アフィリエイト広告は悪か

PVの多い大手Blogなどでは、よくサイドバーあたりにアフィリエイトのバナーが貼ってある。オンラインストアへのリンクだったり、内容に応じた商品の紹介だったり。
こうしたBlogはネットに高じた人たち、とりわけ某ちゃんねる等では嫌われがちのようだ。内容の如何に関らず否定的なコメントを目にする。
そんなに叩くほどのものだろうか。


アフィリエイトBlogといっても色々で、中には多数のBlogへトラックバックしたり閲覧者の多いサイトにコメントを残して誘導したりと姑息な手段でPVを集めるような連中もいて、イメージが悪いのは判らないでもない。だが、そういう悪例を基準に全部を捨てることはないとも思う。
Blog自体にきちんとした内容があり、かつ読者にとっても有用な情報としてリンクが為される限り、それがアフィリエイトであっても構わないのではないか。別に購入者がアフィリエイト報酬を負担するでなし*1、幾許かの小銭が紹介者に入ることを厭う理由はない。むしろ有用な情報を紹介してくれたことに感謝こそすれ、非難する謂れはあるまい。


確かに、世の中にはアフィリエイトで報酬を得ることに夢中になる余り暴走しがちな人もいるし、またそれを利用したspamも多いのは確かだ。しかしアフィリエイトというシステムそのものは、口コミ効果を得られる販売店、少額の報酬を受け取る紹介者、欲しい情報にピンポイントで到達できる閲覧者と三方両得なものである筈だ。
ただし、それにはアフィリエイト紹介者が広告を広告と判るように表示せねばならないし、またそれが閲覧の邪魔になるようなものであってはならないが。

アフィリエイト撲滅で広告費は安くなるのか

アフィリエイト報酬は販売者側から見れば広告費であるから、コストとして販売価格を押し上げる要因となる。短絡的に見れば、これを一切消滅させることでコストを引き下げ、その分が価格引き下げとして消費者に還元されるように見える。
とは言え、販売店にしてみれば知名度を保ち間口を拡げ、確実に客を掴むには何らかの広告は欠かせない*2。とすれば、アフィリエイト広告を打たなかったとしても別の広告を出すことになるだけだ。そして、ピンポイントで興味のある層を狙い撃ちし易いアフェリエイトは他の手法に比べ費用対効果に優れるとされる(とりわけ小規模店舗の場合は)。ということは、アフィリエイトがなくなれば他のより高額で効果の薄い広告を打つことになり、商品価格に対する広告費用の占める割合はむしろ増大する……つまり単純に言って値上がりするものと思われる。
撲滅すべきはアフィリエイトスパムであって、適正な広告表示者でも広告出稿者でもない。そこのところをお間違えなきよう。

*1:無論広告費はコストに計上されるわけだが、自分がアフィリエイト経由で買おうと買うまいと、そのことで商品が安くなるわけではない

*2:事実としてコストに見合う売上増に繋がっているかどうかは兎も角、意識としてはそうあるだろう