アクアパーク品川

水族館に行ってきた。

品川には水族館が二つあって唯でさえ混乱しがちなのだが、品川駅の方のアクアパーク品川ネーミングライツで時々名が変わり、この前までエプソンだと思ったら今はマクセルになっている。が、まあ中身が変わるわけではない。
夏休み期間中は「NAKED 花火アクアリウム」と題して花火をテーマとしたイルミネーションなどで彩られている。
なお、浴衣で入場すると500円引きだそうで、道理で浴衣姿のカップルが多いわけだ。

入場料は2300円、水族館の料金としては高い方だ。
ここは夜間営業が特徴で、この時期は22時まで開館している(入場は21時まで)。

入るといきなり海賊船に出迎えられる。遊園地によくあるスウィング型の絶叫マシンだが、屋内型はちょっと珍しい。

更にその奥には海洋生物に乗るカルーセルが、向かい側に設えたLEDディスプレイに照らされている。



アトラクションのエリアを抜けるとようやく水族館らしくなってくる。小さな水槽の並ぶエリアでは床に映像を投影し、音と光で花火を演出していた。意図はわかるが水族館としてはもう少し静かな方が好ましい。


珊瑚礁エリアではブラックライトに照らされた蛍光色の生物たちが見られる。普通に撮ると色が出ないので、ここはホワイトバランスを「水中」に合わせるといい。

クラゲのエリアは、アクアパークの目玉のひとつだ。色とりどりのライトに照らされたクラゲたちをゆっくり楽しめる。
ただ円筒形水槽は屈折が著しく、ピントを合わせるのは結構大変。








エスカレータを上がるとイルカショーの円形プールが。丁度ショーが始まったところで、人垣の向こうでやっているショーを頭上からなんとか撮ってみた。

その先は回遊型の水槽エリア。大きな水槽を貫く海中トンネルでは頭上を舞うマンタを観察できる。
その他にもペンギンやオットセイなどの水棲動物や水際の動物を展示するエリアも。




夏休み期間の休日とあって大勢の客で賑っていた……というか些か人口密度が高すぎてあまり魚を眺める余裕がなかったというか。時期をずらし、平日の夜あたりを狙ってみた方が良かったかも知れない。

カメラメーカーと色味の関係


カメラ界隈ではよく、「このメーカーはこういう写真に向く」という話が出てくる。よく聞くものとしては「キヤノンは人肌の色味が綺麗」「ペンタックスは葉の緑が鮮やか」「富士フイルムの発色はフィルムっぽさに定評がある」など。
その割には、なぜか色の比較事例をあまり見掛けない。そんなに違いがあるなら、同条件で撮り比べた時の差を見せるなどの企画があって良さそうなものだ。

こういう比較って、個人ではちょっと難しい。コンデジならともかく一眼レフやミラーレスだとカメラに合わせてレンズも揃える必要があるので複数メーカーのカメラを持つ人は少なく、2機種ぐらいならば比較のしようもあるけど各メーカー取り揃えてとはなかなか行かない。
逆に、専門誌こそ比較記事を書いて然るべきだと思うのだが、意外にも事例をほとんど見付けられない。

ぐらいか。どちらも条件をなるべく揃えたサンプル画像を比較できるのだが、なにぶん画像自体が隣接していないので些か比較しにくい。

ないなら作ろう。
自分で持っているカメラだけではできることにも限度がある、が「既にある情報を借りて再構成する」形でなら、やりようもあるだろう。
というわけで、デジカメレビュー記事から画像を引用する形で比較してみることにした。なるべく公平を期すため、レビューは各メーカー一眼レフまたはミラーレス3機種(ただしEOS R/RP、ニコンZ7/Z6、LUMIX S1/S1Rのような発売時期の近い兄弟機については作画傾向にあまり差が生じないと考えられるため、新しい方1機種のみとした)、新しい方から記事を辿り、すべての記事で共通する作例である「屋外(ガスタンクの写真)」「屋内(人形の写真)」を並べる。
引用元はすべて荻窪圭 - ITmedia 著者別インデックスより。同条件で撮り続け、比較可能な記事を書いてくれるライターの荻窪氏に感謝したい。

