き出す小ブラシなど、複数の回転部品を有するため相応にメンテナンスの必要性も高まる。

スティック型掃除機は接地面が先端のノズル部分だけであるため、毛の絡みという問題には比較的強いが、それでもブラシヘッドがある限り問題がゼロにはならない。

もちろん、回転ブラシがないノズルのみのヘッドであれば毛の絡みは全く発生しない。その代わり、掻き出す力がないのでカーペット上での集塵力は非常に悪くなり、とりわけ髪の毛は全く取れなくなる。
髪の毛はブラシの毛の間に絡み付くので、植毛ではなくゴムブレードになっているタイプならば絡みにくくはなるが、植毛ブラシよりも掻き出し力は弱い。
やはり集塵力の点では植毛ブラシが最善だが、一方で毛の絡みについては最も厳しいことになる。

しかしここに、植毛でありながら毛の絡みを解消した回転ブラシがある:それがパナソニックの「絡まないブラシ」である(そのまんまな名前だ)。
panasonic.jp
このブラシは少々特殊な構造をしている:通常ならば横長の円筒ブラシが1本付いているところ、左右から先細りのブラシが2本、中央で先端を合わせるようにして付いているのだ。
巻き付いた毛は、より細い部分に集まってゆく。車輪などではそれが軸への絡みとなるが、先細りのブラシではより細い先端側への移動として機能する。そして、2本のブラシの先には隙間があるため、そこから抜け落ちて吸い込まれる。

実際に使ってみたところ、毛の巻き付きそのものは生じているのだが、それがブラシの間に留まって絡み合うことがなく、使っているうちに順次脱落して吸われてゆくため、ブラシ清掃の必要がまったく発生しなくなった。


なお「絡まないブラシ」はその構造上、掃除機本体から取り外すことができない。現在は絡みにくさを維持しつつ取り外して清掃可能な「絡まないブラシplus」が登場しているらしい。
こちらは中央セパレートの先細り構造をやめ、代わりにブラシカバー裏にブラシの巻き付きをこそげ落とすブレードが備わっているようだ。

パナソニック掃除機の現行機種は、有線タイプはすべてキャニスター型、コードレスはすべてスティック型となる。
スティック型は集塵方式が3種類あり、紙パック式・サイクロン式、そして内部タンクに溜めたゴミを充電ドックに吸い出す「セパレート式」から選ぶことができる(セパレート式もドック内の集塵には紙パックを使用する)。
今回はセパレート型のうち「絡まないブラシ」搭載モデルで最安のMC-NS100Kを買ってみた。

本体は非常にスリムで軽く、そのサイズにゴミを溜めるタンクとバッテリーを内臓しているため容量は決して大きくない。連続して広い範囲を一度に掃除するにはあまり向かないものと思われる。
本来ならばワンルームなど狭い範囲で使うか、キャニスターまたはロボット掃除機などと併用する前提なのだろうが、稀に発生する全体の掃除でちょっと面倒なことに目を瞑れば、日常の掃除では十分に役立ってくれる。

掃除機本体から吸い出したゴミはドック内のパックに溜められてゆく。パックが一杯になってくるとランプが点灯するが、およそ1ヶ月分ほどが溜められる計算とのこと。

充電はドックに戻すだけ、ゴミは月に1度パックを交換するだけ。ブラシに髪の毛は絡まない。おそよ考え得る限り最大限の「メンテフリー」掃除機ではなかろうか。

使用感

実際に使ってみての感想として。

本体内臓の集塵カプセル容量はごく小さい。イメージ的には「指3本分ぐらい」。
そのため、ちょっと埃の積もった箇所の掃除などではすぐ満杯判定が出てしまい、都度ドックに戻して吸い出す必要がある。

ただ、そんなに吸っていないはずなのに満杯表示(赤ランプと青ランプ同時点灯)になる場合は、ブラシヘッド側のエラーかもしれない。
「絡まないブラシ」は確かに巻き付いた髪の毛が中央に寄せられて抜けてゆくのだが、一度に絡み付いた量が多いと吸い取られるのではなくブラシ中央で毛玉となって詰まる場合があり、これがエラーランプを点灯させる。
「中身を吸い出した直後なのにすぐ点灯する」と思ったらヘッドを確認されたい。

カルドセプト、10年の時を超え復活

2026/2/5のニンテンドーダイレクトで、まさかのカルドセプト完全新作が発表された。

www.youtube.com
発売予定日は2026年7月16日。前作「リボルト」(ニンテンドー3DS)が2016年7月の発売だったから、きっかり10年ぶりである。

カルドセプトとは何か

知らない方のために少し説明しておくと、カルドセプトは初代が1997年セガサターン用に発売された、ボードゲーム+トレーディングカードゲーム(TCG)である。開発元は社員わずか5人の小規模ゲームハウス「大宮ソフト」。
昨今人気のデジタルカードゲームの走りとも言える作品で、世界初のTCGマジック・ザ・ギャザリング」の発売が1993年、その日本語版の登場が1996年、最初の国産TCGポケモンカードゲーム」が同じく1996年であることを考えると、翌1997年にもうデジタルカードゲームが登場しているというのは驚くべき早さだ。

