自転車の話：ペダーセンのオーナーを探す

ペダーセン型自転車というのは、19世紀にデンマークで発明された、サドルを「ハンモックのように吊る」変わった構造の自転車だ。全体は細い鋼管トラスフレームで、シートピラーは通常よりも後ろ側に長く突き出し、高い位置にあるヘッドチューブとの間にサドルを張る。

歴史に埋もれたこの自転車は20世紀の末頃になって復刻製造されるようになったようで、本家デンマーク製以外に独KEMPER、台湾SOLUがペダーセン型フレームを製造しており、日本でもSOLUのフレームを利用してBE・ALLが24インチ車を販売している。<a href="http://www.be-all.co.jp/bikes-duke24.html">DUKE 24" / BE・ALL / AKI Corporation</a>www.be-all.co.jp

非常に珍しい車種である。これだけ目立つデザインを街中で見掛けたらそうそう忘れないと思うが、私がこれまで目撃したのは専門店の店頭に飾ってあった一台だけ、乗っているところはついぞ見掛けない。
これは多分、車両の特性に要因がある。ペダーセン型は製造数が少ないためフレームがかなり割高で、安いものでもちょっとしたロードバイクが買えるぐらいにはなるので結構な自転車愛好家でもなければなかなか手を出す気にはならないだろう。ところがフレームは複雑な構成で重量があり、搭乗姿勢も上体をかなり起こしたシティサイクル的アップライトポジションのため、走行性に重きを於く愛好家には物足りない。
結果として「かなりの変わり者でもなければ変わない」ような製品、ということになる。

とはいえ、逆にこんな変わったものを買ったら絶対自慢したくなりそうなものだ。ならば他車種よりも所有者が情報をネットに上げている可能性は高いのでは、と思ったのだが……
検索してみても「所有している」という情報はほとんど出ない。もしかして、これ下手すると各メーカー製品合わせても国内でオーナー3桁いないんじゃなかろうか……

というわけでちょっと所有情報を探してみた。

検索結果より

<a href="http://propcycles.exblog.jp/12548183/">お客さん登場</a>propcycles.exblog.jp
店舗のブログ：販売記録。

２０インチのペダーセン | ストリームライナー製造計画 2
オーナーの投稿：カスタマイズ披露。

<a href="http://minkara.carview.co.jp/userid/279801/blog/22675587/">こんな自転車を見た２｜D3／ポケロケのある生活｜ブログ｜a-water｜みんカラ - 車・自動車SNS（ブログ・パーツ・整備・燃費）</a>minkara.carview.co.jp
第三者：同行者に買わせた話。

ペダーセンを個人輸入してみた
フレームと特殊なサドルだけ注文して組み上げ。あんまり安くならなかった由。

マニアックでもいいですか?(1)
サイクルショーの展示車を見て購入、10年寝かせていた人。

<a href="http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1328503923">デンマーク・ペダーセン（ペダルセン）自転車の内装5段用のシフターの棒が根元から折れてしまいました</a>detail.chiebukuro.yahoo.co.jp
本家を所有しているらしき人からの代替部品相談。

自転車が好きなタレントや有名人
 永六輔がペダーセンに乗っているとのこと。

<a href="http://blog.goo.ne.jp/mediacross_itoh/e/89aa42722d9abb40db918cba451d5b81">孤独な自転車１人あそび？ - 孤独な自転車一人遊び！</a>blog.goo.ne.jp
所有車の一台にペダーセンのミニベロ。

<a href="http://ameblo.jp/kabansyokunin/entry-10612673127.html">『ケンパー・ペダーセン自転車を革で』</a>ameblo.jp
革職人の方のブログ、お客さんのKEMPER。

<a href="http://www.yamaiko.com/community/talk/post-842.html">ペダーセンのミニベロ｜折りたたみ自転車＆ミニベロコミュニティ</a>www.yamaiko.com
フレームの個人輸入例。

