トルネはすごくないのがすごい

旧式のDVD/HDDレコーダを使っていたのだが地デジ化を目前にして受信できる機種に買い替えることにした。
幾許かの機種選定会議の結果、機能性でも容量でもなく「シンプルで使い易い」「他のことにも使える」「そこそこ手頃」という点を評価し今更ながらPS3+torneを中古で購入する運びとなった。


で今日初めてtorneを使ってみたわけだが……これはすごい。実に良くできてる。
いや、別に何がすごいわけでもない。単にシンプルな録画機能があるだけだ。番組表から見たい番組を選ぶ。画質と録画周期を選ぶ。予約する。ほんとにそれだけ。でも、そのシンプルなことが迷いなくスムーズに、説明書なんか読まずにできる。それがすごい。


いや、本来は全然すごくないはずなのだ。だってこれはどんなレコーダーでも共通する操作で、みんなたったこれだけのことがしたくて機材を購入するわけで、どの機種だってあたりまえにできることでしかない。
だけど他のレコーダーでこんなシンプル操作を実現できている機種を、私は知らない。
今まで使ってたのはSharpのDVDレコーダで、これだって別に使い勝手は悪くなかった。方向キーと決定ボタンでそれなりに解り易く操作できてた。でもそれは「家電としての平均点」程度の良さ。間違えて意図とは反対の操作をしてしまったり、違う画面を開いてしまったり、毎回そういう試行錯誤をしつつ使う、そんな感覚。
でもtorneは最初からやりたいことがやりたいように、一切のストレスなくできる。


この感覚はちょっと「携帯vsスマートフォン」みたいな感じがする。携帯って多機能だけど、その機能のほとんどは使ってない。どこに何があるかよく解らないし。メールとかカメラとか専用キーが割り当てられてたりするけど、結果としてボタン数が増えて却って把握しにくくなる。それに対してスマートフォンはアプリ次第で機能が増えたり減ったりするけど、アプリごとに操作がまとまってて余計なものがないからシンプルで把握しやすい。
torneのリモコンはPSPのコントローラなので方向キー+8ボタンしかない。レコーダのリモコンは方向キー+決定ボタン以外にテンキー、機能直結ボタン各種で20〜30ぐらいのボタンがずらりと並ぶ。各ボタンには日本語で機能が書いてあるけど正直ぜんぜん把握できない。


「シンプルで壊れない、誰でも説明抜きに使える」ことを良しとしている筈の家電業界ができないことを、複雑で壊れやすい機械代表であるコンピュータ業界やゲーム業界があっさりとやってのける。多分これはインターフェイス・デザインという概念があるかどうかの差だと思う。

torne (トルネ) (CECH-ZD1J)

torne (トルネ) (CECH-ZD1J)