基本的なルールは「モノポリー」をベースとしており、すごろくのようにサイコロを振ってボード上を周回し、止まったマスを「買って」自分のものにし、「投資して」価値を高め、自分のマスに止まった他のプレイヤーから通行量を奪い、資産総額を目標値以上にしてスタート地点へ戻る早さを競う。
モノポリーと違うのは、他人のマスに止まったときに「戦って勝てば」そのマスの所有権を奪えるということ。これによって高額の通行量をなかったことにでき、他人が投資してきた資産をごっそり自分のものにできるため、一発逆転のチャンスが生じる。
バトルには、自分が集めたカードを組んだ「ブック」を用いる。より強いカードを集め、戦いを有利に導くことができる。
400種以上ものカード群から選び抜いたブックは組み合わせ次第で様々な戦略を持ち、それによってゲームスタイルが変わる。高火力のカードで相手領地を侵略するか、高防御で拠点を守り育てるか。あるいはサイコロの目を操って相手に自分の領地を踏ませ通行量を奪い取ったり、呪文で領地を焼き尽くしたりもできる。

なぜファンが騒然としているのか

もちろん、一番の理由は「10年ぶりの完全新作」という点だ。

カルドセプトは初代の発売から30年近い古参シリーズながら、そのタイトル数は決して多くない。
初代SS版→PS版→DS版は細部のブラッシュアップこそあれ基本的に同一、DC版「セカンド」→PS2版→3DS版も同様で、他に完全新作としてリリースされたのはXbox360版「サーガ」(シリーズタイトルで唯一大宮ソフトが直接制作に関わっておらず、バグだらけのため闇に葬られた)と3DS版の最終作「リボルト」のみで、つまり実質的には「たった3作しかない」ようなものだ。
だからファンの間でさえ、過去作の移植に望みを託しはしても、まさか完全新作が来るとは予想もしていなかったのだ。

また今回のプラットフォームがNintendo Switch2だというのも非常に大きい。

対戦ゲームであるカルドセプトは、バトルの様子を見せてこそ魅力が伝わる。しかし、これまで対戦画面の配信に適した環境を得ることができなかった。
初期タイトル時代にはまだ通信対戦環境がなく、対面でしか対戦できなかった。逆に、通信対戦環境が整ったDS版以降はハードウェアに映像の外部出力機能がない。両方を備えていたのはドリームキャスト版とXbox360版のみだが、ドリームキャストは20年以上も前に通信サービスを終了しているし、Xbox360版は前述の通りまともに評価できる代物ではなかったため、実質的に通信対戦と画面共有を両立できる環境は存在しないも同然だったのだ。

そのためファンとしてはブラッシュアップが進みバランスが良く、初心者向けガイド機能も充実していた「カルドセプト3DS」あたりがSwitchに移植されることをずっと待っていたのだが、そこに期待を大きく上回る「完全新作」「配信対応」「おすそわけ通信対応」がやってきたわけだ。

Swict2の「おすそわけ通信」とは、自分が持っているソフトを持っていない人に「おすそわけ」して一緒に遊べる、限定的な通信プレイ機能である。Switch2同士であれば「ゲームチャット」を通じてオンラインで、相手がSwitchならば対面距離でのローカル通信限定とはなるが、カルドセプトを買っていない人とも通信対戦が可能になる。
www.nintendo.com

なにしろ、これまでは勧誘しようにも「最新作ですら10年前」「手元に対応プラットフォームがない」「通信対戦サービス終了済み」という大きな障壁に阻まれてきたのだ。それが買いやすくなるばかりか、体験してもらいやすくなるということがどれだけ嬉しいか。

なお、Swich2新作と同時に、Steam上で初代カルドセプトの配信も発表されている。

www.youtube.com
こちらはWindowsだけのようだが、PC上でもカルドセプトを遊ぶことができるようになるのは嬉しい。

今から手を出して大丈夫なのか

ゲームとしては「大丈夫」と断言したい。

世のTCGは大抵、カードの追加を重ねて膨大な分量の資産がストックされることで初心者と古参の間に著しい資産量・知識量の差が生まれがちだが、買い切り型であるカルドセプトでは新作ごとに過去のカード資産が一度リセットされる。
むろんゲームシステムや基本的なカードの性能など共通する部分の知識は活かされるから、初期の知識量には差が出るものの、覚えるべき範囲が無限に拡大するわけではない分、追い付くのはさほど難しくないはずだ。

また、長く続いたシリーズでは回を重ねるごとに新要素が増え複雑さを増す傾向があり、特に対戦ゲームの場合では前作に慣れたユーザを飽きさせないための調整によって間口を狭めがちではあるが、カルドセプトの場合はそもそも新作の増加ペースそのものが極めて緩やかであったため新要素の蓄積も少ない。
特に今回はタイトルに「ビギンズ」とあることからも、従来ファンに向けた「狭い」ゲームではなく多くの新規ユーザ取り込みを意識しているものと予想され、複雑さを抑える調整が期待できそうだ。