社名 機種名 屋外 屋内
オリンパス OM-D E-M1X https://image.itmedia.co.jp/news/articles/1903/07/ts153201_em1x12_EX.jpg https://image.itmedia.co.jp/news/articles/1903/07/ts153201_em1x25.jpg
オリンパス PEN E-PL9 https://image.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/1803/05/ts0153_pen08_EX.jpg https://image.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/1803/05/ts0153_pen09.jpg
オリンパス OM-D E-M10 mark3 https://image.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/1710/14/ts_omd3mk21_EX.jpg https://image.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/1710/14/ts_omd3mk12.jpg
キヤノン EOS kiss X10 https://image.itmedia.co.jp/news/articles/1907/27/ts0153_eoskiss07_EX.jpg https://image.itmedia.co.jp/news/articles/1907/27/ts0153_eoskiss18.jpg
キヤノン EOS RP https://image.itmedia.co.jp/news/articles/1903/28/ts153201_eosrp14_EX.jpg https://image.itmedia.co.jp/news/articles/1903/28/ts153201_eosrp21.jpg
キヤノン EOS kiss M https://image.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/1804/05/ts0153_eoskiss10_EX.jpg https://image.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/1804/05/ts0153_eoskiss23.jpg
ソニー α9 https://image.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/1706/28/ts_9alpha08_EX.jpg https://image.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/1706/28/ts_alpha07.jpg
ニコン Z6 https://image.itmedia.co.jp/news/articles/1811/30/ts0153_nikon6z15_EX.jpg https://image.itmedia.co.jp/news/articles/1811/30/ts0153_nikon6z09.jpg
ニコン D850 https://image.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/1709/26/ts_850d10_EX.jpg https://image.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/1709/26/ts_850d03.jpg
ニコン D7500 https://image.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/1706/26/ts_d7500nikon04_EX.jpg https://image.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/1706/26/ts_d7500nikon06.jpg
パナソニック LUMIX G99 https://image.itmedia.co.jp/news/articles/1907/20/ts0153_g99lumix10_EX.jpg https://image.itmedia.co.jp/news/articles/1907/20/ts0153_g99lumix15.jpg
パナソニック LUMIX S1R https://image.itmedia.co.jp/news/articles/1905/05/ts0153_s1r11_EX.jpg https://image.itmedia.co.jp/news/articles/1905/05/ts0153_s1r23.jpg
パナソニック LUMIX GF10/90 https://image.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/1803/30/ts0153_pana90gf09_EX.jpg https://image.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/1803/30/ts0153_pana90gf11.jpg
富士フイルム X-T30 https://image.itmedia.co.jp/news/articles/1904/27/ts153201_fuji13_EX.jpg https://image.itmedia.co.jp/news/articles/1904/27/ts153201_fuji15.jpg
富士フイルム GFX 50R https://image.itmedia.co.jp/news/articles/1812/27/ts0153_gfx13_EX.jpg https://image.itmedia.co.jp/news/articles/1812/27/ts0153_gfx16.jpg
富士フイルム X-T3 https://image.itmedia.co.jp/news/articles/1811/08/ts0153_fuji3xt17_EX.jpg https://image.itmedia.co.jp/news/articles/1811/08/ts0153_fuji3xt18.jpg
ペンタックス KP https://image.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/1704/05/ts_kp06_EX.jpg https://image.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/1704/05/ts_kp03.jpg
イカ CL https://image.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/1801/26/ts0153_leica20_EX.jpg https://image.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/1801/26/ts0153_leica13.jpg

