江の島キャンドルナイト

江の島に行くのは3回目。初回は新江の島水族館目当てで島へは渡らず、2度目は船で島の裏側から上がってきたが、今回は橋を渡って正面から登る。

橋の右側に見えてくる円筒形の建物は温泉施設。
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橋を渡ると、200年前のものだという青銅葺きの鳥居が見えてくる。その奥に見えているのは辺津宮へと至る、竜宮城をイメージしたという「瑞心門」。
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途中には食事や土産物の店に並んで旅館の門も。ここは岩本楼、登録有形文化財となった「ローマ風呂」で知られる老舗である。元は鎌倉時代に開かれた宿坊であったという。
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www.iwamotoro.co.jp

これが瑞心門。望遠で圧縮された写真だとすぐに見えるが、実際には上り坂を150mぐらい歩く。
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これをくぐって階段を登れば辺津宮に行き着くが、ずっと階段を登ってゆくのは結構しんどいので私は上り専用の有料エスカレーター「エスカー」を使う。
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辺津宮を抜け、ちょっと下った先に次のエスカーが。これを上れば中津宮に着く。
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ここには水琴窟があり、近付くとセンサーにより水が流れ、水盤から零れた水が地下に埋められた甕へと降って水音を響かせる。
水が流れているうちはその音でかき消されやすいので、水が止まってからしばらく耳を傾けると、水滴が水面を揺らす柔らかな音と、それが甕の側面に反響する硬い音とが混じった、なんとも言えない音色が聴こえてくる。

最後のエスカーを登るとその先は、左に展望デッキ、右にサムエル・コッキング庭苑に挟まれたちょっとした広場が。たこせんべいに行列ができていた。
奥津宮だけは、他の宮と離れて江の島を二つに分ける断崖を渡った先にある。
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この茶屋通り、実はまっすぐ富士山を望む向きに作られており、天候によってはなかなかの景色が望める。
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江の島は古くからの観光地だけに、食事処も土産物屋も「古い」店が多いのだが、奥津宮までの通り沿いは古さを生かした新しいカフェなど雰囲気の良い店も入り混じってくる。上まで登ってからなにか食べるなら、そういう店をおすすめしたい。
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このCafe Maduは白い壁に囲まれた、広いオープンテラスを備えるセルフスタイルのカフェ。
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そのテラスからは近くの樹上に鳶の姿も。このあたりではかなり近い位置から、たくさんの鳶を見ることができる。食べ物を攫われないよう注意。
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そういえば、広場のところで皆が上を見上げていると思ったら電線をリスが走っていた(素早く木を駆け登って消えたので撮れなかったが)。尾がかなり太いように見えたので、かつて飼育され台風で破損した小屋から逃げ出し住み着いたというタイワンリスだろうか。

一連の店舗群を抜けた先には奥津宮がある。
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さて、今回の目的は江の島観光それ自体ではなく、サムエル・コッキング庭苑で行なわれるライティングイベント「湘南キャンドル」である。
enoshima-seacandle.com
なお「仏壇用のろうそく」製造企業としてよく知られるカメヤマローソクの協賛であった。

16:30からの入場チケットを予約してあるので、時間に合わせて戻る。
ちょうど夕日の時間帯に差し掛かり、展望デッキから染まりゆく海が楽しめる。
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庭苑内の展望灯台「江の島シーキャンドル」もライトアップを始めたようだ。
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空はまだ明るいが、苑内には既にキャンドルが灯されている。本物の蝋燭を係員が1本づつ着火してゆくらしい。
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展望台下にはカフェがあり、その向かいにはキッチンカーも出ている。
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空が暗くなってきてからが本番である。
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ところで、苑内にある展望灯台「シーキャンドル」にも目を向けよう。
かつては剥き出しの螺旋階段で登る展望灯台があり、塔を運営する江の島電鉄の開業100周年に合わせて現在の形にリニューアルされた。更に元を辿れば戦前、二子玉川に設置されていた落下傘訓練塔の転用だったのだとか。
当時の姿は以下のサイトなどで知ることができる。
www.j-fab.co.jp