気がかりな点があるとすれば、新作ゆえに初代〜2ndに登場したお馴染みのキャラたちがほとんど登場しなさそうということ(主人公のガイド役である魔法の杖「ゴリガン」の姿は確認できる)。
せっかくカルドセプト世界を魅力的に描いた漫画版があるのに、それとの関連性が薄くなってしまうだろうことは少し寂しい。

追記

初期情報のみで突っ走ったのでちょっと情報が錯綜してしまったため整理しておく:てっきり「Switch2で新作が、Steamで旧作が」出るのかと思ったら、

  • 新作「カルドセプト ビギンズ」
    • 2026年7月16日発売
    • プラットフォーム:
      • Nintendo Switch2
      • Steam(Windows11)
  • 初代ベース「カルドセプト ザ・ファースト」
    • 2026年7月30日発売
    • プラットフォーム:

ということらしい。

公式サイト

game.neoscorp.jp

開発インタビュー記事

www.famitsu.com
news.denfaminicogamer.jp

発熱から始まる症状について

ここ数日、病を得て寝込んでいた。
結果から言えばそう大した病状ではなく、同種の症状としても格段に軽い方であったものと考えられるが、個人的には初めての体験だったので、まとめておこうと思う。

発熱

始まりは、背中の張りであった。
私は酷い肩凝り持ちなので背中がバキバキに張るのはそう珍しいことでもなく、この時も「帰ったらマッサージするか」ぐらいに捉えていた。
しかしだんだん背中だけでなく指関節なども強張り痛みを生じるに至り、どうやらこれは凝りではなく発熱らしいということに気付いた。
ただ、これまでの経験的には熱が上がっているときは悪寒を伴うことが多いのだが、このときは(凝りだと思っていたぐらいで)発熱を予感させる自覚症状は何もなく、帰宅して熱を計ってようやくそうとわかる程度であった。このときの体温37.7度。

ひとまずこの日は解熱鎮痛剤を服用して就寝。

発熱外来

翌朝時点での体温は37.1度、まだ熱はあるものの微熱程度である。また咳や鼻詰まり、喉の痛みといった風邪様症状は皆無。
とはいえインフルエンザの爆発的流行期であるから、感染可能性は決して低くなく、用心に越したことはない。近所のかかりつけ内科にて発熱外来を予約する。
この医院はコロナ期以降、発熱外来を常設し感染防御を強めており、院内を仕切って受診者同士の接触を低減している。仕切りの中で待機のちSpO2測定、鼻腔粘膜を拭ってウィルス感染検査。
検査結果は血中酸素濃度99%で呼吸器症状なし、インフル・コロナとも陰性。解熱剤としてロキソプロフェンNaを処方されて帰宅。

翌日も変わらず37.1度と熱は上がりも下がりもせず、若干の体の痛み(ロキソプロフェンで抑える)以外には症状らしい症状もない。
解熱剤を服用していれば動けないこともないのだが、念の為休みを取る。

腰痛

痛みに目を醒ます。左下腹部に内臓系の、キリキリと引き攣るような痛み。左腰背部に筋肉痛系の、重度の凝りのような痛み。
腹を押してみたり腰を押してみたり、姿勢を変えたり便通の不良を疑ってトイレに籠ってみたり色々するが、痛みの波が引いたり寄せたりを繰り返し何が効いて何が効いていないのかよくわからない。
病院へ行くべきだろうが、そもそも何科を受診すれば良いのか。内臓要因ならば内科、筋肉要因ならば整形外科だろうが痛みの部位も判別し難い。
腰から背中の痛みということで想起されるのは結石の類だが、あれは即座に救急車を呼ぶほどの耐え難い痛みとも聞く。しかし今はそこまで辛い痛みというわけでもない。
また痛みというものは必ずしも症状部位に現れるとは限らないというか、部位認識と実際の症状が一致するとも限らないようだ。背中が痛いと思ったら心臓疾患だった、といった事例もあるわけで、素人では判断つきかねる。

とりあえず救急相談窓口に電話してみる。症状を尋ねる内容から察するに外傷性内出血症状(急を要する)かどうかの切り分け、および尿路結石が疑われる明確な症状を確認されているものと思われるが、痛みについてもその他症状についても典型的なものではなかったようで、ひとまず整形外科の受診を薦められた。
たしかに背中は筋肉痛っぽく感じるとは答えたが、それだと腹部の内臓っぽい痛みが説明付かなくない?
あるいは実際に整形外科領域の症状なのかも知れないけど、内臓系の可能性がある場合そっちを優先的に疑っておいた方が安全でない?
いやまあ、相談しておいて疑うのもなんだけども。

病院が開くまでに、結石について少し調べる。尿路結石は尿路中のどこに生じるかで腎結石・尿管結石・膀胱結石・尿道結石に分かれ、痛みが大きく異なるらしい。
最も痛いことで知られるのが尿管結石。膀胱結石はそれよりは軽く、頻尿や残尿感などを伴う。尿道結石は痛いが瞬間的。腎結石は尿の流れが阻害されない限り明確な症状が生じにくく、痛むにしても背中の鈍痛程度とのこと。
⋯⋯やはり腎結石では?

