かまいたちの夜2

先日「かまいたちの夜」をクリアしたので、3作目「街」も借りようと思ったら、何故かこれもついてきた。
街はサターン用でうちではプレイできないので止む無く返却。


本作はプレイ前から色々と悪評を聞いていたので非常に心配したが、それにしては楽しめた。
全般にグラフィックが非常に綺麗で、陰鬱な島の雰囲気は素晴らしい。
途中までは非常に楽しんでいたのだが…なるほど、酷評される理由がよく判った。
なんというか、シナリオが酷い。前作のファンとしては当然本格ミステリを期待するのだが、実際に出てきたのはノックスの十戒を完全に無視した愚作である。前作になぞらえた展開は、旧来のファンをにやりとさせる効果としては悪くないが、事件の真相にまで持ち込むのは明らかにやりすぎだ。実質的に、前作を知らないユーザーは選択肢総当り以外の方法で正解に辿り着くことはあるまい(或いは、それでも駄目かもしれない)。
動機から絞ろうにも、真相究明まで裏事情は一切明かされない。
トリックも明らかに無理がある。最後の方まで、それを裏付けるヒントは存在しないし、あまりに大掛かり過ぎて想定の対象外だ。
本筋に当たる(一応)ミステリシナリオを、何故かホラー作家が担当しているのが失敗の原因であるのは明らか。何故安孫子武丸が担当しないのだろうか。


また、100を超えるエンディングの多くが無理矢理ひねり出されたもので、ナンセンスでなおかつ笑えない。こんな不要な分岐はばっさり削って貰いたい。


全体の雰囲気は悪くないし、ビジュアル面では成功を収めているだけに残念。