謎解きバッグを作る

謎解きが好きで、夫婦でよく周遊型の謎解きイベントなどに出かける。謎解きキットを購入し、その指示に従ってあちこちを移動しながら謎を解いてゆくものだ。

街歩き謎解きを経験された方ならお解りかと思うが、謎解き中はしばしば、移動先で情報を書き込む必要が生じる。情報はたとえば碑文であったり看板であったり、街中にあるものから見つけることになるが、そうした場所の周囲に都合よく座れる場所があるとも限らない。そのため、立ったまま手に持った紙に書き込む場合もある。
そうした都合上、両手はなるべく空けておきたいので、謎解きキットは可能ならば鞄にしまって、 必要に応じて都度取り出すことになる。

謎解きキットは一般的に冊子類や封筒、カードなど複数の紙で構成されており、それらをまとめて袋などに入れて販売されている。もっとも一般的なスタイルは「切り離すとA4クリアファイルになる」手提げバッグ型で、長辺のサイズが33.5cmほどのもの。
もちろん中身の方はもっと小さいのだが、しかし謎解きでは「入っているものはすべて使う」ように作られており、袋が邪魔だからといって捨ててしまうわけには行かない。
さほど重いものではないから手に持ったまま紙を持つことも不可能ではないのだが、クリアファイル型では持ち手部分が帯状ではなく、薄く硬いクリアファイル素材に穴を空けたものだからあまり持ちやすくはなく、できれば腕か肩にかけられるようにしたい。

また、謎の中にはその問題に書かれた情報だけでは解くことができず、これまでに目にした別の情報を組み合わせて解くようなものもある。そういう場合に他の紙を素早く参照するには、さっと中身を取り出しやすい構造が望ましい。蓋の開け閉めに手間がかかったり、都度下ろさねばならないようではイマイチだ。
そうすると、両手の空く肩かけ鞄で、できれば蓋のないものが好ましい。
もちろん、謎解きの最中に出し入れするのは紙類だけではない。筆記用具にスマートフォン、乗車券や財布なども使うだろう。まあそれらは上着のポケットに収めておくという方法もあるが、いずれにせよ内部にはいくつかポケットがあって小物を整理できた方が、目的のものを取り出しやすいはずだ。

つまり謎解きに最適な鞄とは、

  • いつでも両手を空けておける肩かけ式で
  • 横幅33.5cm以上のものがすっぽり収まり
  • 中身がすぐ取り出せる蓋なし、内部ポケット付き

といった条件のものということになる。

そういうわけで「内寸33cm以上のショルダートート」を探してみた。
それがこちらである。

横幅34cm、マチ14cm。内部コーティングされ簡易防水性を備える。前部にポケット2、内部は横幅一杯の大ポケット1に2:3ぐらいに仕切られた中ポケット、その内側に折り畳み傘程度を差し込んでおける縦ポケットと小ポケット。

実際にこれで東京メトロの「地下謎への招待状2023」をやってみた。


この写真でお判りのように、「クリアファイルになる手提げバッグ」がすっぽり入る。とはいえトートバッグの大きさは外寸が34cmなので内寸は33cm程度、そこに33.5cmを入れているので若干無理はあるのだが、曲がる素材を幅のあるポケットに入れているのでどうにか収まる。
小さな紙類などは複数のポケットに分けて入れることもできるので必要に応じて取り出しやすい。また私は外出時はカメラを携行してゆくのだが、中ポケットにすっぽり収めることができた。
総じて今までにない快適さであった。フラップがないため雨には若干弱いが、濡れを心配するほどの雨では周遊謎解き自体が難しいので、そう大きな問題にはなるまい。

ついでにオプションとして、背面には「台のないところで薄い紙に書く必要が生じた」場合を想定したクリップボードを取り付けてみた。

バインダーとトートバッグの固定にはマネークリップを使用。ただこちらのバインダーには閉じておく方法が用意されていないため、ゴムバンドやクリップなど、何らかの工夫が必要になるので注意。
とりあえず地下謎では使う必要を生じなかったので、有効性は不明。

また、地下謎ではキット付属のペグシルに消しゴムが付いているが、そうでない謎解きキットの方が多いので消しゴムは携帯しておいた方がいい。
ペン型の消しゴムや、大型の消しゴム付きシャーペンがあると便利。

ただシャーペンを使う場合、謎解きキットの紙がコート紙だったりすると黒鉛の食い付きが悪いので、芯は2B以上の濃いものをオススメする。