ともあれこの灯台、なかなかの人気で長蛇の列ができていた。昇塔券の販売がストップすることもあるので登りたい人はお早めに。
塔の基部から上を見ると、鉄管組みの躯体とエレベーターシャフトを取り巻く螺旋階段が楽しめる。
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展望台は2層になっており、下はガラス張り、その上はオープンデッキになっている。撮影するならガラスの反射がないオープンデッキ一択。
灯台でもあるので、デッキの上には灯室が。
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ここからは相模湾が一望できるが、夜なので陸の灯を見る方が楽しい。
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魚眼で足元を撮ってみると、無数のキャンドルがこちらも星のように。
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夜景もいいが、実は昇塔待ちの列とは別に2階のオープンテラスへ上ることができる。ここはソファなどが置かれゆったりと寛げる空間になっている。もう完全にデート空間だこれ。
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さて、すっかり暗くなった苑内を暖色の光が照らす。
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明かりだけでなく小物も配置されており、何も準備がなくても雰囲気ある写真が撮り放題。
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こちらは木から吊り下げる形で展示されていた。作家もののキャンドルであるらしい。
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小径の脇に並べられていたり、
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植木の枝にかけられていたり。
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箱を積んで高さを出している、フォトスポットエリアもある。
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うまくローアングルで狙うと、キャンドルとシーキャンドルを一度に収めることも可能だ。
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入口付近には、明治時代にこの場所に作られた温室の煉瓦積み遺構も。
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このあたりには雫型のガラス器に入れられたキャンドルもあり、透かして光る色とりどりのボケが楽しめる。
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苑を後に坂を下る。エスカーは上りだけなので、下りはひたすら坂と階段である。

夜の瑞心門。
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土産物屋もすっかり閉店。
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駅への橋から、海面に映る灯りを撮る。
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行きは大船から湘南モノレールを使ったのだが、山を越えるダイナミックな路線でジェットコースターよろしく上下左右に振り回されるのには些か閉口する。懸垂モノレールなのに地面すれすれを走って地上駅舎だったりトンネルくぐったりする興味深い路線ではあるのだが、帰りは小田急を使うことにしよう。
小田急片瀬江の島駅……なんだこの駅舎。瑞心門と同様に竜宮城イメージであるらしいが……
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快速急行に乗れば新宿までは1時間ちょっと。気軽に足を伸ばせる、素敵な観光地だ。

葛西臨海水族園と水上バス

建物老朽化のため移転するという葛西臨海水族園へ行ってきた。長いこと行動圏内に住んでいながら、訪れるのは初めてだ。
www.tokyo-zoo.net

新型コロナ禍のご時世、入園前に予約が必要だという。毎週土曜日を境に、翌週分を予約可能な仕組みになっている。
葛西臨海公園有楽町線との接続駅である新木場と東京ディズニーリゾートの最寄り駅である舞浜とに挟まれて快速の停車しない場所だが、公園は思ったより人で賑わっていた。

予約確認の後、チケットを買って中へ。木々の間を進むと、ほどなくエントランスが見えてくる。ガラス張りのドームの周囲は水を湛えた池になっており、水面の反射が楽しめる。夕焼けを写せたら楽しそうだが、なにぶん最終入場時間が16時なので撮影スポットとしては些か厳しい。
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開園当時はたいへん勢いのある水族館だったそうで、今でもその人気が衰えたわけではないが、近年の新興水族館のような目玉展示に欠ける印象は否めない。逆に言えば見世物的展示形態ではない、ごく真面目な水族館である。
予約制によるものか館内は人が多くなく、落ち着いて展示を楽しむことができる。今回は迂闊にも明るい中望遠を入れ忘れて30mm F2.8マクロと45-175mm F3.5-5.6を中心に撮影せざるを得なかったのだが、如何せん暗い場所の多い水族館内でコントラストAFでは、まともにピントを合わせるのも難しい。そういうわけで館内の写真は少なめ。
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客層は子連れ多めで、小さな子供たちが熱心に水槽を覗き込んだり奇声を発して走り回ったりしていた。
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ヒトデの隣に写る小さな手が可愛らしい。

東京湾の魚や水産資源の紹介ゾーンでは、上にキャットウォークが設けられバックヤードを見学できるようになっている。こういうのはとても良い試みだと思う。
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外には水辺の生き物に触れるゾーンがあるのだが、このご時世で接触を避けるため中止されていた。

