王子の桜

この季節、王子駅付近は花見で賑わう。
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駅の南側にある飛鳥山は江戸時代から花見の名所として知られた場所だ。
そこから道を挟んで北側にはちょっとした繁華街があり、一角には落語「王子の狐」にも登場する厚焼き玉子の老舗「扇屋」も。とはいっても料亭としての構は既になく、玉子焼きの売店が残るのみだが。
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駅南口すぐの音無親水公園も、なかなかに風情ある桜の小道として知られる。
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公園そのものは全長150m程度だが、突き当たりはそのまま石神井川に繋がっており、そこから川の両岸に沿って遊歩道が延びている。

公園の出口付近にはコンクリート打放しのマンションが。
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石神井川は川沿いに桜の木が多く植えられており、どこまで歩いても桜が楽しめる。道路沿いの桜だと通行の邪魔になる枝が切り落とされてしまうことが多いが、川面に突き出た枝は伸びやかに水面へと垂れ、花筏で楽しませてくれる。
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駅からのアクセスも良く、散歩道としても気持ち良い一角。カメラ片手に散歩はいかがだろう。
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本好きの下剋上:漫画版は如何にして平行連載となったか

本好きの下剋上は、コミカライズを第一部完結後に第二〜第四部平行連載という変則的な形でリリースしている。第二部以降はいずれも未完であるため間がつながっておらず、原作小説未読だと話が飛んでしまうし、未完状態での同時刊行を知らずに新刊を買うと「新刊かと思ったら違う話だった」ということになりやすく混乱を招きがちだ。
無論そういった問題は出版サイドも重々承知ではあったろうが、それでも敢えてこのような形に至った理由はコミックス第三部I巻の後書に説明されている。曰く、「今までのペースでコミカライズを続けると完結まで約30年かかる」。

実際、第一部のコミカライズは完結までには3年以上かかっている。書籍版は1巻あたりおよそ25話程度を収録しており第一部77話分が3巻で刊行されているが、ということは単純計算で書籍1巻分をコミカライズするのに1年が必要ということになる。
書籍自体が未完だが、Web版の話数を基準にするならば全677話であるから書籍としては全27巻の分量、ということはコミカライズ全話完結までには27年かかる計算である。もちろんこれは単純計算なのであって、実際には文章量と漫画描写量は必ずしも一対一で対応しないし、書籍の巻数自体も当初予定より少々増えており30巻を少し超える見込みなので、やはり30年以上を見込んでおくのが順当に思われる。2015年の連載開始であるから、単純に言えば2045年頃までかかる見通しだ。

さすがにこれは長すぎるということになり、完結期間の短縮を目論んで第二部以降は作画担当者を増やして並行展開となったわけだが、では実際のところ、これによって完結までの期間はどの程度短縮可能なのだろうか。

各部のコミカライズ開始日と最新話の掲載日、消化済みの原作話数を元にざっと計算してみる。

原作話数 最新話 第一話掲載 最新話掲載 連載日数 年あたり消化率
第一部 1〜77話(77) 77話(100%) 2015年10月30日 2019年2月19日 1,208日(3.3年) 23.2話
第二部 78〜172話(95) 128話(53%) 2018年9月24日 2022年03月14日 1,267日(3.5年、完結予想6.5年) 14.7話
第三部 173〜277話(105) 204話(30%) 2018年04月30日 2022年03月10日 1,410日(3.8年、完成予想12.8年) 8.3話
第四部 278〜460話(183) 296話(10%) 2020年12月24日 2022年03月21日 452日(1.2年、完成予想12.3年) 15.3話

なぜこれほど消化が遅いかというと、原作がなにげない日常にすら後々の伏線が張り巡らされた緻密な構成であるために省略可能な箇所がほとんどないからだ。
足掛け3年3ヶ月を費やした鈴華さんの第一部、隅々まで丁寧に描写してゆくスタイルの分だけ進みもゆっくりなのだろうかと思っていたら意外にも結構ハイペースだった。逆に週刊連載経験をお持ちの勝木さんによる第四部は、CG背景などを駆使して作画コストを圧縮する手法を取り入れており、一度の更新ページ数も多いためハイペースな印象があったが、こうして比較すると思ったほど話の進みが早いというわけでもない。もちろん状況の違いもあって一概に比較できるものではなく、速度によって優劣を付ける意図はないのだが、この計算に拠ると第二部の完結時期が2025年中、第三部が2031年頃、第四部が2033年といったところになりそうだ。
すると(更に別の方が担当されるのでない限り)第五部は改めて鈴華さんの作画に戻り、年15話程度の消化率で進むと仮定して14.5年ほどかけて2040年前後の完成に……あれ、もしかして5年ぐらいしか短縮できてない?
というか第一部の年23.2話という(これまでで最速の)ペースを基準としたときでさえ完結が30年がかりだったのであって、年15話だったら45年、年8話だったら……80年以上!それは到底待てないなぁ……

35mm f0.95で小田原観光を

これまでも度々「汎用レンズ」を追及してきた。1本でポートレートからクローズアップ、テーブルフォトに風景まで、日常的なあらゆる用途を1本でこなせるレンズはあるか。
なるべく焦点距離の幅が広く、なるべく最小F値が小さく、なるべく最大撮影倍率が高く、それでいてなるべく軽く……もちろんそんな万能レンズはどこにもないので、何らかの性能に妥協することで他を可能な限り高いレベルでバランスさせることになる。
今回は「焦点距離の幅」と「オートフォーカス」を捨てることで、それ以外を満遍なく押さえたMF単焦点レンズを使ってみたい。