ソニーペンタックスについてはレビューが少なく、古い時期で作例の異なる記事になってしまうのでサンプル3機種のピックアップを断念した。
使用するレンズの画角やF値が違ったり、天候の差や撮影モードの差などもあってすべて同条件というわけではなく、万全の比較というわけには行かないが、それでもメーカーごとのクセはなんとなく見えてくる。

オリンパスはE-M1Xとそれ以外の機種で空の発色が大きく異なるが、これは入門機の方が記憶色に調整するiAUTOだから。空を判定して彩度をかなり強調しているようだ。その影響もあってか人形の肌色も若干黄色〜緑に寄っている感があるが、逆にE-M1Xの肌色はほんのり赤味がかって血色が良い。
キヤノンはマゼンタ寄りの色味と言われるが、ここでもその傾向が明らかに見て取れる。ホワイトバランス自体がマゼンタに寄せてあるというか、白はちゃんと白なんだけど少し明度の下がった雲色なんかはほんのりマゼンタがかっている。その分だけ、たしかに肌の色は雰囲気がある。
ソニーは1機種からの判断になるが、彩度控えめながら若干青みが強く出る印象。
ニコンは意外にも、発色がかなりコントラスト強め。空の色は天候の影響もあるのだろうけれども、人形も他よりパッキリして見える。
パナソニックナチュラルな発色。35mm判のS1よりもマイクロフォーサーズ機の方がコントラスト強めだけれど、色味はニュートラルだ。
富士フイルムは結構こってりしている。オリンパスのiAUTOみたいに明度を上げてこないけど、明らかに他メーカーより空が濃い。
こちらも1機種しかサンプルのないペンタックスは、キヤノン同様に少しマゼンタ寄りに見える。葉の発色が良いと聞いていたけど、作例があまりそれに適した環境ではないため、ちょっとわからなかった。

大宮 中山道まつり:氷川神社例大祭

埼玉県は「見るところのない県」だと言われる。なにしろ関東平野のど真ん中、東京の北側全体にわたり境を接する位置にあり、西部を除き起伏のほとんどない平坦な土地柄である。それゆえベッドタウンとしての価値、が突出し、およそ独自の面白みというものを持たない。とりわけ大宮は、北日本へ向かう新幹線の分岐点であり13もの路線を抱える巨大駅を持ちながら、駅周辺の僅かな範囲以外にはほとんど人が向かわない、単なる通過地点なのだ。

しかしそんな埼玉県が、かつて重要な地であった時代もあった──1500年かそこら昔の話だが、当時最新の軍事技術である鉄剣に最新の文化知識である漢字を刻み、金で象嵌した国宝・金錯銘鉄剣が出土したこともある。
その時代に作られた神社が、大宮の地にある。関東にのみ広がる氷川信仰の総本山であり、この神社の存在こそが大宮という地名の由来である。縁起によれば存在の疑われる先史八代天皇の時代に作られたものといわれるが、その真偽の程はさておき我が国の文字文化よりも古い時代のものであることは間違いない。
そういう由緒正しい大社の例大祭が行なわれたので、撮りに行ってみた。
といっても神事が執り行われるのは平日の日中なので、撮ったのは夕方の山車と神輿の行列だ。

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山車は全部で5台。宮町、大門町仲町、下町、吉敷町である。
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宮町の山車は三輪スタイル。この時は獅子舞が乗っていた。
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大門町も三輪で、外周に寄付内容が貼られている。この写真ではわからないが小槌を持っていたようなので、大黒天か何かなのだろうか。
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仲町の山車は四輪で、ひょっとこが舞っていた。「神武天皇」と書かれた立て板との関連性はよくわからない。
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下町の四輪山車にはおかめ。仲町のと対なんだろうか。
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吉敷町にもおかめが。ただし演者は男性だった。
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山車の列に続いて、各町の高張提灯を持ったスカウトや手古舞、木遣りの行列が続く。
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最後に神輿行列。
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街中も祭の装い。アーケードには普段ない提灯が。
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家の軒先にも下がっている。
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到着したのは17時半、駅前の大通りを封鎖して会場とし、盆踊りの行列が舞っていた。
暗くなるまでには間があるので、ちょっと2kmほど離れた氷川神社まで足を伸ばした。
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参道はおよそ2車線の車道ぐらいの幅があり、その両脇に樹木が並木をつくっている。
今回は大宮駅で降りたので二の鳥居から入ったが、起点となる一の鳥居はさいたま新都心駅の近くにあり、境内までおよそ2kmも続く。

