目黒雅叙園といえば戦前から存在する高級料亭であり日本で最初の総合結婚式場でありホテルでもある、ええとつまり「高いところ」ぐらいの認識しかなかったわけだが、そんな場所で「和のあかり」というイルミネーションイベントを開催していると聞いて、カメラを持って遊びに行ってきた。
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JR目黒駅東口から急坂である行人坂を下り切ると、その左手にあるロータリーがもう目黒雅叙園の入口だ。
ギャラリーホール
ロビーを入ってすぐ左に百段階段見学の受付がある。ここでチケットを購入しても良いが、予め前売券を購入しておくと300円ばかり安くなる。
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なお、日・火・木曜日限定で17-18時に20人限定の撮影し放題プランがあり、他の客に邪魔されず存分に撮影できる……が、これに申し込むならば事前に一度通常コースで訪れて「ロケテ」を済ませておくことをおすすめしたい。
階段へのエレベーター
「百段階段」というのは、創業当時に建てられた木造の座敷棟群を結ぶ長階段のことだ。折り返すことなく直線的に続く階段に、七つの座敷が連なっている。
流石に90年ばかり昔の木造高層建築ともなると老朽化は避けられず、近隣の治水工事に伴い解体・移築され、現在はビル3階に入口がある。そのためロビーからは直通エレベーターで移動する……のだが、これがまた多数の客を一度に運べる広さの上に内部は漆塗りの如き黒艶塗装に螺鈿の壁画で装飾されているものだから、一瞬それがエレベーターであると理解できず、そういう部屋なのかと思ってしまった。
エレベーターを降りると、まずは「青森ねぶた」が出迎える。
その後、靴を脱いで中へ。
百段階段
人ふたりがすれ違える程度の幅の木造階段が、ずっと奥へと続いている。
天井には扇絵が。
左側には明かり取りの窓が、右には座敷への入口が並ぶ。
まずは左手側唯一の入口を覗くと、現在は使用されていない当時のトイレが見える。無闇に広い……
十畝の間
トイレの反対側には最初の入口、「十畝(じっぽ)の間」が。ここは青を背景に暖色の光が漏れる、竹あかりの間になっている。
明かりだけでなく、天井画や欄間などの装飾も楽しみたい。
草丘の間
次の座敷は「草丘(そうきゅう)の間」。ここは唐傘と生け花がメイン。傘の方には、光を反射する板が敷かれている。
静水の間・星光の間
「静水(せいすい)の間」は下の座敷よりも小振りで、大仕掛けの舞台演出ではなく多数の工芸品を展示している。
静水の間と同じ階、風鈴が吊るされた廊下の奥側は「星光(せいこう)の間」。
ここの目玉作品はなんといっても「錆和紙」の月ではないだろうか。
金属粉を混ぜ込んで紙を漉き、それを錆びさせることで風合いを出しているのだそうだ。
清方の間
「清方(きよかた)の間」は格子天井に丸い天井画ではなく、竹を編んだ天井に扇絵だった。
ここは主に動植物を象った明かりを展示している。
頂上の間
「頂上(ちょうじょう)の間」、その名が示すように最上階に位置する座敷。本来なら窓からの眺めが楽しめる場所のようだが、今回は室内を暗くするために暗幕で覆われていた。