位置情報ゾンビゲー「The Walking Dead:Our World」

タイトルからもわかる通り、ゾンビ・アポカリプスものドラマ「ウォーキング・デッド」世界のサヴァイヴァーとして、地図上に表れるゾンビを狩るゲームである。
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言ってしまえばポケモンGOのゾンビ版みたいなものではあるが、なかなかに工夫されていて面白い。今ほかに位置情報ゲームをやっていなければ、おひとつ如何だろうか。

基本プレイ

基本的には「スタミナを消費して周辺に出現するゾンビを掃討する」だけのゲームである。
ゾンビとの戦闘は「タップした場所に銃弾を撃ち込む」ことでダメージを与える形で、ほかに同行する「ヒーロー」が敵を攻撃してくれる。ヒーローはゾンビに組み付かれると攻撃できなくなりダメージを受け、そのまま放っておくとやられてしまう。また自分自身がゾンビに組み付かれると失敗である。負傷したヒーローは、ダメージに応じて一定時間使用不能になる(回復アイテムによって治すことが可能)。
ミッションを解決すると、何らかのリソースが得られる:ゾンビと戦闘するだけの「エンカウント」では武器やヒーローなどのカード、襲われている人を助ける「救出」ではサバイバーの確保、3回以上の連戦を行なう「大発生」では戦闘ごとにコインが、全戦をクリアするとカードやコイン、アイテムなどを手に入れることができる。サバイバーは各地にあるセーフハウスに連れてゆくと、武器庫からは武器カード、シェルターからはヒーローカード、倉庫からはパークカード、交易所からはコインを得ることができる。
カードを一定数集めることにより、コインを支払ってアップグレードが可能になる。カードには★1〜4(コモン、レア、エピック、レジェンダリー)の4段階のレアリティがあり、同じカードレベルでは高位レアリティのものほど性能が高い(そのぶん入手可能性が低く、またアップグレードコストも高いため育成は困難になる)。
ゾンビだけでなく、ときには人間の襲撃者(レイダー)やアイテムの入った箱も出現する。
レイダーとの戦闘は、ヒーロー4人とチームを組んで行なわれる。遮蔽物の陰から攻撃してくるレイダーを迎撃し、こちらのヒーローが全滅する前に敵を殲滅すれば勝利となる。
箱からは追加スタミナ、および消耗品が補充できる。
建設資材を集めると、セーフハウスを建てることができる(ただし周囲のセーフハウスから一定距離が必要になる)。

出現するゾンビはランダムだが出現位置は固定であることもあって、漫然とプレイしていると行動が単調になりがちだ。それはそれである意味「ゾンビアポカリプスのリアルな日常」ぽくもあるが、ゲームとしてはやはりそれなりの張り合いが欲しいところである。
そのため、定期的にデイリーミッション──「大発生を何回掃討しろ」「何人のサバイバーをセーフハウスに連れてゆけ」など──が出され、行動にちょっとした変化を与える。べつだんクリアしなくてもペナルティなどはないが、報酬が得られるので積極的にこなしてゆきたい。

また、個々人にランダム提示されるデイリーミッションとは別に、所属グループで共有される「エピックシーズンチャレンジ」が存在する。
これは6週間の周期で毎週のチャレンジをクリアしてゆくもので、5x5のビンゴ形式で数々の課題が出される。縦横列を消化すると交点にあるカードパックが得られるほか、全課題のクリア時にも報酬が得られ、次の5x5が表示されてゆく。
1週間以内に3回のチャレンジを全クリアするとティア(階層)が上がり、より難易度の高い/より報酬の良いチャレンジが始まるが、3チャレンジすべてをクリアできなかった場合は次週でまた同じティアをやり直さねばならない。
課題を効率良くこなすためには出現頻度の低いターゲット(たとえば「レア敵をいくつ撃破しろ」など)を共有したり、育成戦力などでの得手不得手に応じて課題を分担したりと効率化を図りたいところだ。
こういった課題には少なからず「この武器で倒せ」「このヒーローで倒せ」などカード指定が含まれるので、レアリティの低いカードにも使いどころが出てくる。
いずれにせよチャレンジのクリアには手数が必要になるため、グループへの所属は必須だ。

後発位置情報ゲームとしての洗練

位置情報ゲームは「現実世界の位置とリンクする」ことに面白さがあるのだが、同時にそれが問題点ともなり得る。
たとえば得点源がランダムな位置に出現する場合、現実世界では到達できない場所に出現してしまうような場合がある。逆に現実世界の位置に沿ってポイントが設定される場合、設定しやすい場所とそうでない場所の差が出てくる(都会では申請者が多いため登録済みポイントも多いが地方では少ない、など)。
また、現実世界でのプレイヤー密度差も問題となり得る。たとえばIngressでは、「都会ではプレイヤーが過密すぎるので自分がプレイした結果がすぐかき消されてしまう」「地方ではプレイヤーが過疎すぎて環境に変化が生じない」といった問題が発生した。すれ違いで地図を交換するドラクエでも、入手機会の差が問題となった。
かといって現実世界とリンクさせないのならば、位置情報ゲームである必要がない。現実世界を取り込みながら、それに振り回されすぎない調整をどうするかは悩ましいところだ。

The Walking Dead:Our Worldの場合、まずゾンビやアイテムの出現位置を「立ち入り可能な場所」に限定。具体的に言えば公道および公共空間からアクセス可能な範囲のみに、自動的に出現する形を取った。これによって都会でも地方でもアクセスすべき地点の密度には差があまり生じない。
出現地点は共通だが、その消化は他プレイヤーと共有されないため、少ないリソースを取り合うようなことにもならない。逆に言えば、その分だけ他プレイヤーとのインタラクションが低くソロゲーム的になりがちではあるが、その点は救出した生存者を連れてゆく(ことでカードやコインなどのリソースを得られる)「セーフハウス」を全員で共有すること、およびグループ内で協力して達成を目指す「チャレンジ」によって補完されている。

現実感

位置情報戦闘ゲームにはありがちだが、AR機能によって現実の光景にゾンビの姿を重ねて戦闘ができるようになっている。夜に人気のない路地裏などでゾンビと戦闘するのはかなりのサバイバル感が得られる。
またセーフハウスは、建設から10日が経過するとレイダーの襲撃を受けて破壊される。このタイムリミットはサバイバーを集めてアップグレードすることで延長可能だが、セーフハウスが大きくなるほどアップグレード困難になり、いつかは破壊されてしまう。「大きくなりすぎた拠点は襲撃者にとって美味しい獲物」ということで、ゲーム的な都合としての環境変動の仕組みと世界設定とが巧く噛み合っている。
一通りの操作説明や基本行動指針こそチュートリアルが示されるものの、「武器/ヒーローごとのゾンビとの相性」などの情報はまったく説明がなく、「自分で試行錯誤しろ」感はむしろゾンビサバイバルの雰囲気を高めている気もする。
詳しく知りたい向きは攻略情報サイトを。
ourworld.gameinfo.io