結局、発熱外来を受診したのと同じ内科に。それほど遠くないところに泌尿器科もあり、そちらの方がより適切ではあったか知れないが、泌尿器科は今まで受診したことがないのに対し内科はかかりつけ医院であり、また直前の発熱について受診済みであることもあってまずそちらを頼ることにした。

病院では尿検査と、指先からの血液採取。指先に針を挿し血を一滴採取するのだが、専用器具は痛みもなくわずかな傷のみで極めてスマートであった。
検査の結果、尿中に潜血が認められ、また血液検査からCRP1.1mg/dLと軽い炎症反応が確認された。つまり軽度の腎結石によりわずかな炎症を生じており、これがどうやら37度程度の悪寒なき発熱の原因でもあったようだ。
「これぐらいだとそのうち排尿とともに排出されることが多いので、水をたくさん摂ってください」とのことで帰宅。以降とりあえず痛みは再発していないものの、石を排出した手応えは感じていないので、しばらくは再発を懸念して恐る恐る動くしかなさそうだ。

というわけで、「凝りかと思ったら発熱、風邪かと思ったら結石」だったという話。

事件調査・証拠解析ゲーム「東京サイコデミック」

1年ほど前にリリースされた事件捜査ゲーム「東京サイコデミック」を遊んだ。
tokyo-psychodemic.com
事件の捜査、というより証拠の調査・解析に主眼を当てた、新機軸のミステリゲームである。
本作のディレクター/シナリオライターは今井秋芳氏、「東京魔人學園」シリーズなどジュヴナイル伝奇もので知られる。

最初に書いておく:独特の面白さはあるものの、あまりおすすめはしない。

ゲームの概要

最初に、今回捜査すべき事件の概要が[エビデンスボード]に貼られる。海外のミステリドラマなどによく登場する、壁に関係者の写真や地図などが貼られ赤い紐で結んで関係性を視覚的に表現する、あれだ。
そしていくつかの疑問点が提示される。たとえば「犯人は?」とか「動機は?」といったような。そして、その空欄を埋める[証拠]を探すために資料を解析してゆく。

解析は他のゲームでは見られない要素なので、とりあえず体験版の内容を例に説明しよう。
体験版では、まず被害者の足取りをいくつかの監視カメラ映像から追ってゆく。映像解析装置では左右2画面にそれぞれ映像を出して比較・解析することが可能で、たとえば被害者の顔写真をデータ解析したものを片方の画面に出して、もう片方で映像を再生しながら被害者と思われる人物が映る場面で停止して拡大表示し、AIに顔の一致率を解析させることで本人かどうかを確認することができる。
このようにして[被害者がどのカメラに写っているか][どちらへ移動したか]を確認することで当日の足取りを掴むことができる。

このほか、文書を[注視モード]で見ることでキーワードを拾い上げたり、音声解析装置で周波数帯ごとにボリュームを調整することで話し声の後ろで鳴っている環境音をはっきりさせたりと、複数の手段で証拠を集めてゆく。
わからないことがあれば[ダークウェブ]越しに専門知識を持った協力者に訊くことができ、また[凄腕のハッカー]に頼んで必要な情報を集めてもらうこともできる。

事件解明に必要な情報を集め切ったら、質問に回答してゆく形で[報告書]をまとめ、証拠となる情報を添えて提出する。

この調査モードは他のゲームには見られない本作のみの特徴で、これを面白いと思えるか、それとも面倒臭いと思うかがひとつめの評価の分かれ目となる。
解析機材の操作はなかなかにリアルで、他では得られない雰囲気を味わえるが、実際の捜査でも付いて回るであろう地味な面倒臭さをもリアルに再現してしまっている。
たとえば監視カメラのビデオテープを再生して事件前後の動きを確認するためには、実際に数分の映像をじっと目視して決定的な瞬間を見付けなければならない。もちろん実際には1本あたり60〜120分ぐらいあるだろう映像が、ゲーム中ではせいぜい5分ぐらいに短縮されているのだから面倒はかなり軽減されているわけだが、そうは言っても多作に比べて面倒であることは否めない。

コントローラーはリアルな機材に近付けて操作を割り当てられており、その試みには成功しているものの、それゆえ手間が増えてもいる。
たとえば映像に映っているのが容疑者であることを確認するのに、片側のディスプレイに顔写真を出して特徴解析を行ない、もう片方に映像を出して再生、容疑者の映った部分を拡大してAIによって写真との一致度を判別させる⋯⋯という手順を踏むことになるのは、そこそこのリアルさと簡便さを両立させてはいるわけだが、ゲーム的には[映像を拡大した時点で本人と断定してフラグ立て完了]ぐらいでもいいわけで⋯⋯
反面、ダークウェブ越しなのに全員顔出しだったり凄腕ハッカーが即座に情報抜いてきてくれたりと雑にお手軽だったり(まあこれはゲームの簡便化の一貫であり、必ずしも悪いことではない)、推理の論拠となる科学・技術知識がだいぶあやふや感あったりと、リアルに寄せたいのかそうでないのか図りかねるところも色々あったりするが。

