存在しない仮想敵

また不毛な議論になってしまった。
内容については割愛するが、原因はごく単純なもので「互いが居もしない仮想敵を攻撃し、互いがそれを自分に対する攻撃と見做した」という、まあお決まりのパターンだ。


直接確認可能な事実に基き批判する時にはあまり生じない問題なのだけれど、議論の相手を含む不特定多数を一般化して批判する場合などに、互いの想定が食い違っており的外れな部分を非難する事例は結構多い。
理由の半分は想像力の問題、というか前提条件の問題か。「自分の気に入らない連中→敵対する存在→悉く自分の理想を反転した存在であるに違いない」。そうすると、例えば相手が自分に対する嫌がらせを目的に生きているように思えたり、他人に迷惑を掛けても罪悪感を持たない駄目人間と思い込んだりする。
実際にそんな反社会的な存在はまず居ない。手段も論法も違えど、同じものを扱う限りはどちらもそれを良くしたいと考えているのが普通で、そこに有りもしない悪意を見出していては議論が収斂する筈もない。


「相手には悪意がない」というのは互いに意識しておきたいポイント。いや実は時々本当に悪意で動いてるのがいるから話はややこしいんだけど。