宵闇眩燈草紙 5(八房龍之助、ISBN:4840226725)

色々な意味で安定感のある作家なので特に言うべきことはなし、とは言え3巻の前半で初登場した重要アイテム(人物)が5巻になって漸く説明にこぎ着けるというのはどうなんだ。作者自身、暫し忘れていたっぽくもあるし。しかも銃の方も同時期に絡んできたり、また関係ないストーリーが挿入されたりと同時進行で複数の事件が起こるのでやや関係が掴み難い。
そりゃまあ実際の世界でも、こういう現象はままあることだろう。けれどストーリーテリングとしてこれをやってしまうと、どうやっても散逸的になってしまう。「一見無関係の事件が交錯して一点に収束する」のをやってみたかったのかも知れないが、そうだとすればちょっと引っ張りすぎであるし、少なくとも女郎の話は余計だったと思う。
まあそんなわけで、話としてはストーリーを追う部分より、時々挿まれる読み切りの作品の方がまとまりがあって面白い。J&Jの方をより好んでしまうのにはその辺が関係しているのだろう。良く知られたモティーフからあんな方向に引っ張るとは思わなかったが、確かに蜜というのは何かしらそうした妖しさを持っているものだ。
で、最初の話での変形ギミックはとってもあさりよしとおワッハマンを思い出すのだが。成敗シーンはどう見ても無限の住人。最近あんまりやらないけど。
そう言えば「高岩博士の異常な愛情」はいつになったらコミック化するのだ。


あ、ところでg:bookには漫画登録は無しの方向ですか。>id:adramine


注目ASINで1位になってる…異常事態だ、と思ったら僅か7件か。しかし他が軒並み6件以下ということは矢張り異常事態なのか。