ボリューム

本作のシナリオ数は5本。ひとつの事件はだいたい1〜2時間程度でクリアできると思われ、最後がちょっと時間かかるとしてもまあ10時間前後と、そう長くはない。
恐らくは連続ドラマ的なノリなのだろう、各話でほぼ同じOP・EDが繰り返される(スキップはできるが)。意図はわかるが連続して遊ぶと正直ウザいばかりで面白さには寄与していない。

各キャラにはLive2Dによるアニメーションとボイスが付けられているが、それがあまり魅力的に作用しているとは言い難い。毎回同じ立ち絵のアニメーションよりも、場面を印象付ける魅力的な1枚絵の方が効果的な場面もあるものだ。コストのかけ方を再考された方が良いのでは。

当初の販売価格は5940円。途中、アップデートとともに販売価格が3980円に変更されたようで、まあこのボリューム感からすればそれぐらいが妥当な金額ではあろう。

総評

全編通しての印象は「雰囲気だけはあるが、中途半端」。

エビデンスボードは視覚的な情報整理効果だけでなく事件捜査感が出ているし、リアルに寄せた解析操作などは昨今流行りのARGミステリー路線の先駆けと言えなくもなく、見た目の楽しさを演出することには成功している。ただ、そういったリアル要素は推理ゲームとしての楽しさにはあまり寄与しておらず、むしろ面倒が前に出てしまっている感は否めない。

そもそもミステリーは実のところゲームにはちょっと不向きなジャンルではある。一番の醍醐味は[予想が覆される]カタルシスであり、そのためにはミスリードが大きな効果を発揮するわけだが、小説や映像など受動的メディアであればこそ読者はミスリードされたまま終盤を迎え、それを名探偵が覆してみせるという構図が機能する。
しかしゲームに於いてプレイヤーは名探偵の役割を担うことになるため、ある程度ミスリードを弱め、真実に気付かせる導線を敷かねばゲームクリアが覚束無いが、結果としてミステリーとしてのカタルシスはどうしても弱まることになる。
とりわけ本作では、証拠の解析の方に重点を置く都合上、推理の方は更に弱めざるを得ない。そのためミステリー本来のカタルシスはほとんど消失しており、証拠集めこそを楽しさの中核とすることになるが、同時にここが一番面倒臭い[作業]でもあるという、構造的弱点を抱えている。


また、本作の事件はいずれも[超常現象]を匂わせる内容となっている。これはある意味でミステリーのカタルシスのための[意外性]の演出に寄与してはいるのだが、この点こそが最も大きな評価の分かれ目であり、率直に言えば評価を下げる要因となっている。

超常現象というのは、現実には有り得ないからこそ超常現象なのだ。つまり超常現象としか思えない事件というのは、もうその時点で現実のものとして説明不可能であるか、あるいはそもそも説明がねじ曲げられて不自然であるかのようにミスリードされているかのどちらかということになるわけだが、本当に超常現象であったとするならば(現実ではないのだから)どんな現象でもアリということになってしまい推理もクソもないし、不自然なミスリードであるなら余程巧妙にやらない限りは到底納得できないアンフェアなものになってしまう。
たとえば密室殺人の真相が「霊体が壁を通り抜けて被害者を殺した」だったら、あなたは納得できるだろうか?あるいは「霊のしわざに見せかけて殺すために壁を通り抜ける特殊な装置を作った」だったら?
上記の例はネタバレにならぬよう私が適当にでっち上げた内容だが、本作に於ける[超常現象を匂わせるミステリー]というのは、大体そういう感じだ。

ゲームは基本的に[証拠探し]に終始するが、終盤でだけ唐突に[謎解き]が差し挟まれる。正直ここだけは、蛇足な上に出来が悪いと感じた。それまでに謎解きに関する何らかの誘導があるわけでもなく、従ってルールが一切不明な状態で、しかもゲーム上は明らかに「誤答したらゲームオーバー」な状況である(実際にゲームオーバーとなるのかどうかは身確認)。ここは全面的に攻略サイトを頼ったが、そこでもあまり納得できる答えとは受け止められていなかった様子。
これもシナリオライターが自分で考えるのではなく謎制作の専門家を頼るべきだったろう。そうであればこんな不可解な謎は作られなかったはずだ。


ところで、超常現象とは別に、本作はコロナ以後の社会情勢を明確にモチーフとしており、社会風刺的な主張を強く感じる──のだが、終盤で悪役側の主張が覆されるでもなく継承されてしまっているために、風刺のつもりなのか純粋に極端な思想の発露なのか、よくわからないことになってしまっている。
まあ「悪が倒されて善なる世界に変わる」みたいなのもわかりやすすぎて興醒めな部分はあるので敢えてのことなのかも知れないとも思うのだが、全体にとっ散らかっているというか、まとまりのなさは否めない。ディレクションとシナリオライティングを一人でやることの弊害というか、外部の編集が入ったらもうちょっと違ったのではないかという気はする。