最近のお仕事
自転車店の記録に、2011年10月付で所有者の来店が。

<a href="http://blog.nixita.com/?eid=1424628">エロイカジャパンは　Ｌ’英雄　 L'eiyu | NIXITA BLOG</a>blog.nixita.com
ヴィンテージ自転車イベントに、所有者から参加問い合わせのコメント。

This Week's “potter's SNAPS!” - Vol.18 | CYCLE TRIP potter BLOG
読者からの投稿。

<a href="http://karsuke.exblog.jp/12188892">神戸ポタリングクラブ　小径部　夙川ポタ</a>karsuke.exblog.jp
神戸ポタリングクラブ参加者。<a href="http://ozunu.exblog.jp/12188053/">2月ポタ会　夙川グルメポタ会　Pedersen</a>ozunu.exblog.jp
こちらがそのオーナーさんによるブログのようだ。

ハイレベルな自転車達・・・ | モールトニアを目指して〜ＢＹＣＬＵＢＺＯＯＭ
販売済み車両の中にペダーセン。

<a href="http://pedalweb.exblog.jp/17858258/">ツイードラン・オーサカ写真 on BICYCLE PLUS</a>pedalweb.exblog.jp
ツイードランの記事にペダーセン所有者が。

<a href="http://leonarhodo.exblog.jp/i25/">Velo (Pedersen) : なるほどれおなるほど</a>leonarhodo.exblog.jp
所有者ご本人分と、他の所有者について記載があるので2人分。

<a href="http://tsu-chey.seesaa.net/category/22160170-4.html">〜古き良き時代を求めて〜OUTDOOR&MILITARY　SHOP　TSU-CHEY</a>tsu-chey.seesaa.net
文章検索では見付からなかったが画像検索で発見したオーナーさん。

とりあえず19人分発見。本人の書き込みだけではなく知人や店の分も入っているため、すべてが別車両とは限らないが……

全国オーナー数を推定する

上記は「Web上で発見できた」分だけなので、実際にはこれより多くのオーナーさんが居られるものと考えられる。国内の現存数を推定してみよう。

とりあえず、現在国内にはっきりした販路を持っているのはBE・ALLのDUKEだ。2011年頃から販売していたらしい。<a href="http://blog.goo.ne.jp/ishinovski/e/cd099180298451dc89f5ca8e2c8ae616">DUKE入荷。 - スポーツサイクルイシノのショップブログ</a>blog.goo.ne.jp
「限定20台」という記述が見える。<a href="http://ptgotanda.exblog.jp/15889751/">AKIコーポレーション展示会2</a>ptgotanda.exblog.jp
こちらでもやはり「販売台数は10台とか20台だけ」。

<a href="http://cyclist.sanspo.com/29516">BE-ALLのペデルセン・レプリカと電動アルフィーネ11スピード搭載モデルに注目 - cyclist</a>cyclist.sanspo.com
ここでは「参考出品され、その後ごく少数が販売されたが、2013年ではカタログモデルとなった」とある。ということは、「10台とか20台だけ」なのは参考出品後の少数販売分だけで、その後はもっと販売したのだろうか。
仮に2011〜2012年に20台が販売され2013年からカタログ掲載されたのだとすれば、毎年同程度かそれ以上に売れたと仮定すると4年間で合計50〜100台程度は販売された……のかも知れない。

BE・ALL以外に、SOLU製品を輸入販売していたショップがある。

おはようございます。この度DUKE External10を大幅値下げいたしました。これ以上の値下げは不可能かと思われますので、興味のある方はこの機会にぜひ！http://t.co/uxT8ysxz8V pic.twitter.com/ijOSHUgDeL
— 神楽坂舶来商会 (@kagurahakurai) 2014, 3月 26

ブログが消えているのでtwitterをリンクしておくが、恐らく各モデル各カラーについて数台づつ(もしかしたら1台づつ)の仕入れで、最近まで売れ残り分を半額程度でオークション販売していたようだ。

この他に本家PEDERSENや独KEMPERを仕入れた事例もあるはずだが、こちらは実態が掴めない。