太字が潰れている!という件については、潰れる場合、もう一サイズ大きくしたりして、可読性を高めている場合が多いだろう。
だから「情報量が減ってもいいから文字を大きくして見栄えをよくしたい派」と「情報量を増やしたいので、文字が小さい場合での読みやすさ優先派」に別れるんじゃないだろうか。で、技術者には後者が多いと。
世間的にどう認識されているかという話であるから「間違い」というのも変だけど、アンチエイリアス処理は情報量を増やす処理であって減らす処理ではない。アンチエイリアスのないフォントでは潰れて読めないサイズでも、アンチエイリアスがかかっていれば可読性が確保できる。
例を示す。
(デカいので縮小表示。クリックして原寸をどうぞ)
これはPhotoshopでアンチエイリアスあり/なしで同じフォントを比較したもの。Photoshopでのアンチエイリアス処理だからブラウザの処理と同一ではないけれど、ここでは単純に「アンチなしでは潰れて読めない文字でも、アンチありなら読める」ということが理解できればそれで充分である。
要するに、ごく小さい文字で画面全体をびっしり埋めたいならアンチエイリアス必須なのだ。
まあ英数に限ればアンチなしで充分な可読性があるから、むしろコロンとセミコロンのようにボケが強いと誤読し易そうなものの差異が明確なアンチなし表示をプログラマが好むというのは理解できる。でも漢字混じりを中心とする利用、つまりWord文書とかWebブラウジング主体のごく一般的なユーザならアンチエイリアス不使用は損だ。
違和感はあるかも知れないが数日で消える。代わりに手に入れるものは滑らかで美しい文字表示。
ところで、こうして並べてみるとアンチエイリアスOFFでのOsaka(10pt)の読み易さは凄いと思った。このサイズならどのフォントでも大体読めているけれど、Osakaはどの部分も1pxの太さに最適化されている。スクリーン表示を前提に調整されたフォントならではだ。
誤解があるようなので追記しておく。「アンチエイリアスの方が綺麗で読み易いよ!」とかいう話ではなく、小さな文字でもちゃんと読めるという話なのでお間違えなく。適正サイズのビットマップと比較したって意味なくて、適正サイズなんてものを意識する必要もないしビットマップでは不可能なサイズでもきちんと可読性を保って表示できるという話。多分蛇足なOsakaフォントの話とか書いたので誤解されたのだろう、申し訳ない。
無論、闇雲に極小文字を詰め込んでどうなるというものでもないのだけれど、「理論上は」文字密度を向上させられれば単位面積あたりの情報量は増える。で、その場合にはアンチエイリアスが有効、という話。
なおClearTypeとAppleのサブピクセル・レンダリングの性能差についてはフォントのレンダリング - 鍋あり谷ありなどに検証例があるので参照されたい。