エンタテイメントかドキュメンタリか

某所でオーパーツについて「宇宙人がもたらしたもの」だの「古代の超科学による産物」だのと荒唐無稽な反応があまりに強くげんなりしたのでちょっとばかり検証して見せたのだが、「夢を壊すな」的反応しか得られなかった。そんな安っぽい夢で満足してしまうのか。そりゃハリウッド映画で全米が泣くわけだ。


オーパーツの類を取り上げるに、スタンスは概ねドキュメンタリかエンタテイメントに分けられるだろう。両者の違いは、要するに軸足を「事実」に置くか「面白さ」に置くかだ。
事実としてオーパーツを取り上げるならば、付帯情報に含まれる嘘はきちんと検証の上除外、または「こんな嘘も流布されている」というスタンスで扱うことになるだろう。その上で結論として「不明点が多い」あるいはもう少し想像を逞しくして「古代に優れた技術が」といった話になるかも知れないが、いずれにせよ安易に宇宙人や超文明に結び付けるようなことはない。
面白さのネタとして扱うならば、勿論どんな荒唐無稽なことでも構わない。とは言え、安直な扱いはネタの質を下げるだけだ。
嘘というのは周囲を事実で固め、その隙間に押し込んでこそ最大の効果を発揮する。ほとんど真実であるからこその信憑性、どこまでが本当でどこからが嘘か判らなくなる幻惑性。それが巧い嘘というものだ。
良質のエンタテイメントであらんとすれば、やはり事実の検証を行ない、まったくのガセは篩い落とす必要がある。


つまるところ、どちらのスタンスからも宇宙人説や超文明説は排斥されるべきなのだが、実際には安直派が多数を占めるようで大変居心地が悪い。