ミニヴェロ、実は高級品

自転車の華と言えば速さを追求したロードバイクだろう。最新素材で軽く作られたフレーム、不要な部品を削ぎ落とした構成。レースのために存在し、脚光を浴びる自転車と言える。
対してミニヴェロは高速走行には不向きで直進安定性も低い小径タイヤの自転車で、走行用としては不要な折り畳み構造を有したり、逆にレース向きじゃないのにロードバイク風の構成に作られたりと遊び的要素が強い。
そう見るとオモチャみたいに思えるが、その実ロードバイクに負けず劣らずの高性能部品で固められていたりするのだ。

多段の変速機

ミニヴェロはタイヤが小さいので、タイヤ1回転あたりの移動距離が短かい。普通の自転車と同じように作ってしまうと、全然進まない自転車になってしまう。そのため、フロントギアに歯数の多いものを、リアに歯数の少ないものを装備してクランク1回転あたりの移動距離を稼ぐことになる。
ハイスピードなギアだけでは漕ぎ出し難いからローギアも必要になる。どうせ装備するなら段数を多くしても設計に大差ない。だからミニヴェロは、大抵が6段以上の変速機を持っている。特にロードタイプなものだと30段近いギア数になったりする。

サスペンション

タイヤが小さいということは、相対的に段差が大きくなるということ。だからミニヴェロにはMTB並みのサスペンションを備えたものが多い。ハードな不整地を走るわけではなくても、ミニヴェロにとっては街中がちょっとしたオフロードだ。

軽量フレーム

ミニヴェロ、とりわけフォールディングバイクは基本的に輪行(自転車を持って移動すること)のためにある。階段の上り下りなども考慮せねばならないから、持ったときの苦痛を柔らげるためにできるだけ軽く設計される。
構造的に折り畳み機構の分だけ重量が増加してしまうし、カーボンモノコックフレームなどはヒンジを成形できないため利用できず、どうしてもロードバイクのように軽くはできないけれど、それでも10kg程度に収まっているというのはある意味で普通の自転車よりよほど軽量化への努力が払われていると言えるだろう。
実際、高価いものだとフレームだけでも100万ぐらいするようなものもあったり。


と、「高価いだけのことはあるんだよ!」とMiniVelo9買ったことを弁明しておく。と言いながらサスペンションもないし折り畳みでもない車種だけど。