どうぶつの森+

最近ずっと遊んでいるだらだら生活ゲーム。とりたてて目的らしい目的もなく、リアルタイムに小さな村の中を歩き回るだけのゲームなのだが、何故か結構ハマる。


このゲームは雰囲気を壊さぬよう気配りが為された演出と自発的な行動を誘う作りが非常に見事。
例えばキャラ作成は、村へ移動する汽車内での会話だけで行われ、それも性別を入力させず、名前を告げた時に「この名前、気に入ってるの?」との問いに「かっこいい名前でしょ!」だと男性、「可愛い名前よね」だと女性と判断されるようになっている。また入力確認も、「男の子にはぴったりだと思うよ」→「男の子じゃない」などと、極力自然な会話の中で成立するように計算されている。
序盤の行動指針とチュートリアルも同様で、引っ越した時にまず家を購入し、その借金を返す為のアルバイトを口実に一通りのチュートリアルを強制し、また借金がお金を稼ぐ為の様々な行動を促す。借金を返し終わるとすぐに家の改築が行われ、暫くの間このサイクルが続く。
かといって押し付けがましくもなく、別段借金を返さなくとも利子がふくれあがることもなければ催促されることもない。しかし借金を払い、店で買い物をすることで店が大きくなり品揃えが良くなったり、アイテムが増えて来ると家が手狭になり改築を余儀なくされたりとそれなりの後押しはある。
金稼ぎに興味のない向きには収集欲と名誉欲を。このゲームには非常に多くのアイテムが登場し、それを入手することで自分だけのアイテムカタログが作られて行く。店で購入できるものばかりではなく、イヴェントでしか入手できないものや採取せねばならないものも。
そして化石・名画・虫・魚の4種は村の博物館に寄贈することで採取した人物の名前入りで展示される。一人で遊ぶ分にはあまり気にならないが、兄弟など二人以上がひとつの村で遊んでいると新種発見競争が生じたりして面白い。特に虫と魚は時間や場所、季節に応じて獲れるものが異なるため、1年を通じて遊ぶ必要がある。


村内の時間は現実世界と同じペースで進む。勿論、時間設定を任意に変更することは可能だが、そうした行為のやり過ぎを防ぐための様々な仕掛けも施されていて、例えば前回の記録から日数が経っていると一面に雑草がはびこり居心地が悪くなった住人が引っ越してしまったり、住民から随分長く会わなかったことについて文句を言われたり、或いは食べ物が腐ってしまったりもする。
また、リセットについては監視センターでチェックされており、セーブせずに終了すると次回起動時に怒られる。この辺はある種既存ゲームへのアンチテーゼとして、失敗を気にせずのんびり遊ぶようになっているのだろう。


村の発展はプレイヤーの行動にかかっている。樹木の密度を調節したり花を植えたりと村の美化に努めることで住民が増える。また良く会話や手紙で交流を図る住民とは仲良くなり、プレゼントを貰ったり所持品を高値で買い取ってくれたりする他、引っ越し難くなる。反対にあまり交流のない住民は時々他の村へ引っ越してしまう。


プレイ自体は一人でしかできないが、他の村が入ったメモリーカードを用意すればそこへ遊びに行くことができる。村ごとに特産の果実が異なり、自村の果実以外は高く買い取られるのは交流促進のためであろう。
自分の移動に伴って相手先の村に住民が引っ越すこともあり、お気に入りの住民が引っ越してしまうと寂しくて何度も会いにいったり。


終わりが存在しないから目的もなく、盛り上がりもないようなものだが何故か長時間プレイしてしまう。日がな一日釣り糸を垂れるも良し、住民とおしゃべりを楽しむも良し。
最近するゲームがないという人は是非一度。