ボケるレンズを求めて

「35mmフルサイズはボケる」とはよく言われる(実際には「同じレンズならどんなフォーマットでもボケは同じ」なのではあるが、計算上「同じF値で同じ画角の」レンズを使うならば、APS-Cに対して1.5倍、マイクロフォーサーズに対して2倍のボケ量ということにはなる)。
ボケることは必ずしも利点とは限らず、たとえばボケすぎて絞らざるを得ないことでシャッタースピードの不利を被るような場合だってあるわけだが、しかし一方で「ボケの強さによる立体感」、被写体の背景からの浮き立ちはやはり魅力的な要素ではある。
もちろんマイクロフォーサーズでも、撮り方によってはしっかりとボケを得ることは可能だ。とはいえ「同じ画角、同じF値であればボケ量は半分」であることの制約は否めない。
半面、マイクロフォーサーズの利点である「同じ画角、同じF値ならレンズを小さくできる」ことを生かせば、安価軽量な大口径レンズによってボケ量の不利を補うことも不可能ではないはずだ、ということになる。
そして実際、マイクロフォーサーズには多種多様な大口径レンズが揃っている。

7Artisans(七工匠)の35mm f0.95は、F値が1を切る非常に明るい大口径でありながら、重量400gを切るコンパクトなレンズである。35mm(すなわちマイクロフォーサーズでは換算70mm)という「標準よりは若干望遠」域であることも、ボケ量にはプラスに働く。
風景などを撮るには若干狭くなるものの、望遠レンズほど致命的に画角が不足するわけではなく、逆に周囲が切り落とされる分だけ被写体に集中できる利点もある。最短撮影距離34cmでは画面一杯で10cmほどの範囲とまずまずのクローズアップが可能で、だいたいの状況には対応できそうだ。
今回は、これ一本での観光を試みたい。

ファーストレビュー

外箱は一辺が10cmの白い立方体で、上端から3cmの位置に2mm幅のスリットがあり、内箱の赤色が覗く。箱は1mm厚の厚紙にマットなシールを貼り合わせた構造で、被せ式の蓋は内径の内箱にぴったり合わせてあり、その精度へのこだわりはレンズの品質にも通底するものを感じさせる。

レンズ本体は金属鏡筒で、すべての文字は刻印されている。大径ガラスによる重み(とはいえ380gほどなので言うほど重いわけでもないのだが)も相俟ってしっかりした密度感があり、とても3万を切る安レンズには感じられない。
被せ式のレンズキャップもアルミ製。レンズ先端より僅かに大きな径の内側に布貼りをして隙間を調整してあり、適度な摩擦感でしっかり止まる。こちらも決してチープな作りではないのだが、縁5mmの内側が一段凹ませてあり「7Artisans 七工匠」とプリントしてあるだけなので些か安っぽさは否めない。
全長は60mm程度とコンパクトで、胴回りはマウント外周より僅かに太い程度。同程度の重さのOMDSの12-40mm F2.8 PROと比べると径は二回りほど細い(35mm F0.95はフィルタ径52mm、12-40mm F2.8は62mm)。
ローレットは指かかり良く、滑らかに回転する。いずれもクリック感のない無段階で、絞りについては意図せず回ってしまわない程度のクリックが欲しかった気もする。

PEN Fに付けるとこんな感じ。
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重量は合計で800g強、ボディとレンズの重さが釣り合っておりバランス感はとても良い。
電子接点がないのでピント補助は機能しないが、ボケが強い分だけピント位置は把握しやすい(それでもMF なので若干のピンボケは生じ得るが)。

小田原

都内主要ターミナルから東海道本線で1時間半ほどと日帰りアクセスしやすい小田原は関東有数の城を有する(とはいえ一度は廃城となり現存のものは再建だが)手軽な観光地である。
新幹線も停車する駅前はなかなかの賑わい。土産物などを販売する「小田原新城下町」も雰囲気ある外観だ。
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東口を線路沿いに進むと、ほどなく小田原城が見えてくる。
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桜も流石に古樹が多く、苔生して素敵な風合い。
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……が、今回の第一目的は城ではない。ひとまず通り過ぎて報徳二宮神社(二宮尊徳を奉じる神社)の側へ。
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道の向かいにある二宮尊徳博物館……の脇を入ったところにある国登録有形文化財、旧黒田長成邸「清閑亭」が今回の目的地である。
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小田原は明治時代に保養地として人気を博し、多くの華族やら 実業家やらがこの地に別荘を築いたそうで、清閑亭もその一つである。
3/31を以て一般公開を終了し、今後は料亭となる予定だそうなので、その前に駆け込みで撮影に訪れた次第。

小規模ながら素敵な庭を持つ日本家屋で、イベントへの貸し出しなども行なっており、また喫茶も行なっている。
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喫茶で地元産の蜜柑「湘南ゴールド」のジュースを頂いたが、蜜柑のイメージに反してオレンジ色ではなく林檎ジュースぐらいの白色だった。酸味と少しの苦味が爽やか。
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清閑亭を辞し、城も少し見物。
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なにやら武者姿で行列が。
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本丸広場にて、みかん氷を食す。
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城はそんなに期待していなかったのだが、あちこちに立派な松や桜があって、撮影が楽しい。

