「予備知識のない状態でニセ科学を見分けるのは難しい」という指摘があったので、予め警戒しておくべきニセ科学をリストアップしてみる。
量が多くて一度には書ききれないので順次追加。説明だけでなく項目自体増やしていくので、抜けを思い付いた方、間違いを見付けた方は御一報頂ければ幸甚。
広い意味で「間違った情報が信じられている」ものとしては歴史・経済・政治分野などにも多く存在すると思うが、この辺りは厳密な検証が困難であり泥沼化しやすいので割愛する。
また「かつて支持されていたが棄却された仮説」は科学的にニセだったわけではないので取り上げない。「科学の原則に則っていないニセ科学」と「科学に則してはいたが誤りだった仮説」は別物なので注意。
医学系
医学は勿論科学を元に発達した学問だが、多分に経験的である(=効く理由は判らないが効くことは実証されるような状態)ために似非理論が排除し難いのか、或いは患者への説明が不足する傾向にあるため誤解されるのか、とかくニセ医療がはびこり易い。
ホメオパシー
「病と同じ症状を呈する毒を薄めて薬とする」のだが、希釈度合いを計算してみると最終的に服用する中に元の薬効成分が1分子たりとも含まれていないことになる。何故か希釈すればするほど効果が強くなるらしい。
服用したって無害だ(その代わり薬効もない)が、ホメオパシー信者は往々にして通常の医療措置を否定する点で非常に有害。
予防接種有害論
予防接種のリスク(過去に発生した製造時のミスによる事故や、病原を体に入れるという性質からどうしても避けられない、ごく稀な発病)ばかりを強調し、接種による恩恵を無視する。
また「自然に罹患させないと生涯免疫が続かない」などとして病に罹ることを望む。
予防接種の効果は接種した人間だけの問題ではなく「地域ぐるみで病原が繁殖できなくなることで全体として罹患率が低減する」ことにあることをお忘れなく。わざと罹患するというのは、周囲の感染率を高める危険行為である。
千島学説
「血を造るのは骨髄ではなく小腸である」「細胞は分裂増殖しない。すべての細胞は赤血球から変化する」「病源体は特定条件下で自然発生する」など、現代医学を根底から覆すような複数の説の集合。
骨髄移植により造血障害を治療できることや小腸の切除によって造血障害が生じないこと、細胞分裂が観察された事実であることなどから否定できる。そもそも提唱から50年近く経過しても一向に証明されないこと自体、説として欠陥があるのではないかと考えるのが普通ではないかと。
経皮毒
皮膚から毒性物質が吸収されて内蔵に蓄積するという説。経皮吸収される物質があること自体は否定しないが、主に「シャンプーには毒が含まれているので、出産時に子宮からシャンプーの匂いがする」などという脅迫めいた説明とともに「安全なシャンプー」を売り付けるためのデマ。
仮に経皮吸収される毒が入っているなら、まず最初に頭皮付近から症状が現れるはずで、内蔵中最も遠い子宮に強く影響する筈がない。
デトックス
「フットバスに足を漬ける」「足の裏にシートを貼る」「デトックス効果のあるものを飲んで排泄する」などの手法で体内毒を排出するという主張。
排泄はそもそも体内の不要成分を廃棄するためのものなので確かに(毒かどうかはともかく)排出されてはいるのだが、足からの排出については単なる化学反応で変色しているだけで毒は吸い出されない。
白金ナノコロイド
白金の触媒効果を利用して活性酸素による酸化作用を還元するという触れ込み。白金に還元作用があること自体は確かだが皮膚に塗布したり飲用して効果があるかどうかは確かめられていない上、毒性なども確認されていない。金属微粒子なので体内に蓄積され悪影響を生ずる可能性がある。
きちんと確認されれば非科学でなくなる可能性はあるが、検証を怠っている以上はニセ科学であり、生命の危険すら否定できないので注意。
血液サラサラ
大元となった研究自体は真面目なものだが、単純に「サラサラなら健康/ドロドロなら不健康」などと言えるようなものではないことに注意。サラサラ/ドロドロは血小板や血球の量などによって変化するが、いずれも必要成分であり少ないのも正常でない。
また検査と称して顕微鏡映像を見せる際、カヴァーガラスへの加圧具合によって血球の重なり具合を調整できるため、「重なりの多い状態を見せる→何らかの健康器具を使わせる→重なりの少ない状態を見せる」という手法で器具に効果があるように見せかける詐欺が横行して問題になった。
