携帯電話に求めるもの

今の機種に変えてもう2年。そろそろバッテリーも限界に近付いてきて
最近の携帯付属機能のトレンドは、どうやら「ワンセグ放送受信」「音楽ダウンロード再生」「非接触式ICクレジット」らしく、各キャリアともほぼ同じような機能を持った機種を投入している。けれどこれらの機能、本当にそれほど望まれているのだろうか?
機能別に見てみる。

ワンセグ受信

要するに地上波デジタルTVが受信できる機能であり、どこでもTVを見ることができる。
「どこでもTVが見られる」キャッチコピーとしてはなかなか魅力的だが、実際に意味を見出せるかどうかは別の話だ。
なにしろTV番組というものはその時その時で放送されているものしか視聴できない。だから各社とも、その時間帯に最も需要ありそうな番組を流すわけで、結果として似たような番組ばかりが集中することになる。
すると、誰しも経験あろうが、どのチャンネルに回しても興味ある番組がない時間帯というものができてしまう。暇潰しとしてはいまいちだ。


どうしても家に居られない時間(で、かつTV視聴の時間は取れる状況)に見たい番組がある場合にのみ有効に機能するだろうが、普段のちょっとした暇潰し用途(こちらの方が遥かに需要は多そうだ)としては動画ダウンロード再生*1の方が有効に思える。
あるに越したことはないけれど、そのために追加投資するほど魅力的でもないような。

音楽ダウンロード再生

携帯音楽プレイヤーを所有している人にとってはまったく不要な機能である。
無論すべての携帯電話保有者が携帯音楽プレイヤーを所有しているわけではない(世界累計では、携帯電話約10億台に対し携帯音楽プレイヤー約1億台(推定)であるので1/10に過ぎない)し、また携帯音楽プレイヤーは原則としてPCとの連動を必須とする点でPC非所有者(資金力のない中高生など)には不向きであるから一定の需要はあるのだろう。


ただ、ダウンロード販売のみではCDで所有する曲を取り込めないから、再生できる曲量は限られる。手元の曲を取り込むためにはやはりPC(もしくは専用の機器)が必要となるし、それら機材を所有しているのであれば需要が携帯音楽プレイヤーとバッティングする。
すると、需要としては携帯音楽プレイヤーを所有しておらず、かつ現在流行の音楽以外は所有の必要を感じない層ということになろうか。

接触式ICクレジット

モバイルSuicaDCMXなど、用途は様々ながらいずれも財布代わりに利用する機能である。財布を持たずとも携帯電話のみで事足りるというのはなかなか便利なようだが、各社の対応サーヴィスが異なっており、用途が限定されるために財布不要とはなり得ない。
あって困るものではないが積極的に利用するかというと、ちょっと疑問だ。

総論として

これら機能は要するに、「もう一つ持つよりこれ一つで」というオールインワンなパッケージの発想から生まれてきたものに思える。でありながら、本当に「これ一つで」とはなっていない。
無論、カメラ機能が撮影と送信をセットにすることで気軽な画像のやり取り需要を掘り起こしたように、当初予想もしなかった価値が生まれる可能性も否定できない(その方面では料金請求を一本化できる非接触式ICクレジットは比較的有望に感じる)が、少なくとも今欲しい機能ではない-----私にとっては。
できれば、それら無駄な機能を削ぎ落とした安価な機種で、かつスタイリッシュなデザインと使い易いUIを持ったものがあれば良いのだが。

*1:販売コンテンツのみならずHDDレコーダ等に録画したコンテンツの利用も視野に