これはイヌマキの巨木。樹皮が落ち、捻れた肌が剥き出しになっている。ちょうど桜の枝がかかって絵画のよう。
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堀にも多くの桜が枝を垂れ、水面に美しく映える。これを撮るだけでも来た甲斐があろうというもの。
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城の向かいには真新しい観光センター。ここで軽く食事。
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ここからしばらく街を歩く。大通り沿いには蒲鉾屋を中心に古い店舗が散見され、見ているだけでも楽しい。
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使用感

というわけで35mm F0.95のみで観光写真を撮ってみた。
中望遠としては然程画角が狭くなく標準画角寄りなので、「全体が収まらず撮影を断念する」ようなことはほぼ生じなかった。もう少し望遠があればと思うことはないでもなかったが、料理写真などにも過不足なく、非常に使い勝手が良い。
F値0.95の強いボケはマイクロフォーサーズでも十分な効果を発揮し、わずかなボケ量の差が立体感を作り出してくれる。なるほどボケのために35mmフルサイズが欲しくなるわけだ……
一方でマニュアルフォーカスのため動きものには対応できないし、色収差が強いのかボケの縁がくっきり色付く傾向があるなど若干癖のあるレンズでもあり、決して万全というわけではないものの、「とりあえず安価に明るいレンズを手にすることができる」という利点は大きい。
F1.2 PROなどに手を出す余裕がない人には是非おすすめしたい。

防災備品を揃える

これまでの人生で、災害によって避難を強いられたことは(水害などでの予備的なものも含め)一度もなかったが、いつ来るとも知れぬのが災害というものではある。
以前から備えが必要という認識はあり、保存食などを試したこともあったが、一揃い整えるとなると結構な出費となるし、またアウトドア系の用品などに詳しくないため「どのようなものを買っておくべきか」がよくわからないということもあって放置気味であった。
しかし、先日の地震もあって改めて防災用具をという意識になったところで、勢いを付けて買ってしまうことにした。

まずは、買い揃えるべきものをざっくりリストアップしてみる。
これには首相官邸の防災情報や、東京都の防災冊子などを参考にしている。

備蓄

主に自宅内で、ライフライン復旧まで待機する前提でのストック。持ち出しは(安全に回収可能でない限り)想定しない。
ストックは多いに越したことはないが、あまり買い込むと置き場にも困るし、ローリングストック(古いものから順次消費しつつ新しいものを買い足す)にしても消費し切れないので、とりあえず3日程度を目安にすれば良いかと思う。それ以上はまあ、政府/自治体がなんとかしてくれるはずだ。

飲料水

1人1日3リットルが目安だそうなので、×人数分×3日分。

食品

カップ麺やレトルト食品など日持ちの良い日常食などを、最低3食×3日×人数分。これは日常の買い置きも兼ね、随時消費しつつ入れ替えてゆくのが望ましい。

生活消耗品

トイレットペーパー、ティッシュペーパー、カセットコンロ用ガスなど。もっとも、これは常時2週間分程度がストックされているのではないかと思われる。
唯一ストック分量がわからないのがカセットガスだが、岩谷の防災情報に拠れば(気温次第だが)だいたい2人分あたり、1日に1本程度の消費と考えれば良さそうだ。

持ち出し用品

避難時の持ち出し品は、家族で1セットあれば良いものと個々に1セットづつ持つべきものに区分できる。

各自1つ用意するもの

靴底のしっかりした、足に合うもの。普段から履き慣らしたものが望ましいが、非常用として別途用意するとなるとどうしても新品かそれに近くなってしまう。「寝る時はいつも枕元に普段履きの靴を置く」習慣を作るか、非常用の靴を別に慣らしておくか。
瓦礫を歩くことも想定すると鉄板入りの「安全靴」もしくは「踏み抜き防止」インソールがあると安心感が高まる。

寝袋

避難所で布団が得られるとは限らないので、最低限の寝具として寝袋を用意しておきたい。
寝袋にはすっぽり全身を包み顔だけ出す「マミー」タイプと長方形の袋状になっている「エンベローブ」タイプがあるが、長期使用を想定すると拘束性の弱いエンベローブの方が寝やすいのではと考える。
保温性の高いものほど厚みがあるため嵩張り、また重くなる。屋外ではなく避難所内で使用するため、防寒性よりは持ち運びの負担軽減を重視したい。長期使用による汚れを鑑みると洗濯可能なものが望ましい。

比較的薄いものを買ったつもりではあったが、φ25xL45cm、重量1.9kgと決してコンパクトとは言えない。

防災用途に特化した寝袋を見付けた。「普段はクッションに」「枕、アイマスクも装備」「貴重品ポケット内蔵」など使い勝手は良さそう。

マット

床上に直で寝袋を敷くと背中が硬く、また底冷えするため断熱とクッションを兼ねたマットは必須。
マットにはいくつか種類があり、それぞれに特徴がある。

  • 銀マット
    • 発泡性のクッション材にアルミシートを貼り付けたもの。コンパクトで断熱性を有するがクッション性は弱い。
  • エアーマット
    • 空気を入れて膨らませるマット。空気を抜けばコンパクトになり、クッション性は高いが断熱性はやや弱い。息で膨らませるのは大変なので足踏みポンプ内蔵が良さそう。
  • インフレータブルマット
    • 内部に発泡ウレタンスポンジが仕込まれており、栓を空けると自動的に空気を吸い込んで膨張する、エアーマットの一種。スポンジなしのエアーマットに比べ重量と圧縮率は低くなる代わりに、膨らませるのが楽で、クッション性・断熱性は高め。

