ウシャンカ雑感

スキー用に、ウシャンカを入手しておいた。
陸軍兵用防寒帽 ソビエト時代兵用帽章付 GRAY ミリタリーショップ 革ジャン 中田商店
ロシアの、左右に毛皮の耳当てが付いている帽子だ。不要な時は上に跳ね上げておき、耳を守る時は引き下げる。

スキーというのはだいたい氷点下の気温の中、しばしば雪の降っている時に行なう。時速数十km程度の速度で滑ってゆくと、全身に冷気と氷の粒が当たることになる。とりわけ末端の冷えは著しい。
そういうわけで耳当てが欲しくなるが、動くし転びもするスキーの最中に、ただ両端から押さえて止めるだけの耳当てというのは些か心許ない。
そこで極北の民も愛用する防寒帽、それも実用性に於いて定評のある軍制品ならば、と考えたわけだが。

ウシャンカの耳あてというのは顔に対して垂直である。後方はぐるりと繋がっており、引き下げた時はこれが首も守ってくれるのだが、さて耳の方はというと。
垂直に下りた耳当ての下端中央に紐がある。これは無論、跳ね上げた耳当てを頂上で結び固定しておくものであると同時に下げた時には顎の下で結んで密着性を高めて……と思ったのだが、これをやると下端が前側に引っ張られることで垂直だった耳当ての前方が開き、保温性を下げてしまう結果に……
もしかしたら現地では別の方法で耳当てを押さえ込むと同時に口元あたりを保護する使い方をするのかも知れないが、さしあたって手元にはそのための道具がない。

というわけで結んだ紐を顎の下にかけず、首の後ろに回してみることにした。すると前今度は逆に前が閉じ後ろが開く感じになるのだが、その後ろ側はぐるりと首を覆うように繋がっているので耳の後ろが露出するようなこともなく、快適な保温状態に。

ところでこのウシャンカ、かなり目深である。普通に垂直に被ると前方ファー部分の下端がちょうど目の真上ぐらいまで来るので、温かいけど視界が悪い。もうちょっと斜めに被れるといいのだが、どうしてもずれてくる。
これは頭のサイズがロシア軍標準に合ってないということなのか、それとも中になんか詰め物でもした方がいいのか。どうなんだろう。

ともあれ保温性能は上々であった。体格に比して頭がデカく見えること以外はなかなか良好。