総じて「意欲は買うが、評価はできない」。
これがせめて、著名なミステリー作家にシナリオを依頼して[証拠の解析に軸足を於いたミステリー]として作られたならば、(操作の面倒臭さは解消できずとも)それなりの作品になったかも知れないだけに、勿体なくはある。

あなたがもし[超常現象系のミステリー]を楽しみたいなら、「都市伝説解体センター」をおすすめする。
umdc.shueisha-games.com

証拠解析ゲームとして遊んでみたいと思ったなら、まずは本作の体験版をやってみて、製品を購入するかどうかを検討されたい。

作業机を整備する

久々に模型を作り始めたのだが、作業の前にまず散らかった素材やパーツ、積みプラ、工具などを整理する必要に迫られた。

元々、私個人の作業部屋というものはなく、工作は主にキッチンテーブルの片隅で行っている。
工具などはテーブル脇に置いたツールボックスに収納しているのだが、これは3段の引き出しと最上段の二重底トレーで構成され、蓋を閉めた状態では引き出しにロックがかかるため、引き出しを開けるためにはまず上蓋を開けるという一手間がかかる。

運搬時に引き出しが飛び出して重く尖った工具などをぶちまけないためにロックが必要なのは理解できるが、蓋を閉めたままだと何を取り出すにも2手必要で地味にストレスなので、すぐに引き出しを開けられるようにするため蓋を開けっぱなしにしたくなる。しかし、そうすると中に埃が溜まりがちでよろしくない。

また、机まわりにプラモの箱や材料、資料などを置いておくスペースがないため手近な工具箱の上へ雑に積み上げがちで、そうすると上段の物を取り出すのにまず積まれた物をどかさねばならず、ひどく効率が悪い。
無論そうやって物を積み上げないように運用すべきというのは正論であるが、物が積まれるのは作業の時に必要なものをストックする場所が足りていないから「とりあえず」積んでしまうことによる。つまり、この悪癖を解消するためにはまず置き場所を作る必要があるという道理である。

そういうわけで、環境整備を行う。

工具箱の整理

手始めに積み上げた物を一度片付け、工具箱を整理する。最上段は蓋を開ければすぐアクセスできるが、上下2段になっており下段は上のトレーを持ち上げないとアクセスできない。ここには比較的使用頻度の高くないものを入れる。
3段の引き出しのうち、最も容量の大きい下段には電動工具など大きめで重めのものを入れる。中段には接着剤などを整理、上段には使用頻度高めのものを入れた。

メタルラック

次に、工具箱の上にメタルラックを組み、「工具箱の上に積み上げる」代わりの置き場を確保することで、開けっぱなし問題の解決を図る。
使用するメタルラックは、幅がちょうど工具箱を跨ぎ、窓際のスペースにすっぽり収まるAmazonブランド製品。

最上段の棚板の下、工具箱の上蓋を開いた状態での高さギリギリに2段目を取り付け、ラックの強度を保つとともに置き場を増やす。2段目は主にカメラレンズのストックなどに利用。
棚板は3枚あるのだが、工具箱の上にはもうスペースがないので、余った1枚は工具箱に当たらないよう側方に出し、支柱を2本追加することで低めの棚を張り出す形にする。ここには机脇に積み上げていた積みプラ類の置き場として活用したい。床積みだとどうしても周辺を掃除しにくいので、床から上げてしまうことで掃除機のノズルが届く余地を作りつつ、必要に応じて下に収納ボックスなどを追加できるようにしておく。

有孔ボード

ラックの背面に600x900の有孔ボードを縦に取り付けた。

上下の棚板を固定する背板として棚の強度を増すと共に、棚やフックなどの拡張が可能なようにする算段である。
ボード端には電源タップもネジ止めして、なにかとゴチャつきがちな作業用電源まわりを整理する。

また上面にLEDバーライトを配置した。

思ったより照度が高く、直射だと眩しすぎるきらいがあるので、上から覆いをかけて間接照明にする。

ラック前面にはバスケットやフックをいくつか取り付ける。ここはカッターやハサミ、ペンなど使用頻度の高い汎用ツールを常備する場所となる。
長物を置くために有孔ボード用の棚を買ったのだが、なぜか取り付け部の間隔がボードの穴と合わない。有孔ボードと同じメーカーから有効ボード用製品として出ているものを買ったのに、これはないんじゃないの⋯⋯と思ったが、メタルラックのサイドに引っ掛けて結束バンドで固定したら丁度いい感じの定規置き場になったのでよしとしよう。定規は使用頻度が高く、また長さがあるため若干収納しにくいので、専用の棚があるのは結構便利だ。