三の鳥居をくぐると境内である。
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例大祭に於ける神事のためだろうか、斎竹が立てられていた。
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これは何の場なのだろうか。白黒の幕は忌事を想起させるが、神事では意味が異なるかもしれない。
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本殿へと通じる橋の前にも斎竹が。
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そろそろ日も暮れてきたので駅前に戻ると、青みはじめた空に提灯が灯っていた。
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街中を練り歩いた山車が大通りに集い、舞いを競う。
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ブルーアワーに提灯。
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関東有数の大社の例大祭であり、関東有数の都市の祭であるというのに、人出はそう多くない。いや勿論大勢が参加して賑やかではあるのだが、人混みで動けなくなるようなこともなく、撮りやすい祭だった。

そろそろ祭の場を離れ、日常へ戻ろう。
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目黒雅叙園 百段階段×和のあかり

目黒雅叙園といえば戦前から存在する高級料亭であり日本で最初の総合結婚式場でありホテルでもある、ええとつまり「高いところ」ぐらいの認識しかなかったわけだが、そんな場所で「和のあかり」というイルミネーションイベントを開催していると聞いて、カメラを持って遊びに行ってきた。
www.hotelgajoen-tokyo.com
JR目黒駅東口から急坂である行人坂を下り切ると、その左手にあるロータリーがもう目黒雅叙園の入口だ。

ギャラリーホール

ロビーを入ってすぐ左に百段階段見学の受付がある。ここでチケットを購入しても良いが、予め前売券を購入しておくと300円ばかり安くなる。
ホテル雅叙園東京【百段階段イベント】公式オンラインチケット|ご購入はこちら
なお、日・火・木曜日限定で17-18時に20人限定の撮影し放題プランがあり、他の客に邪魔されず存分に撮影できる……が、これに申し込むならば事前に一度通常コースで訪れて「ロケテ」を済ませておくことをおすすめしたい。

日本庭園

ロビー正面はガラスウォールで、その向こうに庭園が見える。

そちらも気になるのだが、さしあたっては来園目的であるところの百段階段を優先するため、ひとまずガラス越しに1枚だけに留める。

階段へのエレベーター

「百段階段」というのは、創業当時に建てられた木造の座敷棟群を結ぶ長階段のことだ。折り返すことなく直線的に続く階段に、七つの座敷が連なっている。
流石に90年ばかり昔の木造高層建築ともなると老朽化は避けられず、近隣の治水工事に伴い解体・移築され、現在はビル3階に入口がある。そのためロビーからは直通エレベーターで移動する……のだが、これがまた多数の客を一度に運べる広さの上に内部は漆塗りの如き黒艶塗装に螺鈿の壁画で装飾されているものだから、一瞬それがエレベーターであると理解できず、そういう部屋なのかと思ってしまった。

エレベーターを降りると、まずは「青森ねぶた」が出迎える。
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その後、靴を脱いで中へ。

百段階段

人ふたりがすれ違える程度の幅の木造階段が、ずっと奥へと続いている。

天井には扇絵が。
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左側には明かり取りの窓が、右には座敷への入口が並ぶ。
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まずは左手側唯一の入口を覗くと、現在は使用されていない当時のトイレが見える。無闇に広い……
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十畝の間

トイレの反対側には最初の入口、「十畝(じっぽ)の間」が。ここは青を背景に暖色の光が漏れる、竹あかりの間になっている。
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明かりだけでなく、天井画や欄間などの装飾も楽しみたい。
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漁樵の間

