iPodは修理しません

コールセンタの対応が随分酷い。まあそれ自体は前から指摘されていたことだ。アップル日本法人のコールセンタは外部委託なのだが、この質が非常に悪い。ブランドイメージに直結する部分なので早急に改善すべきだとは思うが、長年維持されているのは多分、日本法人と米国本社の違いなども影響しているのだろうと思う。


このページでは、修理ではなく交換という点にかなり拘っているようだが、現実問題として最近の小型精密機器のうち、部品交換による修理を行なう例というのはかなり稀だ。携帯電話などでも本体全交換になるのが一般的。だから、これ自体に問題はない。
無論交換によってデータは一切失われるわけだが、そもそもiPodiTunesのデータと同期する設計であって単体完結するようにできていないので、例えば「iPodに移してiTunesから消したデータが失われた」というのは想定外の使われ方であり、保証の範囲ではない。
また、過失によるものか機器の不良かを厳密に判別することは困難であり、誤認が生じることは止むを得ない。ただまあ、それならそれで疑わしい場合にもユーザの申告を信用するという方針で運営して欲しいとは思う。ユーザにフレンドリーに接しておいた方が、結局は得をすることになると思うのだが。


ところで米アップルは日本各地に(アップル日本法人とは別ラインの)直営店を持っている。全国47都道府県に展開というわけにも行かないからすべてのユーザが等しく利用機会を得るわけではないものの、関東、中部、近畿、九州、東北、北海道と主要エリアをカヴァできる程度には存在しているので、ちょっと無理すれば訪れられない距離でもなかろう。
直営店にはGenius Barという、専門家によるアドヴァイスが受けられるコーナーが用意してあって、ここで相談すると大抵の不具合はその場で対処、時間を要する再インストールや部品交換の必要なハードウェアトラブルでは預り修理となるが、その場合にも適切な診断の上で修理センタに指示が行くので、まず変な扱いを受けることはないし、場合によってはGeniusu自らユーザにとって最適な取り扱いを提案してくれることもある(私は、これで保証期限切れのiPodの不具合を「バッテリ交換」の名目で安く本体交換して貰った。無論これはイレギュラーな扱いで、いつでもそのように対処してくれるわけではないだろう-----私の場合は明らかに個体の固有不具合として妙な現象が発生していて直らなかったことに対する提案だったので)。
だから、これからアップルに修理を依頼しようとしている人、過去に日本アップルのコールセンタに電話して腹を立てた記憶のある人は、是非一度直営店に足を運んで欲しい。随分と印象が変わる筈だから。