声のイメージ

電話でしかやりとりしたことのない人に、意識の上で外見イメージを当て嵌めていることがある。
なんとなく30代半ばぐらいの地味な眼鏡顔を想像していた営業担当者は、会ってみたら背が高く日焼けした青年だった。
まだお会いしていない係長はイメージのなかでは背が低く人懐っこい笑い顔の、髪の短かい40前ぐらいの人なのだが、実際の姿とは多分乖離があるのだろう。
こういうイメージがどこから湧き出てくるのかは良く判らない。恐らくは声や話し方のイメージから、似たタイプの記憶が引き出されているのではないかと思う。それは知り合いだったり、俳優だったり、あるいはそうした情報のミックスだったりするのかも知れないが、明確な心当たりはない。


ネット上での知り合いに、そうしたイメージを当て嵌めることはあまりない。文体からではイメージが湧かない、というよりも同じような文体の人物というものが想定されないからだろう。
もっとも、年齢や性別についてイメージを抱くことはままある。私はしばしば老齢の男性であるように思われていたし、ずっと男性だと思っていた人が女性であったことに驚かされたこともあった。
そう言えば誰かが、想像だけではてなダイアラーを描くという試みを行なっていなかったっけ。