ペンギンゾーンでは多数のペンギンがのんびり寛いでいるところをゆっくり観察できる。
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イワトビとフンボルトは同じエリアにまとめられているが、フンボルトがだいたい水面に浮いて毛繕いしているのに対しイワトビは陸上にいるか水の中を激しく泳ぎ回っている感じ。
王様はネットで区切られているのでちょっと撮りにくい。

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小さなペンギンが手前におり、幼生だろうかと思ったらフェアリーペンギンという種類だった。これで成体らしい。

こちらは海鳥展示エリアのエトピリカ。やけにヒトの方へアピールしてくるやつらだった。
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展示エリアの終端にレストランとミュージアムショップ。
レストランはレジャー施設の食堂によくある、トレイを持って並び注文品をその場で受け取り/棚にある商品を取ってレジへ進むタイプ。メニューは海産加工品推しで肉系は少ない。味の方も観光地によくある……スーパーの安惣菜ぐらいの感じである。正直言って、ここで食べるよりは出てから他の店に入った方がいい気はする。
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デザートはそれなりだったが、値段はお高め。

建物を出て出口方面へ進むと鳥類園と淡水生物コーナーがある。
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タンチョウがこちらに背を向けて立っていた。ぜんぜん動かないので諦めてカメラの電源落とした途端に羽を広げたので撮りそこねた。


園外には何箇所か、食事可能な施設がある。
海に面した全面ガラス張りの展望施設「クリスタルビュー」の地下にはカフェがありホットサンドなどを提供しているが、ここでは「ピクニックセット」としてホットサンドまたはハーフピザにフライドポテト・フライドチキン・サラダのセットを、バスケットとレジャーシートのレンタル込みで販売している。天気の良い日はそのまま海岸に出て開けた場所でランチにすると気持ち良いだろう。
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そのほか、バーベキューテントやバスを模した無料フォトスポットなども。こちらはウェディングスタジオによるものだそうで、公園での青空結婚式などを提案していた。
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kasairinkaipark-denim.official-wedding.jp


さて、帰りのルートとして今回は水上バスを使ってみた。アクセスだけで言えば鉄道を使った方が明らかに早いし安いのだけど、陸上からは見られない景色を楽しむことができると思えばこれはこれで悪くない。
時期的なものかどうかはわからないが、葛西臨海公園ルートは1日1往復しか便がない。
qrtranslator.com
これが夕刻のマジックアワーを撮るのに丁度良い時刻に出るのだ。いや季節的に丁度良かっただけかも知れないが、橋のライトアップ案内などもあったので元々それを想定した時刻で組んでいるのかも知れない。
そういうわけでお台場までの船上でひたすら写真を撮りまくってしまった。メモリーカード使い切ったのは初めてだ(予備を持っていて助かった……)。
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沿岸の工場やらガントリークレーンやら大橋やら、巨大建築趣味にとっても見所の多い船旅であった。

ゲーミングPCを買う

諸事情からゲーミングPCを購入することになった。家庭環境上の制約からデスクトップではなくノートを前提に、機種を選定する。

長くPCを使う仕事をしてきたこともあり、PCの基本的な構成については一応の理解があるものの、30年来のMacユーザであるためPC/AT機については些か疎い。ましてゲーム用のグラフィック環境となると、どの程度の性能が必要になるものかさっぱり解らない。
まずはその辺りを調査するところから始める。

ざっくり把握したところによると、描画性能としては概ね「1/60秒以上の速度」を目指すべきであるようだ。
液晶ディスプレイのリフレッシュレートとしては60Hzでは不足、144Hz以上が望ましい。
GPUの描画速度としては「プレイしたいタイトルがディスプレイの最大解像度で最低60fps、可能ならば120fps以上」。

以上を指標として把握したところで、次にグラフィックボードの選定に入る。ゲームを用いたベンチマークテスト結果を参考に、「だいたいこの辺まで性能があれば充分」と思われるラインを見極める。
thehikaku.net
ゲーム/環境によりけりなのだが、おおよその水準として「GTX1060以上あれば結構遊べる」「RTX 2060以上あれば割と安泰」という感じが見えてきた。
スペック的にはだいたいバス幅192bit、メモリ6GB欲しいところか。
btopc-minikan.com