有効ボードにワイヤーバスケットを取り付けてみたら、ティッシュペーパーの箱無しパックを収めるのにぴったりだった。作業の際は何かと使うので、手元にあるのは重宝する。
ただ、ゴミをどうするかは悩ましい。ティッシュだけでなく削りカスなども出やすいので手近に捨てられる場所を用意したいが、棚の下は工具箱が占拠しているためゴミ箱を置けるスペースがない。ひとまず台所用のレジ袋ホルダーを棚板に取り付けて袋を引っ掛け、ゴミ袋代わりにしてみた。

材料置き場

模型材料はプラ板とプラ棒が大勢を占める。
板の方はブックスタンドに立てて保管すれば良いが、問題はプラ棒やパイプである。厚みが3種類程度しかないプラ板と異なり、棒やパイプは太さを取り揃える必要があるため整理は結構大変だ。
ひとまず3段引き出し式の書類棚を購入、この中にプラ段ボールで仕切り板を作って種類別に仕分けてみた。

ただ、プラ棒はともかくプラパイプは組み合わせ可能な仕様のため最小3mmから最大8mmまで、0.5mm刻みで11種類もある。仕切り板の設計についても考えなければなるまい。

機能整備

一通りの整理が終わったところで、機能の拡張に着手。これまで作業中に不便を感じた部分などの改善を図る。

掃除機

作業中は細かい削り屑などが発生しやすいので、ハンディ掃除機を購入。安いものだと充電がUSB直挿しのことが多いが、できれば置いておくだけで充電できる台付きでさっと使用してまた戻せるようにしたいので、アイリスオーヤマのものを買った。シンプルなデザインとグレーのカラーリングも良い感じ。

ライト付きルーペ

アーム式のリングライト付き作業ルーペを購入、手元を照らしつつ細かい作業を行えるようにしてみた。ルーペよりも照明代わりに使うことが多いが。

モーターツール新調

モーターツールは今までグンゼの乾電池式を使っていた。有線式よりも出力は低いもののコードがないので取り回し良好だが、ツールを固定するチャック部が振動で徐々に緩んでしまうため使用中に都度締め直す必要があった。
家庭内でモーターツールの需要が高まったので充電式の安いものを買ってみたところ、ちょっと太いペン軸程度の太さで持ちやすく、ツールは差し込むだけで十分な固定力があり、パワーも申し分ない。これを常用することにした。

ガラスのカッターマット

樹脂製のよくあるカッターマットを敷いて作業していたが、この樹脂はどうも熱に弱く、たとえばコーヒーカップなどを置いただけで波打ってしまう。
そこでカッターマットをガラス製に入れ替えてみた。

理論上は鉄よりモース硬度が高くカッターでも傷が付かず、塗料や溶剤に侵されないので拭き取りも容易。ただ実際に使ってみると、傷が付かないというわけでもなさそう。まあ波打つことはないので良しとする。

USBハブ

以前から小型電動グッズ類などでは給電のためにUSBポートを使用するものが多かったが、最近はそれが長方形のUSB TypeAや小型機器用のmicroBなどからTypeCに統一されてきた。
ポートが統一されるとケーブルも統一できて良い⋯⋯かと思いきや、これらは本体側こそUSB-Cポートでありながら給電元がUSB-Cだと電力供給できない。どうやらコネクタがUSB-Cというだけで機器としては対応していないらしく、「かならず付属の(給電側がUSB-Aコネクタになっている)ケーブルを使用してください」ということで、相変わらずUSB-Aが必要になるのだった。
しかしMacBookにはもうUSB-Aポートなど付いていないので、機器充電のためだけにUSB-Aハブを用意する必要が生じた。これはデータ通信用ではなく純然たる電力供給用であるので、ACアダプター付属でコンセントから電力を取れるタイプのハブを取り付ける。
薄型でポートが側面にあるタイプをメタルラックの棚板に結束バンドで結びつけてみた。こうすることで棚板の厚み内にハブを納め、すっきりと使用できる。ただUSBポートが網の内側にあるため抜き差しは容易でない。今のところは短いケーブルを挿しっぱなしにしているが、むしろポートを下向きに並べた方が簡便だったか。

シロッコファン

台所は家の中で最もクーラーから遠い位置であり、西向きの窓がある上、火を使うこともあって熱が篭りやすい。
タワーファンで送風することで冷気を届けてはいるものの、どうしても夏は暑くなりがちなので、棚板の網の内側に冷却ファンを取り付けて送風できるようにしてみた。多少なりと涼しくなると良いが。

ag COTSUBU mk2+

今まで使っていたイアフォンで耳障りなビビリが発生してしまったので、買い替えることにした。


私の耳は些か標準的な形から外れているらしく、だいたいのイアフォンは歩いているだけで落ちてくる。そのため落ちないイアフォンを求めて今まで様々な製品を試してきたが、その経験の限りでは最も安定感があるのはスポーツ用モデルであった。着けたまま走ったりする用途を想定しているため脱落を防止する機構が備わっており、振動に対する安定性が高い。
ただ、スポーツモデルは全体に左右独立型のものが少なく、また原色や蛍光色など派手目のカラーリングが多い。デザイン的にはあまり好みでないし、そもそも選択肢自体も少ない。
もう少し毛色の違うものはないかと色々物色する中で、ふと「寝ながら使う」小型軽量イアフォンの紹介記事を目にした。枕に耳を付けてもイアフォンが圧迫されないよう耳の窪みにすっぽり収まるサイズに設計され、小さい分だけ重量も軽い。
いや別にイアフォンを装着して聴きながら寝るつもりはないのだが、これ耳から落ちにくいのでは?

