個人にまつわる様々な情報

はてなダイアリーのコメント欄が非ログイン時にIPアドレスを記録し当該ダイアリーのユーザーが閲覧可能な状態になったことについて色々意見があるようだが。
元々IPアドレスの記録とそれを元にしたコメント拒否機能がユーザーの要望から発生したもの、という点はさておき、重要なのは「IPアドレスは見られて困る情報か」という点である。


IPアドレスとは(一般的な環境では)PCからモデムその他の通信機器を通過して最初にアクセスした(通常ではプロバイダの)アクセスポイントの所在に等しい。非インターネットの情報に例えれば郵便番号、或いは電話番号の下四桁を野沿いいた市内局番までの番号程度のものである。
これによりそのIPアドレスでアクセスした人物の在所がある程度絞り込めはするが、そこから先の特定はプロバイダのアクセス記録と突き合わせねばならず、それは法的権限を持つ者にしか行えないので、一般的には心配する必要はない。


昨今の個人情報保護法に照らし合わせると、このような断片的情報と雖も疎かに扱っては行けないと考えられるが、実は郵便番号や電話番号(の一部)は、それだけでは個人情報とは呼べない。その情報自体は、単体では何ら個人を特定するものではないからだ。
同様にIPアドレスも、個人情報にはあたらない情報であり、それが一部ユーザーに開示されたとしても特に問題とは思えない。


以上、理論的には何ら気にすることのない話なのではあるが、どうもこの手の「個人情報(にまつわるもの)」は感情的な反応を抑え切れないもののようだ。そうしたユーザーに対して理論的説明は殆ど効果を発揮しないものであるので、「IP記録してますけど心配ないですよ」は多分巧く行かないのではないかと思う。
むしろ、元々抑止力を期待してのものでもあるのだし、「匿名発言はIP抜くよ」と脅してしまう位でも良いのかも知れない。


それはそうと、ユーザー設定として「IPを記録しない」設定があると良いとは思う。正確にはサーバー側での記録はされているだろうから、「表示しない」の方が正しいような気もするが、それだと「表示する」に切り替えた時点で過去の記録まで見えてしまうような印象を与えかねない(そして、それでは「記録しない」設定の意味がない)から、ユーザーレベルでは「記録しない」ということで。