一神教に於ける唯一全能の神というものが、一体どれほどの権限を有しているのか。
宗教の説くように真に人間が神の創造物であり、また善悪というものが人間の勝手な思い込みではなく神により規程されたものであるならば、そも神は何故悪などというものを創造し給うたか。何故に悪魔の存在が語られるか。
思うに、神の全能性とは精々サーバー/ネットワークに於けるAdministratorのそれと同程度なのではないか。全プロセスについて管理する権限を有しては居るが、個々のタスクを直接コントロールしているわけではない。だから時には、望まぬ処理が紛れ込んでも来る。
しかも一部のシステムに自律性を持たせていることが仇となって、内部で何が起きているのか完全には把握し切れない。
そして世界をCrackしようとしているのが悪魔と名乗るクラッカー集団。奴らは個々のhuman.exeが持つ脆弱性を利用して徐々にシステムを侵蝕しつつあり、human.exeの増殖によりリソースを過剰に消費させDoS攻撃を試みる他、human.exeを利用して別のexeを作り上げることでroot権限の及ばぬ領域を確保しつつある。
というのはどうか。
