文章ツールとしてのWordLinkの可能性

WordLinkはヤバい。はじめはとっつきにくく感じていたが、ちょっと弄ってみるとその面白さにすっかり嵌ってしまった。
これは文字通り連想ツールだから、一つのキーワードから連想されるものを次々に登録して行ける。そしてそのそれぞれから更に連想したものを登録……を繰り返してどこまでも深みへ行ってしまう。
これがツリー構造だと、関係性の上下に気をつけなければならないとか移動方向が一次元的で探求が困難とか色々問題が出て来るところだが、WordLinkの場合は常に関係性は対等であり、どこからでもどこへでもリンクされるから、無限の広がり(の可能性)を持っている。
早速狭い範囲でのリストアップを始めてみたのだが、次々に関連後が浮かんで止まらなくなってきた。リストマニアの皆様に於かれましては是非なにか1ジャンルだけでも登録してみて頂きたい。書きはじめたが最後、寝食忘れて没頭しそうになること請け合い。
説明文を書けないのも、気軽な登録に一役買っている。あくまでその単語に結びついた語群から浮かび上がる何かを捕まえる場であって、詳細な説明を求めるものではないのだ。とはいえ、このリンク方式ははてなキーワードの結びつけにも利用できそうな気がするし、実際にそこを見据えて開発された可能性も捨て切れない。


ところで、この多元的リンク関係を文書構造に盛り込めるようになったら面白いものができはしないか。
人と話している時に、しばしば関連する話題を思い出してそちらに話を進め、また新たな話を思い出し、そうするうちにもとの話題とはかけ離れたところに着地していることが多い。 まさにWordLinkを会話で行なっているのだが、それを文章の記載に利用できないだろうか。
例を挙げる。「右翼と左翼」というような話題からスタートするとして、まず語源であるイギリス議会政治に触れ、続いて意味的に異なる日本での右翼・左翼の説明のために太平洋戦争前と後での政治形態に言及する。そもそもの太平洋戦争の契機として開国後の富国強兵な帝国主義政策、その元となった欧米列強の帝国主義→大元と言えるローマ帝国から今日までの帝国制に言及、それはそれとしてもう一つの理由である天皇制にも触れ、ついでに天皇の起源あたりまで遡って大陸からの渡来や縄文と弥生の文化衝突、そうした証左としての神話などの話に展開、世界の神話との共通点から派生ネタとして諸星大二郎/星野之信作品へ、果ては2001夜物語から宇宙ものSF方向へ……もはや右翼左翼関係ないが、これがよくある会話の発展例である。
同じことを、文章記述の際にやってしまいたいのだ。キーワードとなる部分にマークアップしておいて個別のフロートテキストに相互リンク、言わば個別の文章同士のリンク集としての纏まりを一つのドキュメントとするような世界。始点も終点も無いストーリーの可能性も考えられる。
今は単語のみの集まりとなっているWordLinkだが、それをテキストに拡大したら面白い世界が築けそうな気がするのだが……え?グループキーワードでやれ?