特徴を鑑みてインフレータブルマットを選択した。面積が大きいほど寝やすいと思われるが重く嵩張ることにもなる。厚さは3cmでは不足、5cmあれば足りるというが商品の一覧に5cm程度のものが見当たらず、ひとまず8cmを試したが、思ったよりも嵩張り重い。収納状態でφ20xL65cm、重量2.4kg。エアータイプも視野に入れるべきか。

ヘルメット

落下物から頭部を守るために。家から被って出るのでコンパクトである必要はないものの、畳めるタイプの方が室内配備でも邪魔になりにくいとは思う。

避難用バッグ

手を空けておけるよう、背負い式のものを。
これには以下のような装備一揃いを入れておく(寝袋やマットなどは嵩張るため、これとは別に持つことになる。可能であればリュックの上か下に括り付けたいが)。

椅子

直に床へ座る生活は長く続けるといささか辛くなろうかと思われるため、折り畳み式の椅子を用意したい。背もたれのあるものを用意できれば最良だが、大きいほど持ち出しにくくもなるので、コンパクトさを優先して。
バッグと折り畳み椅子がセットになっているものがあるので、それらを用意することを考えている。

アルミブランケット

防寒の不足に備えて。薄く軽量で邪魔にならず、体温の熱を外に逃がさないため冬場の体温維持に1枚あると安心できそう。

眼鏡

我が家は全員近視なので眼鏡は必須。新調した時に、以前のものを予備用に回してバッグに入れておきたい。

簡易トイレ

断水時も速やかに仮設トイレなどは用意されるとは思うが、それまでの急場凌ぎとして1回分程度は用意しておいた方が良いのではなかろうか。

飲料水

避難当初まだ配給も儘ならない時期を乗り切るため、備蓄とは別に500mlのペットボトル1本でいいので各自持っておく。

非常食

水も火もなしに食べられるものを、最低でも1食分(可能なら3食ほど)。
しかし水も火も要らない保存食はだいたいレトルトパックや缶詰となるため少々重く、各自の持つ分に1日3食分以上を配備するのはあまり現実的でないように思われる。
たとえば白米・レトルト・缶詰・加熱用発熱剤をセットにした「レスキューフーズ」は1食分600g、1箱あたり12.5*16.5*6.5cmと結構な重さ・大きさである。これで3食を揃えるとバッグ容量の大半が埋まってしまう。

重量を抑えるなら、一部をカップ麺やアルファ化米などに置き換えるのも良いだろう。

カロリー補充用おやつ

カロリーさえあれば当座は凌げる。また心理的にも甘味が用意できると心強い。
チョコレートは暑さで溶けにくいものを。

井村屋の「えいようかん」とイザメシのチョコバーを試食したが、どちらも日常のおやつにしたいぐらい美味しかった。これなら非常時にも安らげるだろう。

箸・スプーン

弁当用のプラ製カトラリーで十分なので、1セットづつ用意しておく。

モバイルバッテリー

当座のスマホ充電用と、何らかの形で電源が供給されるならそこで充電・蓄電できるように、モバイルバッテリーは各自用意しておきたい。

家族で1つ用意しておくもの

ラジオ

大規模災害時は通信インフラも遮断される可能性が高い。通話回線がパンクしていても使えるTwitterやLINEは心強いが、それも電波が通じればこそ。
最後の情報源はラジオ放送に頼るしかない。もちろんラジオアプリは(放送電波を受信しているわけではなくインターネット経由なので)使えない。受信機を備えたラジオは防災用品に必ず入れておきたい。
比較的電池の消費は少ないと思うが、できれば手回し発電/ソーラーパネルを備えた防災ラジオだと安心感がある。

懐中電灯・ランタン

停電状況下を歩かねばならぬ可能性も低くはないので懐中電灯は必ず用意したい。
また、前方のみを照らす懐中電灯は避難生活空間を照らすにはいまいち向かない。水を入れたペットボトル(少しの濁りがあれば尚更効果的)で散乱させる方法もあるが、最初から周囲を照らせるランタン機能があるものなら尚良い。
これもソーラーパネルなどを備えていると安心できる。

誰かが外に出ているあいだ待っている人が灯りを使えないというのも不便なので、最低2つは用意しておこう。

水タンク

水は生命維持に不可欠だが、断水していると給水所まで汲みに行かねばならないので水容器は必須となる。
一人あたり3リットルが目安とのことであるから家族人数を鑑みれば10〜20リットルぐらいが必要だが、それはそのまま手にかかる重量でもあるので、あまり大きいものだと却って困難ではなかろうか。
また、水を使うたびに容器を傾けるのは面倒なのでコック付きのものにしたいが、必然的に水の取り出し位置が底に近くなるので床に直置きでは水が出せなくなる。何か台になるものも用意しておくか、台座がセットになったタンクを購入するといいだろう。
ハードタンクの方が安定感は高いが、非使用時に嵩張るのが欠点。できれば中が見える透明なものにしておくと水の残量が把握しやすくなる。また広口なら使用後のメンテ性も高いし、なんなら持ち出し品の幾許かを中に入れておくこともできる。

