医薬品の個人売買

最近、「医薬品高価買取」などの広告を幾つか見かけて疑問に思ったのだが、これは果たして合法な商売なのだろうか?医薬品の販売は薬事法あたりで制限されるのではないかと思うのだが。
薬事法では29条あたりから販売に関する規定があるのだが、これを見た限りでは「業として」の販売について認可制との制限が挙げられているのみで、個人が売ったり、或いは免許のない業者であっても買うだけなら違法ではないようにも受け取れる。
しかし医薬品は必ずしも気軽に第三者に渡して良い類のものばかりではない。処方がないと買えないものの中には向精神剤など厳密に管理されるべきものだってある筈で、それが個人から買い取られているという事自体に何かしら不穏なものを感じてしまう。
「医薬品 買取」で検索して見つけた高価買取リストにあったのは抗生物質や降圧剤など、処方無く流通することはない類の薬ばかりのようだ。これらを個人から買い取るメリットは何だろうか?
例えば(一般的な流通網のシステムに従うならば)製造元が市価の2割程度で製造したものを、卸問屋は末端価格の4割程度で仕入れ、7割程度で小売業者に販売する。しかし保険制度の関係で、消費者が支払うのは3割。
正規ルートでは定価の4割で仕入れている薬品を、2割で買い戻すとしたらどうか。売った個人は無駄になる薬品を処分して現金を手にする。買い取った問屋は製造元より安く仕入れられる。
……正直なところ、そんなことをして本当に得なのか-----消費期限の管理や再パッケージなど別のコストが嵩んでもうけが出ないようなことはないだろうか-----などという懸念があるのだが、そうしたメカニズムについては私で調べのつくものでもない。ひょっとすると闇に流れて高値取引されるのかも知れないし、それを元に別のものを製造するラインがあるのかも知れないが、その辺りは妄想に任せるとしよう。


ともあれ、医薬品取引の法的扱いについては厚生労働省に質問してみたので回答待ち。