階段を上り、次は「漁樵(ぎょしょう)の間」。ここは長崎ランタンフェスティバルが催されている。
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ここは壁の装飾もよく見える。
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草丘の間

次の座敷は「草丘(そうきゅう)の間」。ここは唐傘と生け花がメイン。傘の方には、光を反射する板が敷かれている。
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静水の間・星光の間

「静水(せいすい)の間」は下の座敷よりも小振りで、大仕掛けの舞台演出ではなく多数の工芸品を展示している。
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静水の間と同じ階、風鈴が吊るされた廊下の奥側は「星光(せいこう)の間」。
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ここの目玉作品はなんといっても「錆和紙」の月ではないだろうか。
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金属粉を混ぜ込んで紙を漉き、それを錆びさせることで風合いを出しているのだそうだ。

清方の間

「清方(きよかた)の間」は格子天井に丸い天井画ではなく、竹を編んだ天井に扇絵だった。
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ここは主に動植物を象った明かりを展示している。
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頂上の間

「頂上(ちょうじょう)の間」、その名が示すように最上階に位置する座敷。本来なら窓からの眺めが楽しめる場所のようだが、今回は室内を暗くするために暗幕で覆われていた。
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雅叙園本館

百段階段を一通り楽しんだら、本館にも足を伸ばそう。
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ここのトイレはなかなか面白い。
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秘密の花園

横浜駅近くにある、バラを中心とした英国風庭園に行ってきた。
www.y-eg.jp
6月中はアジサイフェアと称して中央アーチトンネルに色とりどりのビニール傘やサンキャッチャーを吊り下げていると聞いたので、終わる前にと休暇を取って。
結論から言えば、凄い場所だった。傘はオマケで、花咲く庭園こそが本番である。軽い気持ちで訪れて写真撮りまくること3時間、花のある時期ならどの季節でも満足感が得られるのではないかと思う。

横浜駅から相鉄で一駅、平沼駅から歩いて10分。なんなら横浜駅地下南10番出口、りそな銀行前から1時間に1本の割合で無料送迎バスも出ている。
平日だというのにバスは行列ができており、立ち乗りの出る状況だったので、休日に訪れるならば歩いた方が早いかも知れない。

イングリッシュガーデンは大型住宅展示場の一角にある。造園請負の案内も出ており、つまりはセールスを兼ねてもいるのだろう。

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ゲートハウス前のパラソル&チェア
カフェ・レストラン・売店を兼ねたゲートハウスが入口になっている。ここではバラのソフトクリームやアジサイソーダ(オレンジ味に色とりどりのゼリー入り)などが味わえる。
庭園はバラを中心に構成されており、故に入場料はバラの開花状況により変動する。今の時期は盛りを過ぎているので700円だった。

ローズトンネル

入口からまっすぐ伸びるローズトンネルは、最盛期ならばバラの花で彩られるのだろう。今の時期はビニール傘やサンキャッチャーによって飾られ、それを撮る人たちで賑わっていた。
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花の迷宮

庭園内部は迷路のようになっている。多彩な園芸品種が混植された小径は、わざと見通しにくいように曲がりくねり、背の高い植物によって覆い隠されており、次々に味わいの異なる花々が現れて飽きさせない。
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秘密の花園

草花の陰にはいくつものベンチや東屋が隠されていて、ゆっくりと花を楽しむことができる。
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生き物たち

花の多い場所だけに虫も多い。チョウやハチの姿が多く見られた。
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鳥も飛んでくる。
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アジサイ

この時期に合わせてのことなのか、それとも元々そういう風に植えているのか、園内にはアジサイの花が溢れていた。
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これは「モナ・リザ」という品種。滲んだような差し色が面白い。
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注意点

