もっと視覚的な表計算を

Excelは最も成功した表計算アプリケーションだ。今や、Excelなしに業務をこなすのは困難と言って良い。
表に直接計算式を埋め込むという直感的なインタフェイスは、従来の簿記フォーマットを保ったままでの計算を容易にした。
だが、それ故に表計算は進化を止めてしまっている。本当にあれが最適解なのだろうか?


例えば、会計の基本は収支の突き合わせだ。ここで払う分がどこから出ているか。それを確かめてゆく作業である。
これをもっと視覚的に表現してみてはどうか。各収入と各支出をオブジェクトと見做し、それらを矢印で結んでゆく。どこから金が入ってどこへ流れるか、一目瞭然である。
この方式は紙に打ち出すには不向きだが、数値も計算式もオブジェクト化されるので関係性は解り易い。従来の表計算には不得手だった複雑な条件式なども容易に処理できるだろう。


仮にそんなシステムが登場しても、それによって「表を作る」という機能が不要になることはないだろう。しかし「表」と「計算」を分離できれば、それまでの様々な制約はなくなる。データ・計算処理・表示を分割することで、共有可能は範囲が広がり、機能は更に拡充可能になる。
……まあ、多分この辺まで来るとデータベースの仕事で、それはきっとデータベースでは既に実現可能なことなんだろうけど。
つまりExcelなんか使ってないでFileMakerでも使え、ということだろうか。