防水仕様の思わぬ弱点:電蝕

G'zOne TYPE-Rは優れた「航海機器」だった (1/6) - ITmedia Mobileでカシオの防水携帯G's Oneを船上で使うテストが。
ここに、注意点として「電蝕」への対策が挙げられている。
電蝕とは、電解質溶液に2種以上の金属が接触した時に、それらが電池の役割を果たすことで金属が溶け出して腐食する現象である。これまで知らなかったが、どうやら海水に触れ続ける船舶に於いては大変重要な問題であるらしい。


イオン化傾向の高い金属ほど電蝕を受け易いので、船舶では通常、鉛ブロックを装備することで「囮」としてこれを防止しているらしいが、軽量且つ剛性に優れることで耐衝撃性が求められる筐体に採用されているマグネシウムは大変にイオン化傾向が高く、電蝕を免れ得ない。
東芝松下は防水性・耐衝撃性を持つノートPC「TOUGH BOOK」のマリン仕様開発に乗り出しているそうだが、「ネジやヒンジの材質をノーマルタイプから非金属的なものに変更したり、漏れ電流を削減して筐体表面が電気を帯びないようにする。さらに、腐蝕に弱いマグネシウムパネルを塗装し、基板の表面を樹脂でコーティングすることで、金属を海水や塩分と直接触れさせないようにする」など、対策に苦労しているようだ。


一応、電蝕は真水では発生し難いので、機器を真水で洗うことである程度防止できるが、根本的に金属筐体が海水に弱いということは覚えておいた方が良さそうだ。


……そうか、あれもきっと電蝕だったのだな。