アンパンマンが普通に面白い件

子供のために週1本借りて来るのだが、なんというかこれが大人にも面白い。多分子供とは違った部分でだが。
例えば、(この先ネタバレ)
街灯さん。「このへんにどこか暗く寂しい街はありませんか」彼は外套を脱ぎその光で街を照らす。街が明るさを取り戻すと「明るくなれば、みんな私のことなど忘れてしまう。それで良いんだ……」と一人静かに立ち去る。なんですかこのダンディな渋さは。
例えばどんぶりUFO。「おいしいどんぶりご飯が食べたい」というドキンちゃんの一声でバイキンマンが用意した大型UFOは、登場シーンが明らかに「未知との遭遇」である。そしてどんぶりマンたちを捕らえてその脳にあたる具材を食べる二人。中身を食べられて力を失った彼らは全ての具を一人に集めて脱出を図るが、このとき中身を失った他のどんぶりマンたちの目が明らかにあらぬ方向を向く。ヤバいんじゃないのかこの描写は。
あるいはドキンちゃんの変装。食パンマン様に思いを寄せる彼女は同僚のカレーパンマンバイキンマンとの争いで姿を消した隙にカレーパンマンに変装し、憧れの君と二人きりのひとときを満喫する。がさつなカレーパンマンの姿で乙女な振る舞いを見せるギャップが笑いを誘う。


思っていたより遥かに丁寧な作りである。見る前は安易なキャラ設定とアンパンチで終わるお約束展開から敬遠気味だったのだが、今や私の方がすっかり虜に……という程ではなくとも、子供が何度も繰り返し見るのに苦もなく付き合える程度には楽しめるようになった。
大きいお友達の方も、機会があれば是非。