本好きの下剋上 ブックガイド

累計部数100万、2017年・2018年の「このラノベがすごい!」で連続1位という人気作「本好きの下剋上」が、ようやくアニメ化されることになった。
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話題となったので、今から読んでみようという人も多いだろう。しかし刊行数の多さで混乱しがちと思われるので、ガイダンスを書いてみた。
なお下記リンクはすべてAmazonの商品にリンクしているが、TOブックスのオンラインショップにて購入すると特典短編が付く(初期のものは、後日発売の短編集などに収録済)。他にもオリジナルグッズなども取り揃えているので、書籍派の人はそちらでの購入をおすすめしたい。

本好きの下剋上」とは

2013年9月から2017年3月まで、3年半にわたり「小説家になろう」で連載され続けた異世界転生ビブリオ・ファンタジー。「本のためなら死んでもいい」書痴娘が、本の手に入らない世界に転生し「だったら自分で作ろう」と奮闘する物語である。
原作となる「小説家になろう」版のほか、TOブックスから刊行中の書籍(現在第五部1巻)、ニコニコ静画ほかWeb漫画サイト各所で連載中のコミカライズ(第一部完結、現在第二部〜第四部平行連載中)がある。

書籍版公式サイト

www.tobooks.jp

漫画版(ニコニコ静画)

seiga.nicovideo.jp
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本好きの下剋上」はそのタイトル通り、なんの力も持たない貧しい平民の病弱な幼女が、「好きなだけ本を読める世界」の実現を目指して成り上がってゆく物語だ。出世のたびにできることが増え、関わる世界が拡がり、引き起こされる事件が大きくなってゆく。
本作は全五部で構成され、それぞれに主人公の立場が変化し、それを取り巻く環境も大きく変わる。
そのうち第一部および第二部までがアニメ化されるのは確実と見られるが、第三部以降がどうなるかは今のところ不明。
各部の概要を解説する。

第一部

平民編。本を作るために、まずは紙(もしくはそれに代わるもの)を作ろうと奮闘する主人公が、しかし生来の虚弱ゆえに自分自身では何もできず周囲を振り回す。
当初は本を読めないことの絶望と、「見知らぬ家族」への馴染めなさから本作りへの希望に逃げ込み、身勝手な振る舞いを見せるものの、徐々に周囲の人との絆ができ、助け合うようになるまでの成長物語……なのだけれど、序盤の身勝手さで嫌気がさして読むのを止めるという人も少なくない。とりあえず中盤からの重要キャラ、商人ベンノが出るぐらいまでは読んでいただきたいところだが、どうせなら完結済のコミックス第一部(全7巻)から読み始めた方がマイルドかも知れない。

漫画

第二部

神殿編。厳格な身分差のあるこの世界で、貴族社会と平民社会の間に位置する神殿を舞台に、高級品である紙の主要顧客となる貴族との付き合いや、その貴族相手に商売する高級店のやり方を学んでゆく。
第二部もコミカライズされている(第一巻が4月末に刊行予定)が、書籍版で3冊分の第一部を描き終えるまでに3年かかったことを鑑みるに、第二部4冊分も完結までに4年ほどはかかると思われ、アニメの方が少し先行することになる。

なおアニメ第二期は書籍第二部のII巻分まで、続きを知りたい方はIII巻から読むといいだろう(アニメ化にあたり省略された部分もあるので、第一部I巻からの通読をお勧めするが)。
2022年4月からは第二部III巻から先を描く第三期もスタート。

漫画

第三部

貴族編。平民のままでは守り切れなくなったため、貴族としての経歴を与えられ、領主の養女として生きることに。一気に権限が大きくなったので製紙・印刷が急進する一方、取り巻く社会も拡がり、関わる事件も大きくなってゆく。
完結までの時間短縮を目論み、コミカライズは第二部・第四部と平行で進められている。漫画で追う人は買い間違いに注意。

漫画

第四部

貴族の子供たちが通う魔法学校編。ここからは大人の庇護を離れて子供だけで貴族社会を乗り切ってゆくことになるが、なにぶん貴族の(というかこの世界の)常識に欠ける主人公はあちこちで騒動を巻き起こし、その報告を受けて保護者たちが頭を抱える。
書籍は最終巻まで刊行済、コミカライズも開始された(現在、第二〜第四部までが平行で連載されているので注意)。また、外伝が1冊刊行されている。

書籍

漫画

外伝

第四部の貴族院に通う、主人公以外の視点からの短編集。だいたい第四部半ば時点を前提としているので、本編を4巻ぐらいまで読んでから手を出すことをお奨めする。

第五部

第四部からの貴族院編の続きだが、環境が急変した三年生から。これが本編完結編となる。
なお、従来は3カ月ごとに1巻の刊行ペースで進んできたが、刊行物の増加に伴い作者の作業負担が増えすぎたため4カ月ごとの刊行に改められた。
2023年12月刊行のXII巻(外伝・短編集を除き通巻33巻)にてとうとう完結。

その他

短編集

こちらも外伝と同じく、主人公以外の視点による短編集。これまで一部書店およびTOブックス通販で特典として配布した短編のうち、古い時期のものを中心に収録している。

ジュニア版の短編集は書籍版の巻末に収録されていた短編を集めたもの。

コミックアンソロジー

様々な描き手によるアンソロジー

ドラマCD

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第三部の後半をダイジェストドラマに仕立てたもの。

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こちらは第三部クライマックスと下町の人々。

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貴族院に場所を移して第四部のドラマ化。なお、アニメ化発表に伴いこの巻からキャストが変更になっている。

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こちらは第四部ラスト部分。

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第五部初のドラマCD。

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ローゼマインの立場が大きく揺れる第五部中盤。

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第五部も終盤となり、ドラマCDも2枚組に。

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ドラマCD第8弾も2枚組。

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第9弾もまたまた2枚組。終盤にもなってくると重要シーンが多すぎてカットできない減らせない。

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完結となる第10弾、もちろん2枚組。序盤回想シーンなどもあるため登場人物が非常に多いようで、キャストはこれまでで最多のなんと32人。

そのほかに、アニメ版からのドラマCDもリリースされている。

朗読

アニメ版の主人公役を務める井口裕香さんによる朗読版。
書籍刊行済みの分が順治朗読されてゆくので既に20巻を越え、整理しにくいのでAudibleのページをリンクしておく。
本好きの下剋上 をAmazonオーディオブックで聴く | Audible.co.jp

他言語版

国内では入手の難しい場合もあるので、タイトルのみ紹介する。

  • 英語:Ascendance of Bookworm:I'll do anything to become a librarian
  • フランス語:La Petite Faiseuse de Livres
  • スペイン語:El Ratón de Biblioteca
  • 繁体中文:小書痴的下剋上:為了成為圖書管理員不擇手段!
  • ハングル:책벌레의 하극상 ~사서가 되기 위해서라면 뭐든지 할 수 있어~
  • タイ語:การปฏิวัติ ของสาวน้อย หนอนหนังสือ
  • ベトナム語:Cuộc Nổi Dậy Của Cô Nàng Mọt Sách
  • ポルトガル語:O Sonho de uma Apaixonada por Livros
  • イタリア語:L'ascesa della bibliotecaria
  • トルコ語:Kitap Kurdu'num Yükselişi