一般に、音質や機能性を追求したイアフォンほど大きく重くなりがちである。ドライバーの径を大きくした方が迫力を出しやすいし、共振を抑えるためか重く硬い金属製ハウジングなどが好まれる。連続稼働時間を伸ばすならバッテリー容量も増やさねばならない。
そうした高級イアフォンは、しばしば装着時に耳から大きく飛び出す大きさになる。
イアフォンの耳内への固定方法は大きさに関わらずほとんど同じであり、先端イアピース部の密着性と耳介の突起部への引っ掛かりで支えるというのが基本的な構造で、つまり耳から出ている箇所が大きく重いものほど脱落しやすいことになる。
逆に、寝フォンのような小さく軽い構造はそれ自体が落下しにくさを生むはずだ。

というわけで店頭で試着したところ感触良好だったので買ってみた、ag COTSUBU mk2+。

これまで使用していたものに比べ、イアフォン本体もケースも半分ぐらいの大きさしかない。非常にコンパクトで持ち歩きやすいが、その分だけバッテリー持続時間は短くなるし、失くしやすそうな予感もする。別売りのストラップケースもあるので、鞄に取り付けておいた方がいいかもしれない。

ケースは全体に角丸で、丸い底面にUSB-Cポートがある。つまりは他製品のようにケース蓋部分を上に向けて置くのではなく、横倒しに置く想定なのだろう。
本体は本当に小さく、サイズ感は⋯⋯イアピース2個分ぐらい(つまりイアピース部分も含めて3個分程度)。耳からぜんぜん飛び出ないので目立たないし、カラーリングも明度高め彩度低めの中間色が豊富にラインナップされており、ファッションに合わせやすい。
音響機材はだいたい黒ばかりなので、カラーヴァリエーションが豊富なのはそれだけで嬉しい。
ネイビーと悩みつつ、クリームを選択。


外箱は10x10cmの正方形で、しっかりした厚紙に手触りの良いマットコーティングが施された高級感のある貼り箱。
中身はシンプルで、説明書と本体、それにイアピースと充電用USBケーブルを収めた小さな箱がひとつだけ。

ペアリング方法は非常にシンプル。
よくあるパターンでは「操作ボタンを長押しするとペアリングモード」だが、COTSUBUは非ペアリング状態だと「ケースを開けた時点でペアリングモードになる」ので、端末側でCOTSUBUを選択するだけでペアリング完了。

機能はだいぶシンプルで、操作可能なのは再生/停止、送り/戻し、音量上下ぐらい。マイク内蔵で通話は可能だが、外音取り込みやノイズキャンセリングなどはない。
本体サイズが小さい分だけセンサー部が相対的に広めなので、着脱などで誤操作が発生しやすい感はある。

耳への収まりは良いが、私の場合は左のイアピースをSサイズにしないとちょっと押し出される。
押し込み直そうとするたびタッチセンサーが反応して再生が止まってしまう。5連打で一時的に無効化することは可能だが、ケースに収納するとまた有効状態に戻る。取り出し時に連打しておいてから装着するのがいいか。

あまり音質を気にする方ではないのでサウンドのレビューは他を当たっていただきたいが、この大きさの割に低音部のキックが結構しっかりあってびっくりした。音量小さめの感はあるもののニュートラルで聴きやすい感じ。
ノイズキャンセリングはないものの、遮音性はわりと高く、それこそ睡眠時の耳栓代わりになるかもしれない。外音取り込み機能もないので会話にはちょっと不便か。

予想外だったのが「軽さ」の効用。当初期待した「落ちにくさ」とは別に、歩行時利用に於ける再生音量に安定感がある。
イアフォンなどを長くお使いの方ならばご経験のことと思うが、こういう機材は「耳のすぐそばで鳴らす」ことによって小さな音量でも大きく聞こえる仕組みであるため、耳内での小さな位置変動によって音量がかなり影響を受けやすい。
歩行時の、足から伝わってくる地面からの衝撃や頭部の上下運動といった作用がわずかにイアフォンを揺らし、これが音量に作用してくる。とりわけクラシックのロングトーンなどのように静かで一定の音が続く場面では、歩行の衝撃に合わせて音量が周期的に変動してしまうのが明瞭に感じられるものだ。
ところがCOTSUBUは、その圧倒的な軽さのゆえに振動で動きにくいらしく、歩行による音量の変動をぜんぜん感じない。これはすごく快適だった。今後も買い換えるなら同系統機種にしようと思うぐらいには。