大砲とスタンプ:帝国軍 敵弾戦闘車「マズルカ」

架空戦車コンペ第4弾、前回の「肉挽き機」が良い感じに作れたので、今度も「大砲とスタンプ」5巻に登場する小型車両を作ってみる。
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ドイツ軍っぽさのある帝国軍の軽装甲車「マズルカ」は20mm機関砲と擲弾砲を備えた3輪ハーフトラックである。史実的に言えばケッテンクラートとsd kfz.250の中間ぐらいのイメージだろうか。丸っこい形と車体に似合わぬ大ぶりの砲塔、耳のような測距儀が可愛い。

素体としては、同じく20mm機銃を装備したII号戦車をベースにするのがいいだろうか。しかし履帯部分はもっと小さなものがいい。まったく同型のものは(今回は史実に類似車両がないので)用意できないが、スケール違いのハーフトラックあたりから切り取って来ようか。
スケールを確認しつつサイドビューの画像を切り取ってシミュレートした結果、今回は小さめに作るつもりで1/48のII号戦車に1/72のM3ハーフトラック履帯を合わせるのが良いのでは、という方向に落ち着いた。
ただ、M3が履帯以外無駄になりそうなのがちょっと気になって、とりあえず履帯は後回しにしてII号戦車ベースで砲塔から作ってみることにする。

とりあえずII号戦車の砲塔を組みつつ後ろを切り落とし、パテとプラ板で形を整える。斜めに角度の付いた円形の装甲を組むのが難しい。
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擲弾砲は2mm丸棒を1.5mmピンバイスで抉って作った。先にモーターツールの丸先ヤスリで先端に窪みを作り、中央に0.5mmピンバイスで穴を空け、少しづつ太径にしてゆく。
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車体上部は、砲塔リング部分だけを切り出して曲げたプラ棒を貼り丸みのある車体の骨組みとする。
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L字材を使って斜めの装甲板を貼り、下端にまた曲げプラ棒を貼って間をプラ板とパテで埋めることで車体を作ってゆく。
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車体に合わせて履帯のサイズを見たところ、II号戦車の駆動部を切り詰めれば丁度良いのではという気になってきた。
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それに合わせて車体下部も前後を詰めただけで普通に組んでゆく。
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砲塔を乗せると豆戦車っぽくて、これはこれでちょっと面白い。
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前輪のフェンダーに使える 部品がなかったので、ターレーに使用したFlak.38の余ったバナナマガジンを接着してフェンダーをでっち上げる。
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車体上部と履帯部分を合わせてみて、前輪部分のバランスを考えてみたところ、1/35のSASジープぐらいの大きさでないとバランスが合わないことが判明。つまり車体のサイズ的には1/48じゃなくて1/35ということになる。おかしい……1/48にしようと思って作っていたのに……
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すると砲塔も、1/35で人を乗せるにはあまりに小さい。元イラスト的にも、車体からはみ出すぐらいのサイズであるはずなので、折角作ったが切断して作り直し。
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車体の上下をどう合わせるか考えながら隙間を埋める構造を作ってゆく。L字材を貼って断面三角にしてゆくことで、ドイツ軍のデザインにありがちな傾斜車体が生まれる。
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ようやく元イラストのバランスに近い形状が出来上がってきた。
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横から見るとこんなバランス。かわいい。
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車体前部に1mm半丸棒を貼ってリブを表現しつつ、細く練ったパテを貼り付けて溶接痕を作る。明らかに太すぎるのだが、細いと貼り付かないので難しい……表面がプラ材だったら伸ばしランナーの方が良いのだろうけど、パテで覆ってしまうとそれも難しそうで。
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SASジープの、モールドが甘いM2機関銃を切って通信機っぽいものに仕立てる。
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アクセサリを貼って塗装すれば完成である。
初期ドイツ軍イメージでジャーマングレイの単色塗装にしたところ、のっぺりとしてメリハリがなく苦労した。若干明くしたグレイで縁部分をドライブラシしてなんとなく立体感を強調している。
帝国軍の国章はポーランド軍の赤白逆だということだったのでマーキングもポーランド軍に準拠したものを考えようかと思ったのだが、資料に乏しかったのでS35の使わなかったデカールから赤白のマークを流用してみた。
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先に作った肉挽き機と並べると小ささがよくわかる。S35だって決して大きな戦車ではないのだが、その半分ぐらいしかない。
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流石にターレーよりは大きいものの、砲まで入れたら全長で負けている。砲座に座らせていたフィギュアを乗せてみたら玩具みたいなサイズ感になった。
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いちおう車内に座れば頭が砲塔内に収まるぐらいのサイズではある。
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