その他、プレイングに関わる性能としてはキーボード配置などがあるが、こればかりは性能指標的なものを見出すのは難しそうに思われる。ただ、プレイ中に多用するであろうWASDやスペースなどの近くにある「Winキー」によって画面が切り替わりオンライン中に操作が途切れそうなのは気掛かりで、できればWinキー無効化機能のあるキーボードを求めたい。

ここまで見えてくると、だいぶ機種が絞り込める。
3年は追加投資なしに戦うことを前提に、CPUは第10世代のCore i7もしくは第3世代のRyzen 7系、GPUはGTX 1660TiまたはRTXの2060以上、メモリは暫定16GBを積むが最大32GB程度までは拡張できること(まあオンボードではないのでやろうと思えば自力拡張は可能だと思うが)。そして、Winキー誤動作防止に配慮したキーボードが組み込まれていること。
kakaku.com
価格.comは一覧比較するには便利なのだが、ディスプレイのリフレッシュレートやストレージ・メモリの最大対応量など確認したいところが微妙に欠けているのが惜しい。そういうところは1件づつ地道に調査するしかない。とりわけWinキーロックはもっとも確認が難しい。
なにしろゲーミングPCのキーボード、まずアピールされるのが「光る」なのだ。キーボードレイアウトがはっきり確認できる写真が掲載されている方が稀で、Winキーにロックが備わっているらしいことが見てとれるのは、左Winキーに鍵マークがあるASUS機と製品紹介ページではっきりとWinキーロック機能を謳うドスパラGARELLIAぐらいのものか。
また使用者当人から「持ち運びのために軽めの機種を」という要望があったため、重量は最大でも2.5kg以下とし、なるべく(予算と性能の許す範囲で)軽いものを選びたい。

ざっと当該機種が53件。最安が13.5万〜最高30万、中央値17万といったところ。重さで見ると1.77〜2.48kg、中央値2.25kg。そこで、この53件を更に「販売価格17万以下・重量2.25kg以下」で絞り込む。
kakaku.com
これで候補は7件にまで絞られた。
このうち、最安はGIGABYTE AORUS 5 SB-7JP1130SH、税込¥142,780。逆に最高額はTSUKUMO G-GEAR note N1574K-720/T 、¥164,780。価格差は2万2千円、最安値の15%近い価格差。
CPUスコアが高いのは8コアのRyzenを搭載したASUS ROG Zephyrus G15 GA502IU(このスコアがゲームにどの程度関わってくるかはちょっと不明だが)。
ストレージ容量に優れるのは1TB HDDも搭載しているiiyama LEVEL-15FX068-i7-RXSVI。最小はTSUKUMO G-GEAR note N1574K-700/Tの250GB、これはちょっとインストールできるゲーム数が制限されそう。
最軽量はドスパラのGALLERIA GCL2060RGF-T、1.85kg。最重量はiiyama LEVEL-15の2.24kg、差は390g、最軽量の21%に相当する重量差。
GPUについてはスコアがないが、下記のベンチマークスコアを参考にするならばスコア14428のRTX 2060を搭載したTSUKUMO G-GEAR noteかドスパラ GALLERIA GCL2060RGF-Tに対してGeForce GTX 1660Tiの小型モデルMax-Qを採用するASUS ROG Zephyrus G15はスコア10758と、およそ3/4の能力ということになる。
btopc-minikan.com

まとめると、以下のようになる。

メーカー 機種 価格差 重量差 ストレージ CPU GPU キーロック
ドスパラ GALLERIA GCL2060RGF-T +7.8% 最軽量 512GB Core i7 10750H RTX 2060
ASUS ROG Zephyrus G15 GA502IU +2.5% +13.5% 512GB Ryzen 7 4800HS GTX 1060Ti Max-Q
GIGABYTE AORUS 5 SB-7JP1130SH 最安 +18.9% 512GB Core i7 10750H GTX 1060Ti 不明
iiyama LEVEL-15FX068-i7-RXSVI +6.3% +21.1% 500GB
+HDD1TB
Core i7 10750H GTX 1060Ti 不明
TSUKUMO G-GEAR note N1574K-720/T +11.6% +18.9% 500GB Core i7 10750H RTX 2060 不明
iiyama LEVEL-15FX068-i7-RXSX +5.5% +21.1% 500GB Core i7 10750H GTX 1060Ti 不明
TSUKUMO G-GEAR note N1574K-700/T +15.4% +18.9% 250GB Core i7 10750H RTX 2060 不明

