勝手にIDとハンドルを使われた経験のある身として、この問題には強い興味を抱いている。
今すぐできるとは限らずとも、OpenIDなどを利用した同一性証明は「確かに自分のものである」ことを第三者に証明して見せる方法として有効である。
ただ、正直なところ同一性の証明ってそんなに必要そうに思えない。あるとすれば住基番号との関連付けとか、その程度の用途じゃなかろうか。今すぐ重要性が認められるようなものでもない。
逆に、同一性の否定は名誉問題に関わってくる。先日は私の名で工口コンテンツが作られ、名誉を毀損するような内容が書かれていた。多分、ここを含めた日常のWeb活動履歴から見てあれを私の仕業と思う人はまず居ないとは思うが、邪推すれば「わざと普段作らないようなものを発表しておいて、口先では否定して無関係に見せる」という見方だってできないわけではない*1。
こういう「実はお前なんじゃないの」疑惑が出たとき、それを否定する方法はない。OpenIDで関連付けられていないからといって、それが「関連付けることができない(=同一人物ではない)」のか「(同一人物だが)わざと関連付けていない」のかを区別する方法はないから。
ともあれ、OpenIDのような認証には期待を寄せている。現状、Webサーヴィスの多くを同一IDで利用しており、Web内に於いてはちょっとした個人名に近いものとして機能しているわけだが(この傾向は、著名であるほど高まるだろう)、結果として実名に近い働きをしているわけで、それに応じた措置というものが必要になってくるのではないかと思っている。
何か具体的なアイディアがあるわけではないが、例えば個人情報登録を行ない本人証明をするサーヴィスと、複数のアカウントが同一人物のものかどうかを調べるサーヴィスを作り、第三者照会からは「同一人物だが具体的個人情報には到達しない」というようなサーヴィスがあれば、と思う。
もっとも、このような仕組みを作るとどうしても「礼状ひとつでWeb上の全活動記録を取られる」といった可能性を否定できないのが悩ましいところだが。両者を完全に分割しp2p的に細分化して中枢で制御できないようなやりかたで実現できないだろうか。
*1:それなら普通まったく無関係なIDにするとは思うが、それはひとまず措いておく