テーブル

食事にせよ水タンクにせよ、床に直置きでは色々と不都合なのでテーブルのひとつぐらいは用意したい。なるべく小型軽量、かつ水タンクを支える程度の耐荷重が要る。

カセットコンロ&ガスボンベ

いかに非常食と雖も、加熱調理なしで食べ続けるのはしんどいものがあろうし、水で作れないことはないアルファ化米やカップ麺でも可能ならば湯を使いたい。
アウトドア用の、携帯型ガスコンロとボンベ数本ぐらいは用意しておきたいところ。

クッカー

ガスコンロだけあっても調理はできないので、アウトドア用の軽量コンパクトな調理器具を買っておきたい。
底面に熱伝導性を高めるヒートエクスチェンジャーのあるものだとガスの熱を効率良く使えて湯沸かしも早い。

追記:ヒートエクスチェンジャーを含め、熱伝導性を高めるための「炎を囲い込む構造」を持つ鍋は、空気の通りを悪くしてしまうため不完全燃焼により一酸化炭素が発生しやすいとのこと。「炎を絞ってエクスチェンジャーには直接炎を当てない(弱火で加熱できるということではある)、閉所で調理しない(避難所では室内での火気使用はそもそも禁止かと思うが)など気を付けねばならないようだ。
ガス消費を節約できそうなので被災時にも役立つとは思うが、ちょっと扱いに気を使うので面倒なら普通のクッカーにした方がいいかも知れない。

カップ

飲み水などのためにカップも必要だろう。一人にひとつまでは要らないとしても、1〜2個ぐらいは欲しい。

食器

基本的にはレトルトも袋から直接食べたり、袋麺などは鍋から直接啜ることになろうかと思うが、皿がある方が食べやすいのは確かだ。荷物が増えてでも用意するなら、破損に強いメラミン樹脂皿が良いのではないかと思う。

洗い物に使う水も勿体ないのでラップをかけるなどして使ったという話も。

ソーラー充電器

可能であれば日光でスマホを充電可能なソーラーパネル充電器を用意したい。タブレット用だと5Aクラスの出力が必要になって条件が跳ね上がってしまうが、スマホに限れば2.1A程度で行けるのではないか。

ソウルオブエデン初心者のための基本戦術解説

ソウルオブエデン(以下「ソルエデ」)は、いわゆる「クラロワ系」と呼ばれるタイプのリアルタイム対戦ゲームだ。

時間経過と共に増加するリソースを消費して手元のユニットカードを場に出すと、自動的に相手の「守護者」めがけて進軍、範囲内に敵ユニットがいればそれを攻撃する。先に相手の守護者を倒した方が勝ちとなる。
プレイヤーが操作できるのは基本的に「どのタイミングで」「どの種類を」「どの場所に」出すかという点のみ、あとは自動で戦闘が行われるのを見守るだけ(とは言いながら、数秒ごとに何らかの操作をすることにはなるのでそれなりに忙しない)。

この手のゲームでは、嚆矢となった「クラッシュ・ロワイヤル」に倣ってファンタジーをモチーフとすることが多いが、ソルエデはSF風とファンタジー風の両方が合わさったようなイメージになっている。機械ユニットを多く持つ人間種族「共和国」と虫や軟体生物のようなイメージの生命体「異種」、魔法を使う人間種族「帝国」に獣人の集団「獣族」、4種族はそれぞれにカード種類の半数ほどを共有している。ミニチュアゲーム「ウォーハンマー」をご存知ならば「40KとAoSの混ざったような」、PC系RTSで言えば「スタークラフトウォークラフトを合わせたような」と言えばイメージしやすいだろうか。
また種族ごとにはっきりした戦術の違いがあり、それらを使い分けながら対戦してゆくことになる。

基本的なルールは、クラロワをご存知の方ならば「戦場が分断されずタワー1本」「デッキは30枚で循環なし」「ユニット配置時、画面をなぞることで分散して配置できる」といった違いを押さえておけば問題なくプレイできるかと思うが、この手のゲームに不慣れだと勝ち方がわかりにくいかも知れないので、少し解説しよう。

隊列の基本形

ソウルオブエデン(に限らず、この手のゲーム全般)ではユニットは自動で行動するため、倒したい敵を狙ったり仲間に庇わせたりといった細かいコントロールはできない。
その代わり、出すときの位置関係を工夫することによって有利な状況を作り出すのが基本テクニックとなる。

各ユニットは自動的に周囲を認識し、「最も近い敵」を狙う。この性質を利用して、HPの高い近接ユニットを先行させ盾代わりとし、後列から射撃ユニットが援護射撃を行なうように陣形を組む。
こうすると敵のダメージは硬い盾役に集中するので、攻撃役は盾が破壊されるまでの間安全に攻撃を続行でき、またそれによって盾役を攻撃する敵を効率良く排除できるため盾の生存性も高まる。
この「前盾/後射」隊列はすべての基本となるので、しっかり押さえておこう。
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ユニットの右上には赤い剣/青い盾/黄色い剣・盾のマークがあるが、これは「ダメージが高いがHPが低い」攻撃タイプ/「HPが高いがダメージが低い」防御タイプ/「どちらもそこそこ」バランスタイプを表している。基本的には、盾マークのあるユニットを前に、剣マークのユニットを後ろに出してゆくといいだろう(ただしユニットの能力によっては使用感がマークと異なる場合もある)。