それぞれに強みと弱みがあるが、群を抜いて軽い重量とGPU、Winキーロックに優位性がある反面で弱点のないドスパラGALLERIA GCL2060RGF-Tが頭ひとつ抜けており、今回はこれを採用する方向で行こうと思う。
www.dospara.co.jp

2020/11/28追記:その後、購入をボーナス時期まで待っている間に、Ryzen5までしかなかったAMDモデルに新たにRyzen7モデルが追加されており、当初購入予定だったCore i7モデルに比べ50g差・ディスプレイが144Hz→120Hzという若干のスペックダウンはあるもののバッテリ持続時間3.8→8.8時間と飛躍的な改善の上で価格が1万安という、申し分ない スペックだったのでこちらに乗り換えることにした。

六義園、東洋文庫、旧古河庭園

『山手線で降りたことがない駅』トップだという駒込に行ってきた。散々な言われようだが、実はこのあたり結構な観光地で、駅のすぐそばに六義園、その向かいには東洋文庫ミュージアム、駅の反対側にしばらく行くと旧古河庭園と、意外に見どころが多い。

六義園

六義園は、駒込の駅からすぐのところにある。しかし、こちらの門は現在閉鎖されており、左側にぐるりと回らねばならない。

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躑躅の名所であり、また見事な桜の古木や、紅葉の時期も美しいと聞くが、この時期は紫陽花などが少し咲くばかり。

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とはいえ楽しみがないかというと、そうでもない。そもそも六義園は景色を楽しむ庭園なのだ。

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広々とした日本庭園は、それ自体が魅力的な被写体である。

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六義園は徳川五代将軍綱吉の側用人であった柳澤吉保が加賀藩下屋敷跡地を与えられ、7年の歳月をかけ造園したものである。六義園という名は紀貫之古今和歌集」序文に由来するもので、和歌に通じた吉保が数々の和歌に詠まれた紀伊の名勝地である和歌浦を中心とした風景をここに再現したものだという。そのため園内には和歌に由来した地名が点在する。

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明治になって、三菱財閥の創業者・岩崎家が購入し整備。のち東京市に寄贈され、現在は都営の公園として運営されている。

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かなり広い庭園である(都内では浜離宮に継ぐ面積を有する)ため、ひと巡りするだけでも結構時間がかかる。早めの行動をおすすめする。

www.tokyo-park.or.jp

東洋文庫

六義園の向かいには、もうひとつ岩崎家の関与した名所が存在する。
東洋文庫は、オーストラリア出身で20世紀の初頭にタイムズ特派員として中国などに駐在した英国のジャーナリストG.E.モリソンから、東アジア地域に関する2万4千冊の書籍を買い取ったものを中心として設立され、東洋に関する資料の収集研究を行なっている。

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入ってすぐ右手には庭園とレストランへ続くドアがある。

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回廊には各国の「名言」が白い文字で刻まれ、その下には地色と同色で日本語訳が書かれている。

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また、1階には倭国による百済新羅への侵攻を示す高句麗の広開土王碑拓文が、原寸サイズ(高さおよそ5m)のタペストリとして飾られていた。


2階は「モリソン文庫」を収めた書庫になっている。

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書庫は単なる飾りではなく、きちんと分類され、また企画に応じてここから蔵書を展示もする。

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現在は天文学の歴史を示した企画展「大宇宙展 Space Odyssey」が開催されていた。

www.toyo-bunko.or.jp

旧古河庭園

駒込駅から六義園側とは反対側に、少し離れたところにある旧古河庭園は薔薇園と日本庭園を擁する洋館である。

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日本初の公害事件で知られる足尾銅山を経営した古河財閥総帥の邸宅として作られ、鹿鳴館三菱財閥の岩崎邸などを設計した(関係性は薄いながら、ここでもまた岩崎の名が出てくる)、ジョサイア・コンドルによる設計である。

