新鮮な悲鳴を求めて初心者による配信動画をいくつか見ていたのだが、基礎的な戦術素養がなく序盤から苦戦しているのを見てこちらが悲鳴を上げてしまった。
もちろん初心者なのだから解らないことが多いのは当然なのだが、数十戦を経ても一向に上達の気配がない。プレイヤーとしての適性問題もあるだろうが、システム理解のためにはメインシナリオ進行中に適宜挟まれるチュートリアルだけではぜんぜん足りないというか、言われた通りに置いてみるだけでは機能が把握しきれず、以後のステージ構成に合わせてアレンジするまでに至らないというか。
もうちょっと初心者向けに戦術面の解説が必要な気がして、少し書いてみた。
戦術編
各オペレータをどのように配置すれば良いかを解説する。
1:先鋒は序盤戦力
アークナイツの基本は、敵をゴールに到達させないことである。十分な火力が用意できるならば移動中に撃破することも可能だろうが、それよりは敵の進路をオペレータで塞ぎ、移動をブロックして撃破する方が確実だ。
とりわけ序盤に出てくる、火力や耐久は低いが移動力の早い敵をブロックするためには、配置コストの安い地上オペレータが必要になる。
配置コストの安い先鋒職は、まさにそのために存在する職分である。中でも同時ブロック数2を持ち、定期的に使用可能コストを増やしてくれる先駆兵は、序盤戦に必須の戦力といえる。
反面、ブロック数も最大2までで攻撃力・防御力も全般に低いため、中盤以降を支えるには力不足が否めない。先鋒の役割はあくまで序盤の抑えと割り切って、コストが揃い次第順次前衛や重装に置き換えてゆくべし。
2:重装+医療+援護射撃の隊列を徹底して
敵の進行を食い止めるためには、敵を足止めするブロック担当が必要だ。特に、ブロック数が多く防御力・耐久力ともに高い重装は、前線を支える役割に適任といえる。
ただ、ブロック数が多いということは、多数の敵からの攻撃を一身に受けるということでもある。いかに頑健な重装といえども、そのままでは徐々にすり潰されてしまうので、医療で支える必要がある。
また、重装は一般的に火力が低く、敵を減らすのを不得手とする傾向がある。いくらブロック数が多いとはいっても、頭数を減らせなければいずれは敵の数が上限を超えて、ブロックをすり抜けられてしまう。そのため、重装より前のエリアになんらかの火力オペレータの攻撃範囲を重ねて、撃破を支援しよう。
また、チュートリアルでもやったように、アークナイツでは基本的に「配置した順序が新しいオペレータから先に狙われる」。そのため、重装→医療/狙撃などの順で置いてしまうと、敵の攻撃が防御力の低い医療などの方に集中してしまい、そこから戦線が崩壊することも少なくない。重装は可能な限り最後に配置して、囮役を担わせることを意識しよう。
3:攻撃範囲を重ねる
オペレータ一人あたりの攻撃力には限界があり、硬い敵などはなかなか倒し切れない。効率良く敵の数を減らすためには、複数オペレータの攻撃範囲を1箇所に重複させることで敵に多くの火力を叩き付ける必要がある。
攻撃範囲が前方1マスしかない前衛職の場合は、敵進路に正対するブロック役の斜め前から横向きに置くことで進路上に攻撃範囲を重ねることができる。あるいはブロック役の後方に狙撃や術師を置くのも良い。
火力を重ねた「キルゾーン」に敵が長く止まるよう、必ずブロック役でルート終端を塞ぐこと。
4:少人数での防衛線構築を意識する
各ステージにはそれぞれ配置数の上限が定められており、また複数のルートから敵が攻めてくる。そのため、1箇所の防衛にオペレータを割きすぎると他のルートが防衛し切れなくなってしまうので、なるべく少数のオペレータで効率よく防衛する必要がある。
敵の進行ルートをよく見て、通行可能な場所が幅1マスに狭まる箇所を探そう。そこをブロックできれば、一人で多くの敵を食い止めることができる。
敵の出現ポイントが複数あっても、ゴールまでのどこかでルートが合流している場合、そこから後ろを防衛すると効率が良い。
オペレータの中には、回復スキルを持った重装、対空攻撃できる前衛など一人で複数の役割をこなすことのできる者もいる。うまく活用できれば配備オペレータ数を減らすことも可能だ。
障害物を配置可能なステージでは、複数方向から攻められないようルートを塞いで侵攻方向を絞ることで戦力を集中させる。また可能な限り迂回を強いて時間を稼ぎたい。
地形に「穴」があるステージでは、ブロック担当+強制移動担当の2人でそのルートを完封できる場合がある。うまく利用しよう。