相性

ユニットは、その性質によって得意な相手・苦手な相手がある。
たとえば一撃の火力が高いユニットは高HPの的も素早く倒すことが可能だが、小型ユニットの群れを相手にすると手数の少なさが仇となって効率が著しく落ちる。
逆に小型ユニット群は一撃のダメージこそ低くとも数の多さを活かした手数で瞬く間に対象のHPを削り取るが、範囲攻撃を受けると一斉に消し飛んでしまう。
範囲攻撃は群れ相手には強いが、その分だけ単体への火力は低めであることが多く、高HPの盾ユニットで受け止められると削りきれない。
それぞれの特性を理解して、有利な組み合わせで当たれるように研究しよう。

受け

攻める時はただ手札のユニットで陣形を作ればいいとして、問題は「攻められた時」だ。ここで対処を誤って、あるいはそもそも対処できずに、そのまま負けてしまう人が多いように見受けられるので、相手の攻撃を「受ける」方法を解説する。

実は、受けに於いてもやることは攻めの場合とそう大きく変わらない。基本は「盾で攻撃を受け止め、火力で削る」だ。相手のユニットが攻撃を開始する前に、その視界内に盾ユニットを配置することによって相手の攻撃を引き付け、その後に相手ユニットを確実に射程内に捉える位置へこちらの攻撃ユニットを出すことで、安全に効率よく敵を殲滅する。
ただ、攻撃の時とは異なり敵が近づくまでの間に手筈を整えなければならないので、最良の組み合わせを選んでコストを貯める余裕はない。相手の出方に合わせて、今ある手持ちで凌ぐ方法を考える必要がある。

まずは手札を確認しよう。ユニットカードは何枚ある?ダメージスペルはある?

→盾ユニットと攻撃ユニットがある

まずは盾を敵軍の前に出してターゲットを取り、攻撃を受け止めよう。そして敵ユニットに近い位置に火力ユニットを出してダメージを集中させれば、相手の侵攻を止めることができる。
このとき、大事なのは「焦ってコストが貯まらないうちに出さない」こと。1コスト貯まるのには3秒ぐらいかかるので、先に盾を出してしまうと援護ユニットが出るまでに3〜10秒ぐらい、盾が撃たれ続けることになる。だいたい1〜2秒ごとに1発攻撃されることが多いので2〜5発ぐらい無防備に殴られる計算だ。その分だけ盾が盾として機能する時間が短くなってしまう。盾を出したらすぐに支援部隊を出せるよう、コストは貯めてから動こう。

問題は盾と攻撃ユニットとが揃っていない場合だ。その場合はちょっと受けが難しくなる。

→盾ユニットはあるが攻撃ユニットがない

この場合、盾ユニットは自分の守護者直前に出そう。すると相手が足を止めて攻撃を始める位置が守護者の攻撃範囲に入るので、守護者を援護射撃代わりに使うことができる。
またダメージスペルがある場合、盾を出して相手を足止めしたところにスペルをぶつけると確実に仕留めることができる(スペルは位置指定してから実際にダメージが発生するまでにタイムラグがあるため、足止めせずに使用すると思ったようにダメージを与えられず範囲から抜けられてしまうことがある)。

→攻撃ユニットはあるが盾ユニットがない

盾はなくてもユニットが2枚以上あるなら、攻撃ユニットのひとつを盾代わりに使おう。しかし盾ユニットほど長くは保たないので苦しい戦いにはなる。
もし攻撃ユニットが1枚しかない場合、仕方ないので守護者を盾代わりに使おう。つまり相手が守護者に攻撃を始めるまで待ってから攻撃ユニットを出すことで、ユニットがダメージを受けずに一方的な攻撃ができる。
その代わり守護者がダメージを受けてしまうので、相手が高火力だとそのまま負けてしまうこともある諸刃の剣。なるべく使わないで済むに越したことはない戦術だ。

→攻撃ユニットも盾ユニットもない

この場合もう仕方ないので、安いカードを無駄に使ってでも新しいカードを引くしかない。なるべくそうならないように、デッキを組む時はユニット以外のカード枚数を少なめにしよう。

プレイ中の戦術ではなくデッキ構築時点での話になるが、「使う場面がなく手札で腐った」「コストが高くて出すに出せなかった」などで使えない場面のあったカードは1枚減らし、「この場面でこのカードがあれば防げたのに」と思う場面があったカードを1枚増やす、という感じで調整するといいだろう。

→大型範囲ユニットへの対処

不慣れだと対処の難しいユニットが、範囲攻撃を持つ大型近接ユニットだ。たとえば「ソウルリーパー(5)」「マンモス兵(6)」「顔なき聖者(7)」「ヤコブ(8)」など。
通常ならば大型ユニットは手数差を利用して小型ユニットで取り囲むのだが、範囲攻撃ユニット相手にそれをやると一網打尽にされかねない。
しかし、こういう相手にも「前盾/後射」の基本セオリーは有効。丈夫な盾で敵を足止めしてダメージを1体に止めつつ、範囲攻撃の射程外から射撃を集中させて仕留めよう。

