暫く遊んでみると、だんだんバランスが見えてくる。
カードセットによる違いもあろうから他のを混ぜた時のバランスはよく解らないが、ブラック&ホワイトに限れば、
- たねポケモンの平均的HPは60前後
- 1進化は80〜90、2進化で130〜150ぐらい
- たねポケモンのわざは(無)で10ダメージ、(色)で10ダメージ+追加効果、(色)(無)で20ダメージぐらい
- 1進化だとダメージ+10ぐらい、2進化では+20〜
最初のターンでできることはたねポケモンにエネルギーカード1枚を付けることだけなので、大体10ダメージしか与えられない。この点では無1ながら期待値15ダメージのミネズミ「ひっさつまえば」や同じく無1で期待値20ダメージのタブンネ「パワフルビンタ」が強い。ただしコイントス技だけにリスキーではある。
また、コイントス技で最低ダメージ量が0のものはリスキーだけに威力が高目で、運次第では戦況を覆し得る。例えばタブンネのパワフルビンタは「付けたエネルギーカード数だけコイントスして表×40ダメージ」という大技であるので、5枚も付けて送り出せば2進化ポケモンと雖も一撃必殺の威力がある。
さて、ポケモンカードゲームの要点は「相手のポケモン3匹を素早く気絶させる」ことであるので、「何回攻撃したら気絶するか」が重要なポイントになる。たねポケモン同士では1エネ技の10ダメージでは6回程度の攻撃を必要とするため効率が悪い。しかし同じ1エネ技でも1進化では20ダメージとなり3回で気絶に追い込めるし、自身も80〜100程度のHPを持つため気絶しにくい。従って、序盤に投入するポケモンは「すぐに1進化できるもの>エネルギー2枚技まで拡張できるもの>それ以外」ということになろうかと思う。
以上を踏まえて、ごく大雑把なカードの強さ把握に関する指標を立ててみた。
- HP+(わざダメージ/エネルギーコスト)/進化段階+耐性のある場合20-にげるエネルギー×10
例えばはじめてセットの基本ポケモン3種の強さを比較すると、
となり、ほぼ遜色ない。進化1では
- ジャノビー
- HP80、(無)20コイントスで麻痺効果+(無)(草)30、水耐性=94.67
- チャオブー
- HP100、(無)エネルギー1枚追加(30相当)+(無)(火)(火)50=95
- フタチマル
- HP90、(無)(無)30+(無)(水)(水)50=78.3
と、唯一エネルギーカードを2枚要するフタチマルがやや不利の感。進化2では
- ジャローダ
- HP130、(無)(無)40+(草)(草)60&20回復、水抵抗=88.34
- エンブオー
- HP150、(無)(無)(火)50+(無)(無)(火)(火)150-(火)2.5トラッシュ相当=89.65
- ダイケンキ
- HP140、(無)(無)30&ベンチ30+(無)(水)(水)80=95
となり、逆にダイケンキが頭一つ飛び出る。
とはいえ、実際には弱点との相性もあるし、エンブオーのように極端なダメージを叩き出せる大技を備えたポケモンはいざという時に強いのも事実なので、単純にこの指標だけで判断できるものではない。
そもそもが指針は私の独断によるものなので妥当でない面もあろうかと思うが、少なくともメイン3ポケモンの進化系をざっと見積った限りではバランスが取れているようなので、大きく計算が狂うということもないかと思う。
さて、それではカードリストから強そうなポケモンを選んで強さ指標を計算してみよう。
例えばレシラム・ゼクロム。
- レシラム
- たねポケモン、HP130、(無)(無)20+α、(無)(火)(火)120-2.5トラッシュ=147.5
- ゼクロム
- たねポケモン、HP130、(無)(無)20+α、(無)(火)(火)120-40=150
この二つは反則といって良い強さである。耐性があり、かつ弱点を突けるポケモンでもない限りはまず敵わないだろう。
あるいはたねポケモンでもHPの高いバッフロンやタブンネ。
これらの指標上の強さは主にたねポケモンであることに依存しているが、そもそもがたねポケモンは手札にあればすぐ出せること自体に大きなアドヴァンテージがあるので、実際にこれらのカードは高い汎用性を発揮することだろう。逆にエンブオーのような2進化ポケモンは技自体の効果が強力であっても、必ずしも活躍を期待できない。
こうしたことを念頭に置いてカードを選定してみると、ある程度の強さが見えてくるのではないかと思う。勿論これらは単体での評価に過ぎず、カードの複合的な機能性を勘案していないから、それだけでデッキの強さが決まるわけではないが。