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盛りは過ぎていたものの、様々な薔薇を見ることができた。

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高低差のある庭は、富士の溶岩を積み上げた石垣によって隔てられ、日本庭園へと続いている。

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広大な六義園に比べれば1/3程度とはいえ、個人の邸宅としては贅沢に過ぎる広さ。

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邸内は別料金で見学可能だが、写真撮影は禁止とのこと。また現在のところ2階は公開されておらず、喫茶も休業していた。

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www.tokyo-park.or.jp

なお旧古河庭園の最寄り駅は駒込ではなく、地下鉄南北線 西ケ原、もしくはJR京浜東北線 上中里である。

おまけ:Jam Coffeeのパンケーキ

駒込駅から旧古河庭園までの道すがらにある喫茶店
フォークからこぼれ落ちそうなほどふわっふわのパンケーキが食べられる。

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飲み物もパックから注ぐだけの代物ではなく自家製ジンジャーエールや豆から選定したドリップコーヒーなどのこだわりよう。

jamcoffee.jp

電化以前の回転寿司

「電気がまだなかった頃は、回転寿司はどうやって回していたのか」という疑義が示されたので、近代以前の回転寿司についてまとめておこうと思う。

近代回転寿史

近現代に於ける電力の普及が、19世紀末の米国で発明王エジソンの設立したゼネラル・エレクトリック社から始まっていることは説明するまでもないかと思う。それ以前にも電池などの形で電力が利用されてはきたが、大規模なインフラの構築による継続的な発電および送電システムの普及により、寿司はようやく電気動力による回転というこんにちの形態を得たわけである。
ではそれ以前の社会に於いて、寿司はどのように回転されていたのだろうか。

18世紀〜20世紀初頭までの回転寿司を支えたのは、蒸気機関であった。初期の蒸気機関は、膨張した蒸気を冷却凝縮することによる負圧を利用した往復運動を利用していたが、酷くエネルギー効率が悪かった。これを大幅に改良したのがエネルギー単位に名を残すジェームス・ワットである。彼は蒸気機関の動作を往復から回転へと変換してみせることに成功、機械動力による回転寿司を実現させた。
この蒸気式自動回転寿司はたちまち好評を博し、労働者の食を支える重要な産業となった。いわゆる産業革命である。
ところで蒸気機関の発明は紀元前にまで遡ることができるが、初期のそれは回転軸を中心として互い違いに突き出したパイプから蒸気を吹き出して回転する装置であったので、回転動力への転換はある意味で原点回帰とも言える。もちろんこの原初の蒸気機関が寿司を回転させる目的で発明されたことは言うまでもないが、残念なことに些かパワー不足で実用的ではなかったようだ。

ワットの功績は蒸気機関を回転寿司の動力として利用可能なものに改良したことにあるが、動力回転式の回転寿司そのものはそれ以前から存在していた。当時は主に川の流れを用いて回転力を取り出しており、川沿いにいくつもの水車が軒を連ねていたという。水車の一部は動力としてのみならず、取り付けられた籠によって川から魚を掬い上げる自動捕魚水車として寿司の食材供給にも一役買っていた。
また、水場以外でも回転寿司が開店できるよう、犬を動力に用いる研究も行なわれていたようだ。

一方、こうした機械動力技術はなかなか東洋まで伝来しなかったため、江戸時代の日本では人力によって回転寿司を動かしていたという。

電動回転寿司の古代史

実は、電力の歴史は意外に古く、古代イランはアルサケス朝パルティアの遺跡から、紀元前250年頃のものと思われる電池が出土している。つまり人類は紀元前から既に電気を利用していたわけだ。何にかといえば、もちろん寿司を回転させるためである。電池による供給では永続的な回転は望むべくもないが、それでも人類はなんとか寿司を回転させるべく知恵を絞っていたのだろう。
とはいえ、イランの寿司はこんにち我々が想像する寿司とは些か趣の異なったものではあった。紀元前1千年前には既に当地で米の栽培が行なわれていたものの、この辺りで獲れる魚は主にティグリス・ユーフラテス水系の淡水魚であったので、寿司に使われるのも当然そうした魚肉である。当時はこれを酒と塩を混ぜた米に漬け込み乳酸発酵させることで酸味を与える、いわゆる「熟れ鮓」にするのが主だったようだ。