編成編
攻略のための編成、および編成のための育成について。
1:高レアを過信するな
アークナイツでは高レアほど最大Lvが高く、そのぶんステータスも高めになる。また高レアは複数のスキルを持ち、強力な効果も多いため、たしかに強い。
ただ、それはあくまで育ち切った高レアの話だ。育成できていない状態では高レアといえども低レアと大差なく、しかし育成コストは同じレベルでも低レアより高い。そのため高レアを重用しようとするとリソースが足りなくなり、戦力が揃わないことになる。
特に星6は全般に大器晩成傾向が強く、必ずしも即戦力にならない場合がある。ある程度シナリオ攻略を進めて素材集めの体制を整え、最低でも昇進1まで育ててから使うのが適切だろう。
まずは星3全員の最大昇進を目指すのが先決。アークナイツでは高レアほど配置コストも高いので低レアにも少なからず活躍機会が得られ、育成コストは決して無駄にはならない。
2:高レアに頼りすぎるな
アークナイツでは、自分が所有して/育てていなくてもフレンドから高レアオペレータを借りて使うことができる。自身のレベルに応じて借りられるサポートキャラのレベルには制限がかかるものの、それでも自前のオペレータより育った状態で使うことができる。
強いオペレータが一体加わるだけでも攻略がかなり楽になるので、どうしても突破できないところで足りない戦力を補うのに頼るのは悪いことではない。が、過剰戦力による突破に頼り切ってしまうと戦術的な工夫が衰えるので、せめて基本的なテクニックを身につけるまでは使用を控えた方が良い。
またサポートを借りた戦闘は自動戦闘に切り替えることができないので、のちのち素材集めの周回などを考慮すると自力での⭐︎3クリアを目指すべきだろう。
3:各オペレータの特性を把握せよ
オペレータは職分に応じた特性があり、使いどころが異なる。能力を正しく把握せずに使用すると性能を十全に発揮できず、無駄に手駒を失って苦戦することになる。まずは新規に加入したオペレータのステータスや特性、スキル性能などに一通り目を通そう。
残念ながらゲーム中での説明文には些か不足の感があり、それだけで性能を理解するのは難しい。実地で使って試すのも良いが、育成に多大なコストのかかるアークナイツでは育てないとわからない能力を試行するための労力も馬鹿にならない。
幸い、充実した攻略Wikiが存在するほか、性能解説動画なども多数公開されているので、気になるオペレータはそれらに目を通し能力を把握しておこう。
4:対空への備えを忘れずに
少なからぬステージで、飛行型の敵が登場する。これらは地上オペレータによるブロックができないばかりか、ほとんどのオペレータでは攻撃を当てることすらできない。
術師など遠距離攻撃可能なオペレータならば飛行型の敵を攻撃できるが、ブロックによって動きを止めることができない以上は攻撃範囲内を移動中に倒し切るしかなく、他のユニットにターゲットしていると逃してしまうことも少なくない。
速射手は飛行型の敵を優先して攻撃する特性を持ち、対空要員としての適性が高い。必ず一人は部隊に配備しておきたい。
5:要注意職分について
いくつかの職分は能力特性に先鋭的な部分があり、使い所を誤ると作戦が失敗しやすい。
旗手(先鋒)
旗手は先鋒の中でもコスト回復能力に優れ、序盤から重い高性能オペレータを出すために活躍する。しかし旗手自身の能力は他オペレータに比して低めであり、スキル使用中はブロックも攻撃もできなくなるため、他の先鋒のように考えて運用すると失敗する。
最序盤のブロックを担うこともあるが、基本的には安全圏に置いてコスト回復のみに専念させるのが適切な運用方法と心得たい。
また先駆兵と異なりスキルは手動発動であるので、前線の防衛と同時に旗手のスキルゲージも注視しておく必要がある。慣れないうちは採用しない方が賢明かもしれない。
武者、鎌撃士(前衛)、破壊者(重装)
攻撃に伴う自己回復能力を持つため、医療の範囲外で戦う必要がある場合に活躍する。反面、医療などによる回復の効果を受けられない特性のため、状況次第では支えきれないこともある。特に継続ダメージの発生するステージなどには向かないので注意。
行商人(特殊)
低コストで配置でき、コストの割に高い能力を持つため序盤から活躍させやすいが、3秒ごとに3コストを浪費する特性により、事実上コストが自然回復しなくなるという大きなデメリットがある。
先鋒と組み合わせてコスト回復を補佐するか、急場を凌いだら撤退させるのが適切だろう。