オーディオ業界がまたやらかした件

ここでは(オーディオ板なので)主に「ケーブル替えただけで音量が0.5dbも変化するわけねーだろ」が主眼に置かれているわけだが、ニセ科学批判的にはむしろ「マイナスイオンでデジタルデータが変化!」を取り上げたい。
そもそも科学的に未定義な「マイナスイオン」への突っ込みは置いておくとしても、外的要因でそうそうデータが変化するものでないことはPCユーザなら半ば常識である。アナログでの多少の変化と違い、0か1しかないデジタルデータでの変化というのはデータ全体の意味を根底から変えかねない(多くの場合は破損して読めなくなる)。逆に言えば、普通に使っていてそうそう破損が起きない以上は多少の外的要因でデータが変化するようなことはないということだ。
USBメモリが外部からのちょっとした電気的影響でデータを変化させてしまうほど信頼性の低いものなら使いものにならないし、逆にデータに変化をもたらすほどの電気的干渉があったならデータ破損どころかUSBメモリ自体が機能しなくなるだろう。もしかしたら奇跡的に、ちょっと変化しただけでサウンドデータとしての機能を失わずに済む可能性だってゼロではないが、限りなく低い。


ていうか、音源の再生に対する変化を検証するCDというならマスタデータからの焼き付けでは意味ないんじゃないか。そこは「(比較製品以外の部分は)同一環境で再生した結果を録音しマスタとしたCDを作成」であるべきだと思うんだが。
またサンプルが各1というのも比較の用を為さない。その1が奇跡的な変化でないことを保証するためには最低でも2以上の比較サンプルが必要だと思うが。


また、関係者の対応も酷い。社としての公式な発言と個人の意見を切り分けることができない上に他社製品にケチを付けてしまっている。誰かProToolsの開発元に突撃してないんだろうか。
こんな状態だからオーディオカルトとか言われてしまうというのを、全体として自覚した方がいいと思う。