  • 園内はわりと迷いやすい。曲がりくねって迷路のようであるだけでなく、狭い小径は一方通行指定されている箇所が多く、入口から出ることができないために出口に辿り着くまでに苦労するかもしれない。
  • 周囲が囲まれているためか、園内は風が弱く蒸し暑い。できれば扇ぐものがあると良いかも知れない。狭い小径が多いため、日傘などはやめた方が良い。
  • 撮影は自由だが自撮り棒や三脚は使用できないので注意。またペットについては、バッグなどに入れたままの状態でのみ入園可だそうだ。
  • 街灯はなく、日没を以て閉園だそうだ。今の時期は良いが日の短かい季節は注意。

余談

前日の準備中に突然、SDカードが1枚読み取れなくなってしまった。仕方ないので行きがけに横浜のヨドバシカメラへ寄ったのだが、バスの時刻が迫っており吟味する時間もなかったので、とりあえず8GBを1枚だけ買ったところ、私の倍を撮る妻の使い方ではたちまち容量オーバーになってしまった。
私が今まで容量オーバーしたことがなかったためにイマイチ感覚が掴めていなかったのだが、あとで調べたらRAW+JPGだと1枚あたり30MB前後になるので8GBでは300枚も撮れないのだった。よしわかった次からは最低32GBだ。

円形都市の謎

小説家になろう」発の異世界転生系小説「この素晴らしい世界に祝福を!」「盾の勇者の成り上がり」「賢者の孫」のアニメ作品で、登場する都市の形がそっくりだと話題になった。

「このすば」と「賢者の孫」についてはこれ以前にも「屋敷の外観がそっくり」と話題になっており、要するに同じ資料の使い回しなのだろうと考えられる。両者は美術監督が同一人物であるため、同じ画を元資料にしていても不思議ではない。
animanch.com

しかし「盾の勇者」の場合は少し事情が異なる。この作品は他の2本とはスタッフが共通していないため、同じ資料の融通ということは有り得まい。
もちろん、偶然にも同じ資料を元にしてしまうことは充分考えられる。作画資料として都合の良い、つまり「イメージにぴったりで、著作権的な問題のない」画像がそう多くないのであれば、同じ資料に行き当たってもなんの不思議もない。

ならば、どこかに「元になった街」があるはずだ。それを探してみよう。

円形の都市として名高いのはドイツのネルトリンゲンである。

ほぼ真円形をした防壁を有する中世の古都で、イメージにはぴったりだろう。
しかし一見してわかるように、ネルトリンゲンと上記作品の都市には大きな違いがある:川だ。
ネルトリンゲンは街の中を川が流れていない。

そもそもネルトリンゲンは、隕石クレーターによる天然の防壁を利用して作られた城塞都市である。そのため川を中心にしない形で都市が形成されており、この点でアニメのそれとは地形がまったく異なる。

では、「市街の中心を川が流れている古都」はあるだろうか。
すぐに思い付くのはテムズ川を擁するロンドン、セーヌ川の流れるパリ、モスクワ川流域のモスクワ、ドナウ川が貫くウィーン、ライン川に囲まれたケルンなどだ。水利は農業的にも運輸的にも重要な要素であったから古い都市が川沿いに築かれることは珍しいことではなく、候補はいくらもある。
が、その中で「円形の城壁を持つ都市」となると、ぐっと絞られてくる。

都市の形成には、「住みやすい場所に家が増えてゆき都市になってから防壁を構築する」場合と「都市を作りやすい場所を選んで計画的に構築する」場合とがある。
自然形成された都市の場合、地形に沿って野放図に拡がるため、市街域の形状は様々だ。川を含む都市の場合、そこが主要な輸送経路になることが多く、川に沿って居住区が伸びてゆく。
逆に計画的な都市形成の場合は、可能な限り整然と区画が構築され、街路も防壁も幾何学的に整理されがちだ。そういった都市では計画の妨げとなる河川を避けて平野に構築することが多い。あるいは川を天然の防御として用いる場合もあるが、その場合は岸に沿って防壁を形成するのが通例である。

