サイト乗っ取り厨

そういう事例があるとは聞いていたが、これほどとは……これは押し掛け厨と並ぶ新たなる恐怖。
なんというか「自分のサイトって言っちゃったので譲って下さい」ならまだ可愛げがある(それでも充分に厨だが)ところを「貰ってあげます」というのがまず凄い。自分の一方的な都合、それも嘘の上塗りだというのに、何故か本人は善意のつもりでいるという。

基本的なパターンは「気に入ったサイトを自分のものだと周囲に言ってしまったので、辻褄を合わせるためにも本当に自分のものにしたい」(サイト以外に同人活動の名義など変種あり)だが、しばしば無自覚に事実と異なる部分を脳内補完し、そのうち逆に自分の方が騙られた被害者と思い込むようにさえなる。
知人の同人名義乗っ取り事例では同人名義乗っ取りによる転売厨を追い詰め、事態の収集に成功したかに思えたが……
押し掛け厨の例にもあったが、脳内補完を破壊された厨は本当に何をしでかすか判らないので注意。


ところでここの情報源となったサイト乗っ取り厨が狙うものでは乗っ取りをコミュニケーション価値の簒奪と見ているが、それはちょっと違うような気がした。
彼らはむしろ、自分が憧れた本人に成り代わりたいようだ。常人ならここで「○○さんみたいな凄いのが作れるようになりたい」という方向に向くものが、厨の場合は何故か「○○さんのようになりたい」→「○○さんになりたい」→「自分は○○だ」という方向に脳内補完が働く。
当然ながら自分が本当に○○ではない以上、本物の○○の行動によって厨自身の補完に無理が生じるのだが、これは厨にとってはある種乖離性同一性障害にも似た状態であり、アイデンティティ崩壊の危機である。そして、唯一それを解消する手段は○○との完全な合一、即ち○○の死。


いや、どちらかというとそこまで逝ってしまう例の方が少数だろうか?上記の例でも結局は乗っ取り対象本人に成り代わることよりもその知り合いとの関係性を欲していたようだし、確かに人間関係hackのための工作という面が少なくないのかも知れない。無論、それで巧く行くと思っているのは厨のみで、実際のところすぐに破綻してしまうのは目に見えているのだが。


そう言えば、まだはてなダイアリーがベータテストしていた頃、キーワードの分類が国語的に正しくないといってルール改正を狙っていたstanimura氏もある意味で「副管理人的立場を狙っていた乗っ取り厨」と言えなくもないな。もっともその目的は乗っ取りそのもの(というか、主観に基づくキーワードシステムの改変を可能とする権力)だったのであってコミュニケーション価値は全く眼中になさそうではあったが。