シートマッサージャーを試す

ふらりと立ち寄った家電量販店で気紛れに試したマッサージャーがとても良かった。しっかりと「揉みほぐす」動きで筋肉の凝りをいい感じに刺激してくれる。その割に値段も高くない。
どうやらこれは「シートマッサージャー」というカテゴリで、椅子と一体化した「マッサージチェア」のような大型装置ではなく椅子の上に置いて座る、あるいは床に敷いてその上に寝る形で使うものであるらしい。

マッサージチェアというのは大型の椅子と一体化した装置で、安いものでも10万はくだらない。売れ筋の価格帯は20万から上といったところで、置き場も含めて気軽には手を出せない装置である。その代わり高機能で、背中だけではなく手足までマッサージしてくれたりもする。
対してシートマッサージャーに椅子は付かない。価格帯によっては座椅子程度に椅子の形をしているものもあるが、基本的には椅子の上に載せて使うものだ(体重を預ける必要があるので背もたれがある程度リクライニングしたものが必要かと思う。専用の椅子も1万5千円ぐらいで販売されている)。マッサージ範囲は背中一帯で、脚などは対象外(腿への振動ぐらいは装備している場合もあるが)。価格は2〜5万といったところで、サイズ的にも価格的にもマッサージチェアよりだいぶお手頃である。

しかしマッサージ需要が最も高いのは肩〜腰の範囲であって、脚などは(できるに越したことはないけれども)必須ではないし、必要にして十分な揉み機能を持つのであればシートマッサージャーの方が何かと利便性が高いのでは?

というわけで、ひとまず大型量販店のマッサージャーコーナーで試してきた。
だいたいこういうところで展示されているのは上位機種であることが多いので、探せばこれより安いモデルも出てくるが、安価なものはマッサージ機構が振動のみであったり揉み範囲が狭かったりと、安いなりの理由がある。またマッサージは「体に合うか」が非常に重要なので、結局は「試して良かった」ものを買うのが最良だと思う。

試用

フジ医療器 マイリラ MRL-1200

価格:3万2千円程度
最初に試した機種であり、本命の候補。
首〜肩および背中〜腰を広い範囲で揉んでくれる。揉み機構は剛性が高く非常に安定した動作で、人の手で揉んでいるかのような力の入れ具合が感じられる。また身長180前後でも肩までしっかり揉んでくれるのは有り難い。

ドクターエア MS-002(プレミアム)、MS-04

価格:3万2千/2万4千円程度
揉み機構はしっかりしているが、可動範囲が若干狭く、私の背だと肩までは届かない感じでもどかしい。
また上位機種では振動機能も付いているのだが、正直なところマッサージ効果が感じられなかった。

アテックス TOR AX-HPT221

価格:4万円程度
揉み加減はそう悪くないのだが、動作音がうるさい……というか、グッと押し込む動作に伴い、歯車の噛み合いがずれたような滑り感がありガガガガ……という振動が発生する。店頭試用品にガタが来ているだけなのかも知れないが、耐久性に不安を感じてしまう。

というわけで、最初に試して心地良さを感じたフジ医療器のマイリラが比較検討の結果としても最良に感じられたのでそれを購入。
なお型落ち機種なら2万2千円程度で販売されているのだが、そちらには首・肩用の揉み機構がないようだ。

自宅での使用

購入したフジ医療器 マイリラ MRL-1200が届いたので早速使ってみる。
シートマッサージャー本体に、上下のジッパーで座面と背当てを取り付ける形。腰のあたりにベルクロのベルトがあり、これを椅子の背に回して固定する。

とりあえず事務用のリクライニングチェアに取り付けてみた。が、

  1. 座面が高い
    • 椅子の上にクッションを置く形になるので高さを調節する必要がある
  2. 腰の揉み具合が弱い
    • チェアの腰位置がマッサージャーの想定位置より深いのか、あるいはマッサージャーを置いた分だけ浅く座ることになるのがいまいち合わないのか
      • やはり専用チェアがあった方が良さそう

というわけで、もうひとつの使い肩である「平らに置いてその上に寝る」形でも使ってみた。

  1. 体重で圧がかかるので強く揉める
    • 逆に強すぎると感じる人は椅子でやる方がいい
  2. 寝る位置の調整で当たる場所を変えやすい
    • 椅子型でも左右位置は多少ずらせるが上下位置はずらしにくいので

こちらの方がなにかと使いやすい印象。
我が家特有の事情として、椅子をマッサージャーに占領させにくく、かといって使用の都度セッティングするのも面倒なので、ならば寝かせて使う方がいいかも知れない。
作動音はデジタルモーターの小さな唸りのみで非常に静か。なんならこのまま寝られるぐらい。