選挙に集合知を

(2)はてなブックマークは(市民)参加型ジャーナリズムである - ぶろしきより、本当はこの文は市民参加型ジャーナリズムについて論じたものなのだけれど、その中に大変気になる一文があったので引用。

《ランキングはみんなのために》

いわゆるランキングというものはそれに参加したからといって一票を投じたからといってそれが即自分のためになるわけではない。それが集計された結果からは何に人気があるのかという重要な情報が分かるので恩恵を受ける事になるのだけどそれは別に参加しなくても得られる。
要は割合が決まればいいので一定数集まれば統計的に正確な数字が出る。この数は集まれば集まるほど誤差は少なくなるのだけど、同時に「自分が一票を投じることの影響力」もどんどん減っていく事になるわけなので「自分のため」からもどんどん離れていくことになってしまう。
結果それに参加する人というのは「みんなのため」というのをきっちり認識しかつそれに積極的に貢献しようとするような意識の高さ、が求められる事になるので、要するにランキングとは「1人はみんなのために、みんなは1人のために」という思想に基づいているものだと考えられるのである。

この後の部分でid:santaro_y氏も触れているけれど、選挙はランキング投票制を採っているので、上記の「自分が一票を投じることの影響力」もどんどん減っていくという問題点を抱えることになる。
日本人(に限らないと思うが)が選挙に無関心で投票率が低いというのは、ひとつに「誰がやっても対して変わらない」という印象があるのだと考えられるけれど、もう一つの理由がこの「自分の一票の影響力が非常に低い」という点にあるのは間違いのないところだ。
つまり投票行為に意味を見出せなくなっているから、投票率が低迷する。本来の政治のあり方からすれば、凡そ50%もの国民がどの政党/候補者に対しても支持を行わないという状態そのものが異常だと思うのだが。


で、関心を持たせるのに政治家を変えるというのはちょっと難しい話なので、選挙のシステムを変えて有権者が投票に関心を抱く形にするのが良いのではないかと考えた。そのようにして投票率が高まれば、結果的に政治家も変わらざるを得ないんじゃないだろうか。


先に政党/政治家ではなく法案に投票したいというようなことを書いたが、もう一歩進めて投票ではなく有権者が個々に関心を持った法案をクリップするというのはどうか。
例えば、ある種の国民用ブログのようなものを用意、個々の有権者が自由に法案について発言できる。それはまたl国民用SBMにより多数の人々にクリップされ、或いは他のブログからトラックバックされ、波及する。
どの法案に付いてクリップされているのか/トラックバックされているのかは埋め込みデータから認識されて集計されて行く。
必ずしも好意的に発言/クリップが行われるとは限らないから、賛成意見か反対意見かをユーザーが選べる必要があるかも知れない。
内容を偽って無関係な法案に票を集めることが可能になるとまずいので、どの法案についての発言かは明記される仕組みで。
投票代わりに行われる以上、匿名では一人複数回の投票が行われかねないので、住基ネットと連動して個人を特定できる状態で処理する。しかし発言やクリップ自体は表面的に匿名の状態で処理され、現実世界での発言力を住基ネット上に持ち込むことはできないようにする。
このように、有権者が個々に自分の関心のみに基づき行動する結果が全体の意見として集約されるようになると、現行の政治システムよりも意見が反映できるようになるのではないかと思うのだが。


この案では全面的にインターネット越しでのアクセスを前提としているので、インターネットのない環境をどうするのかという問題も出てくるが、(1)地上波デジタル放送の双方向性を利用してなんとか(2)役場などに専用端末を用意、といった方法でなんとか対処できないだろうか。


と再び妄想してみた。