もちろん、川を挟んで円形に拡がる都市が存在しないわけではない。たとえばモスクワやパリなどは、かつては比較的円に近い形状だったことが伺われる。
http://historic-cities.huji.ac.il/russia/moscow/maps/gottfried_1695_b.jpg
http://www.vidiani.com/maps/maps_of_europe/maps_of_france/paris/large_detailed_old_map_of_paris_city_1932.jpg

しかしそれらの都市は川の流れが明らかに一致しない。とりわけ「中心部が川の蛇行部に包み込まれるように形成されている」こと、また防壁の外では河川が大きな蛇行を見せていないことは特徴的で、主要都市ではそういった地形がアニメのそれと一致しない。

結局、様々に手を尽くしてモデルとなった都市の特定に努めたが、絞り込めないどころか可能性のある場所を見出すことさえ叶わなかった。
こうなってくると、可能性としては

  1. 専門のライブラリにでも当たればすぐに出てくるが、ネット検索では引っ掛からない情報
  2. 上述の都市をモデルにしているが改変を加えているためそのまま重なるわけではない
  3. アニメオリジナルの都市であってモデルとなった画像はなく、他作品がそれを剽窃している

のいずれか、ということになってきそうだ。
しかし2は「異なる作品で形状が完全に重なる」ことから否定される。独自の改変を加えて仕上げた結果であるならば、モデルとなった都市が同一であっても改変の違いにより全く異なった様相を生じるはずで、これほどに一致することは有り得ない。
3については、流石に他社作品をそれと知りつつ下敷きにすることは有り得まい。制作側がそこまで意識低いとは考えにくいし、たとえそうだとすれば放映時点ですぐにでも発覚して何らかの声明があるはずだ。
ということでまあ順当に1なのだろうが、だとすれば元画像は一体どれなのか。謎は何一つ解けぬままだ。

海獣の子供

色々な意味で「大変な映画」である。
https://www.kaijunokodomo.comwww.kaijunokodomo.com

原作者の五十嵐大介は、圧倒的な描写力の画風とスピリチュアルな世界観で知られる。その画風をそのままに動画に起こす試みについては、Studio 4℃の技術力が見事にそれを成し遂げた。まずはそのヴィジュアルに翻弄されよう。
俳優の演技も自然で、「誰が声を当てているか」という余計なことを思い起こさずにすっと耳を通る。
エンディングテーマを歌う米津玄師は原作のファンで、自ら売り込んだというだけあって見事に原作を踏まえた歌詞を乗せた。

あらゆる点で一流の仕事によって作られたこの映画の中でたった一つの、そして致命的な欠点が「脚本」である。

元々がコミックスにして5冊分の分量がある物語だから削ぎ落とさざるを得ない部分は出てくるし、一筋縄では行かない物語を噛み砕いて再構築する必要があるのは致し方ない。しかし作品の核を見誤ったままにそれをやると、落としてはいけない箇所を落とし、砕いてはいけないものを砕き、結果として元の形がなくなってしまう。
海獣の子供」は、正にそれをやってしまったのだ。

表面的には、素晴らしい技術に支えられて原作の形を見事に写し取ったように見える。実際、その迫力は素晴らしく、それだけに「なにか凄いものを見た」感動を覚え、傑作を見たような錯覚に陥る。しかしその内実は単なるハリボテであり、なまじ表面加工の技法に凝っているが故に名品に見えはするが、その中心には何もない。
賛否いずれの感想も口を揃えて「わからなかった」と言う。それは決して「難解な物語だから理解に時間がかかる」のではなく、単に「理解すべき内容がない」だけだ。逆に、これだけ中身のないものを、演出のみで何らかの感動を励起するまでに高めてみせた(脚本以外の)技術には敬意を表したい。

(以下、多少のネタバレを含む)

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