また、寿司の回転についても、現代にあるようなコンベア式ではなく、当時はまだ回転卓に寿司を並べるやり方であった。それでも、彼らの回転寿司に対する飽くなき追求は、最初の回転機構が古代メソポタミア文明で発明されていることからも伺える。スムーズな寿司の回転は副次的に轆轤や車輪へと発展し、文明を多いに賑わせた。

ところで、当時既に回転寿司の動力に電気を使っていたことは既に述べた通りであるが、そもそも電気を使って回転させることが発明されたのはもっと古い時代に遡るようだ。
まだ人類登場以前の20億年ほど昔には、赤道直下のアフリカで地中のウランに核分裂反応が引き起こされ、実に10万年以上もの期間にわたり発電が行なわれていた形跡が発見されている。人類ではない何者かが、同地で寿司を回転させていた証左であろう。
余談ながら人類はアフリカにて進化し、世界中で寿司を回転させるに至ったわけだが、その進化を引き起こすきっかけこそがこの地中原子炉からの放射線……というのは想像が過ぎるだろうか。

江戸東京たてもの園

小金井の江戸東京たてもの園に行ってきた。両国にある江戸東京博物館の別館で、近現代の建物を移築保存している。
www.tatemonoen.jp
小金井公園は最寄り駅である西武新宿線花小金井駅からもJR中央線東小金井あるいは武蔵小金井駅からも等しく遠い。今回は東小金井からバスを使った。

東小金井は小さな駅だが、駅下アーケードはなかなか雰囲気を出している。

北口から循環バスで10分ほど、「たてもの園前」で降りるもぜんぜん前ではなく、入口の場所がわからずGoogleMapに頼る。
正月3が日は入園無料だった。もっとも有料でもわずか400円だが。

寺のような旧光華殿を通り園内へ。まずは西側から巡る。

すぐ近くにあるのは「常盤台写真場」と「三井八郎右衞門邸」。三井邸は雰囲気ある建物ではあるが見学者が多かったので、外側だけ眺めてスルー。




写真場は摺りガラスの大窓を多用した明るい建物だった。どうやら電気照明の未発達な時代故、陽光を照明代わりに利用するつくりであったようだ。



この先には4棟の江戸期建築があるのだが、今回は入園が14時頃だったので閉園まであまり時間がなく、洋館を優先してスルー。
ただ残念ながら西エリアにある建物のうち「前川國男邸」と「大川邸 田園調布の家」の2棟は耐震改修のため3月末頃まで公開中止となっていた。

デ・ラランデ邸は園内で一番最後に移築された、明治期の洋館。




1階は喫茶として使われている。

「小出邸」はモダニズム建築を推進した堀口捨己の作で、シンプルな外観からはちょっと想像しにくいほど素敵な内装だった。どうやら建築設計だけでなく内装家具に至るまで、すべて堀口によるトータルコーディネートであるらしい。




個人的にグッと来たのはこの屋根裏。


園内には古い交通機関も展示されている。

さて、西エリアを離れ中央エリアを抜けて東エリアへ。こちらは主に看板建築の商店街となっている。











突き当たりには湯屋「子宝湯」。





女湯は壁と摺りガラスに覆われていたが男湯は素通しのガラス窓から庭が見える。

万世橋の袂にあった交番。コンパクトだが小さな机を備えた前室、布団の敷かれた宿直室、その奥に執務室が詰まっている。

これはかつて皇居正門の石橋にあった飾電燈。

センターゾーンに戻って、さきほどはスルーした高橋是清邸。二・二六事件で暗殺されたのはここの二階だそうだ。

廊下の赤絨毯と庭の竹林の対比が美しい。


古いガラスなので平滑でなく、影が揺らぐのも良い。

閉園30分前を知らせる放送を聞きつつビジターセンターに戻り、小出邸を設計した堀口捨己展を。小出邸をプロトタイプとし発展させたモダンな邸宅やパビリオンなど、たいへん興味深かったのだが見終えて園を出たら園前バス停はどうやら最終が出てしまっていたらしい。閉園まで粘るのはやめた方がいいかも知れない。
武蔵小金井まで歩いて帰宅。