→回復持ちへの対処

「ソウルリーパー(5)」「ヒルキング(6)」「ゴリアス(6)」など、攻撃や撃破のたびに回復するユニットは予想以上に倒すのが難しい。
「撃破回復」の場合は、撃破されなければ回復しないので前盾/後射で対応できるが、攻撃回復型のヒル系などは逆に火力が不足すると倒せないので盾よりも火力型で直接殴った方が有効性が高い。

→前盾/後射への対処

非常に有効性の高い前盾/後射隊列だが、当然ながら敵も使ってくる。そうするとこちらの火力は盾に吸われ、後ろに控える主力からの攻撃でみるみる削られてしまう。
そうさせないためには相手の隊列を崩す必要がある。
一番手堅いのは「自陣側に引き込む」やり方。ギリギリまで敵を引きつけておいて、盾を無視して無防備な後列に火力ユニットをぶつけ、あるいはプステルやボムカツなどで処理する。
指定範囲に直接ダメージを与えるスペルなどがあれば、それを後衛に使うのも良い。

デッキ構築

デッキのバランス

理想的なバランスはプレイスタイルによっても異なってくるが、目安としては盾ユニットと火力ユニットのコスト合計が「盾2:火力3」ぐらいのバランスを目指し、またスペルや建物、回復ユニットなど直接的な火力を持たないカードは合計で10枚以下にしておいた方が良いだろう。
方向性が定まるまでは、1戦ごとに「手元にあったが使い所がなかった」カードを減らし、「この場面で欲しかった」カードを増やすなどして調整してゆこう。

種族ごとの特性

種族はそれぞれに特徴があり、それを活かした戦い方ができるように組むと大きな力を発揮する。
ただし、やり過ぎには注意:コンセプトを尖らせすぎると、上手く行った時は強いが対応できない場面も増えてしまう。主力以外は程々にして、幅広い対応力を目指した方が結局は勝率が高まる。

共和国(守護者スキル(3):降下地点にダメージ+マリン隊4体出現)

初撃のみ大ダメージあるいは特殊な打撃を与える「ファーストアタック」に特徴がある(スナイパー、暗殺者、ステルスブラスター、ステルスストーマー)。また、発動済みのファーストアタックを再発させることのできる「コマンダー」による不意討ちも強い。
盾ユニットや射撃ユニットが揃っているため序盤から隊列を組みやすい点は初心者向け。また指定位置に範囲ダメージを発生させるスペルが充実しているため、後方からの厄介な支援を潰しやすいのもありがたい。

異種(守護者スキル(2):範囲7の敵ユニットスタン)

盾となるユニットが少ないが、「ダメージを与えるたびに回復する」ユニット(ヒルヒルキング、バーンズ姉妹)などがスペック以上の硬さを発揮する。また敵ユニットを乗っ取る「コントロール」、倒した敵をマゴットに変化させる「マゴットクイーン」、敵も味方もプステルに変えて爆発させる除去スペル「プステル変化」などトリッキーなカードが多い。
召喚すると自軍守護者にダメージを与える代わりに低コストで高性能な「ソウル」系、守護者HPが30%以下だと強いがそうでない時はHPが半減する「アボミネル」系など、強いが使い所の難しいカードも多い。

獣族(守護者スキル(1):範囲7の味方を毎秒回復)

ユニットを生産する建物を多く持つ。またHPが半減すると攻撃速度が上昇する「狂暴」ユニット(ヒヅメ、ラービ、ヘコキツネ、ウルファイター、キョウタチ、ドンクサイ)が多く、それを強化するスペル「捧血の儀」と組み合わせると爆発的な火力を叩き出す。
反面、全種族で唯一、敵ユニットを除去する手段を持たないため大型ユニット対策が悩ましい。

帝国(守護者スキル(2):範囲10の味方を火力強化)

味方ユニットが登場するたび強化される「センサー」を持つユニットが非常に多い(テミス、ホーリーガード、ダークシールダー、荒野の魔女、災厄の使者、パンチタンク、フォレストアーチャー、シールダー、破城槌、アックスウォリアー、ヒルダ)。
また補助系スペルが充実している。反面、指定位置へダメージを与える術がないため敵の後方支援対策には苦労する。

平均コストの目安

ソルエデは他のクラロワ系と異なりデッキが循環しないので、30枚を使い切ったらもう何もできない。そのため低コストカードを中心にした高回転編成などは避けた方が無難と言える。
ゲーム開始時のコストは7、以降「10秒あたり3」の割合(後半2分は倍速)で回復するので、1戦中に利用可能なコストの合計は最大で115(初期7+前半2分=36+後半2分=72)。これをデッキ枚数の30で割ると3.83...となるので、これを下回る平均コストでデッキを構築すると手札が尽きる恐れがある。
もっとも、必ずしもコストが貯まり次第消費し続けるとは限らず、相手の出方を待って10貯まっていても動かずにいる場合などは、使えるコスト上限がもっと下がることにはなる。

まほり

意味の掴めぬタイトル。黒バックに禍々しく紅い円が乱舞する装画。いかにもホラーめいた佇まいだが、本書はホラーというわけではない。では何なのか、というと……

作者の高田大介はファンタジー作品「図書館の魔女」でデビューを飾った。しかし本書はファンタジーでもない。
高田の本職は対照言語学者であるが、本書は言語学ものというわけでもない(あながち無関係とも言えないが)。
では何か、というなら「民俗学ミステリ」というのが最も納まりの良い説明だろうか。

読み始めると、まず文章の巧さに舌を巻く。潤沢な語彙に支えられた幅広い表現力。普段読み慣れぬ書かれ方ではありながら、しかし意味を捉えかねるようなことはなくスッと頭に入ってくる。
表現だけではなく構成も巧みで、章ごとに興味を引き付ける謎を示し、さりげなく伏線を織り交ぜながら、複数のまるで無関係な道筋が一点へと収束してゆく。

主人公は社会学を志す大学生で、主に数理的な解析を得意としている。ゼミの卒研で「都市伝説の伝播と変容」という広範なテーマを掲げたグループの手伝いに引き込まれ、調査範囲の絞り込みを検討する流れから、気になる「実体験」を聞く。それは自身の郷里に程近い、群馬県は奥利根地方のとあるお堂での出来事で、それに興味を持った彼は夏休みを利用して地元へと戻り、お堂の由来を調べるべく図書館を起点に文献調査を開始するが……

寺社仏閣の来歴というものは真贋確かならざるものが多い。というか「確かな来歴を伝える」方が稀なぐらいではないか。時代の都合に合わせて様々に変貌し、それに応じて来歴が「整えられる」こともしばしば。
そもそも史料文献というのは、「書かれたという事実」はあっても「書かれたことが事実」ではない。まったくの嘘ではないとしても、都合良く書き換えられたり都合の悪いことは書かれなかったりする。それを様々な文献と突き合わせて傍証を拾い集めることで検証してゆくのだが、そのためには「関連する文書」を知悉しておかなければならない。その文書が書かれた時代、その文書に書かれた時代、その地方に何があったのか。地方史を記した膨大な文献史料は当然ながらテキストデータどころか活字でさえなく、検索できる範囲には自ずと限度がある。
一介の学生の手には余る専門分野を導くのは博覧強記の学者たち。一を尋ねれば十が返ってくる、立板に水の如く繰り出される膨大な情報はいずれも実在の史料で、それらが様々な角度から奥利根地方の過去を紡ぎ出してゆく様は心踊るのだが、同時にここを詳しく語ることはネタバレにもなるので紹介は控える。

この地方にどのような「隠された」歴史があり、それは主人公の境遇とどう繋がってゆくのか。中学生の目撃した少女とは。そして「まほり」とは何なのか。
あとは、自分の目で確かめられたい。

芦ケ久保の氷柱

埼玉県秩父地方には、山中に氷柱の並ぶ奇景がある。
三大氷柱と呼ばれるもののうち、天然のものは二瀬ダム下流荒川沿いの崖に連なる「三十槌の氷柱」のみ。
残る2箇所は水を撒いて凍らせた人工のものだそうだが、規模として最大のものは尾ノ内氷柱で、こちらは吊り橋上から氷柱を眺めることができる。
つまり芦ケ久保の氷柱は、天然のものでもなく最大規模のものでもない、ということになるわけだが、その代わり他2箇所にはない強みを持つ:「アクセスの良さ」だ。

三十槌の氷柱は、西武秩父駅から秩父鉄道に乗り換え22分、三峰口駅からバスで45分ほどの場所。
尾ノ内氷柱に至っては関越道花園ICから100分、あるいは西武秩父駅からバスを2本乗り継いで更に徒歩20分の距離。
だが、芦ケ久保の氷柱は西武芦ケ久保駅から徒歩で10分と、格段にアクセスが良い。池袋駅から片道1時間半、悠々と日帰りできる距離だ。

www.yokoze.org

夕方17時半からはライトアップが行なわれており、本日が最終日だったので行ってきた。

池袋から西武池袋線で飯能へ。
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西武秩父線に乗り換えて芦ケ久保で下りる。
山間の駅で、駅前には何もない。道に沿って少し歩くと道の駅的な建物が見え、ここの売店および食堂が、近隣で唯一の商業施設である……のだが、なんと夜間ライトアップイベントを実施しているというのに18時には食堂が閉店してしまう。ライトアップを観るなら予め腹拵えをしておくか、列車に乗る前にどこかで軽食を買っておくこと。
売店の方は、19時時点ではまだ開いていたが、おにぎりやサンドウィッチのような軽食はあまりない(既に買われたのかも知れないが)。最後に残ったコロッケバーガーと、磯部餅や「みそポテト(マッシュポテトの天ぷら串にみそタレをかけたもの)」で飢えを凌いだが、手を汚しやすくあまり食事向けではない……営業時間も含め、観光アピールするならもうちょっと改善されたい。

駅からの坂を下った先で受付が行なわれるが、会場はそこから坂ひとつ越えた先。道は舗装こそされていないが歩きやすく整備されてはおり、足元に不安はない(とはいえハイヒールは推奨しないが)。西武鉄道秩父方面線路を潜った先が氷柱の会場である。「暗くなるのを待たないで先へ進んでください」というアナウンス。

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山奥のローカル線というのは、それだけで絵になる雰囲気がある。

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入口付近に鳥居。正面からも撮ったが、このあたりで記念撮影する人が多く写り込んでしまうので割愛。

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刻一刻と色を変える照明が、立ち並ぶ氷柱を彩る。

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ハート型の撮影スポット。
この付近には三脚使用可能エリアも用意されている。

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足元を照らす灯りもなかなかに雰囲気が出る。

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帰りの便は30分に一本しかないので時間を忘れずに。