書字板を作る

本好きの下剋上」に、書字板ディプティクというアイテムが登場する。これは紙がまだ高価だった時代にメモ書きのために使われたもので、木枠に蝋を流し込み鉄筆で引っ掻いて字を書き、篦で削って消すことで何度も利用できるという代物である。
これを自作してみようかと思った。

とはいえ木枠を拵えるのはそれなりに面倒である。まあ角材を斜めに切って組み合わせ、裏から板を打ち付ければいいだけではあるのだが、サイズを合わせて板と縁材を切り出し、隙間ができないように組み合わせるのは結構大変そうだ。
第二部でマインが手に入れた最初の書字版は父ギュンターの手作りであったので、こちらを再現する場合は多少不恰好になってもそれらしさがあるかとは思うのだが、第三部でプランタン商会から納められたようなものを想定する場合は枠もかっちりとして飾りのあるようなものが欲しい。
そういうものは既製品で賄ってしまうのが宜しかろうということで、100均でポストカードサイズの額縁を買ってきた。
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硬質のスチロール樹脂で、木に似せた塗装が施されておりなかなかの雰囲気。
これを2つ合わせて止めるためのリングも購入する。事務用品でパンチした紙を通すリングでいいだろう。枠の厚みが1cmぐらいあるので、リングは径の大きな32mmを選んだ。

ドリルで中央と上下の3箇所に穴を開ける。このとき、閉じた状態ではリングが斜めに貫通することを考慮して縦長の穴になるように加工する。
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リングを通して閉じてみたところ。
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リングが少し大きいかと思っていたのだが、閉じた時の状態を見るとこれより小さなものでは無理そうだ。
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開いた状態ではこのように、左右の板は少し離れる。

さて、これは額なので枠だけである。そのままでは蝋を溜めることができないので、この裏側にガラス板を接着してしまおう。裏側からゼリー状瞬着を流し込んで隙間を固める。
これで表側は割合それっぽくなったのだが、閉じた状態では本の表紙にあたる裏側が丸見えなのはどうにも格好が付かない。それに、白い蝋を流した裏側が明るい色だと文字が読みにくいような気もする。
というわけでガラスの裏側を黒く塗り、端材で段差を埋め、その上から飾り紙を貼って表紙らしく見せる。
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ついでに鉄筆も用意した。ヨハンに発注したのは片側が鉄筆、もう片側が彫り跡を均すための篦になったもので、リングに引っ掛けておくためのクリップが付いたものということだったが、クリップはともかく鉄筆と篦がセットになったものを探さなくてはならない。幸いにしてパジコからそのようなものが販売されていた。

パジコ ステンレス細工棒

パジコ ステンレス細工棒

これにゼムクリップを加工してクリップを付ける。

最後に、枠内に蝋を流し込む。
蝋は100均でハンドクラフト用のものを買ってきた。予め小さく分割されて溶かしやすくできている。
最初これを並べて上からヒーターで温めようかと思ったのだが、枠がスチロールであるため溶けては困る。そこで(原作でやっているように)湯煎して流し込むことにする。
しかしこれが意外に大変な作業だった。平らにして液状の蝋を流し入れれば勝手に平滑になって固まるかと思ったら、流し込んだ時点で冷えて固まり凸凹になって、とても字が書けるような状態ではない。仕方ないのでこれを半田鏝で溶かしたり篦で削ったりしてなるべく平滑になるよう調整してゆく。
そうやって出来上がった状態がこれだ。
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さて、それでは早速字を刻んでみよう。
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えー……お判りだろうか。
面が平滑でないため直線的に描くのが難しく、それなりに力を入れて刻む必要があるため素早いメモには向かない。削った跡は決して視認性の高いものではなく、篦で均しても白い跡が残る。削り屑はポロポロと落ち、均してくっつけるのは難しい。
これは正直かなり使いにくい代物だと感じられた。蝋を平滑に鋳込む、あるいは鋳込んだ後で平滑になるよう削る技術や、松脂などを混ぜて軟粘性の蝋にするなどの改質ができればあるいは違ってくるかも知れないが。