血液クレンジング療法
静脈血を採取→オゾンを吹き込んで酸化→体内に戻すことで、「どす黒い血が鮮やかな赤に変わる」(酸素を与えているのだから当然だが)視覚的効果を利用して「血が綺麗になった」と錯覚させるもの。
オゾンは有毒だからこれは単に血液にダメージを与えているだけだし、一度採取したものを戻す点で細菌感染などのリスクも考えられる。
ゲルマニウム
「37℃付近でゲルマニウムから電子が放出されて云々」というので、ローラで肌をなでているだけで張りが出るとかなんとか言われているがまったくのデマである。
常温程度で電子が放出されるような金属なら、お手元に届く前に完全に電子を失ってしまうだろうし、電子を受け取った肌がすべすべになる理由もない。
癌克服術
副作用の強い抗癌剤治療も放射線治療も拒否し、それどころか病巣摘出すら拒んで食事療法やら波動水やら謎の代替療薬やらで癌を克服する方法。無論すべてニセである。
癌といっても性質も進行度も様々で、偶々治療せずに自然治癒してしまうこともある。それを自分の開発した新しい健康法によるものと勘違いするのは結構だが、それを大々的に広めることで被害を拡大するのはやめて頂きたいものだ。
ミラクルエンザイム
「独自の食事療法」の理論的根拠として「酵素の消費量に寿命が左右される」という仮説を立て、それを実証もせずに「あらゆる酵素の元となる物質」として仮定したもの、らしい。つまり根拠のない療法の、根拠のない仮説により定義された謎物質。
ゲーム脳
ゲームが脳に影響をもたらすこと自体は事実だが、それは本や映画、音楽、あるいは運動などの影響と大差ない。
なにより提唱者自身が脳波がどういうものでどう測定しどう評価すべきか知らない素人というのが問題。
実際、ゲームによる悪影響とする状態と同様の脳波を、別のことをしたときには良い状態と判定するなど、かなり恣意的であり非科学的な判断に満ちている。
科学系
そもそも科学ではないものたちだから「科学系」というのも妙な分類だが、まあ「自らを科学だと名乗っている」ものの集合体、程度で。
水からの伝言
「水に"ありがとう"と書いた紙を見せると綺麗な結晶が、"ばかやろう"だと汚い結晶ができる」という宗教的説話。単に思い通りでない結果が出た時は失敗として処理してるからそう見えるだけ。
逆説的に、水に良いことか悪いことかの判断を委ねるという思考停止。
マイナスイオン
そもそも言葉としての実体がない。負の電荷を持つイオンは陰イオン、あるいはアニオン。
仮に陰イオンのことだとしても、体に良いなどとする根拠が科学的に立証されたことはない。
最近はメーカもニセ科学呼ばわりを警戒しているのか、マイナスの部分を適当に言い替えていることが多い(例:nanoeイオン)。
トルマリン
トルマリン自体は何らニセではない。和名を電気石という歴とした鉱物である。
本来は圧電効果を持つが故にこの名があるのだが、どういうわけかマイナスイオンを発生させたり電磁波を防ぐ効果があることにされてしまった。そういう効果を謳ったものとしてはニセ。
機能水
水に関わる商売は幅広いために全てがニセとは限らないのだが、水に含まれる成分の作用によるものはともかく、活性水・還元水など「水の改質による機能」を謳ったものは概ねニセと断じて良い。
(参考:水商売ウォッチング)
ランドリーリング
「洗剤なしに洗濯できる」とするが、ブラシ代わりの物体を放り込んであれば揉み洗い効果はあるだろう、という程度の差。説明を見ると封入された「組織水」とやらが外部の水を改質するような記述がある。前述の機能水の系列。
燃費改善
自動車の燃費改善グッズには怪しいものが山ほどある。エアロパーツで空気抵抗を下げるとかエンジンオイルを変えて摩擦抵抗を少なくするといった類いならばともかく、「セラミックで燃費改善」「イオンで燃費改善」など、要するに各種ニセ科学のキーワードを適当に拾ったような商品が非常に多い。
EM菌
複数の菌類を共生させることで土壌改良や水質浄化などの効果があるとされた。これ自体は可能性のない話でもなく、また単体の効果ではなく群れとしての効果に着目するなどの点は評価できる。
しかし実際問題として検証実験では「あってもなくても同じ」程度の効果しか見られなかった。
真面目に研究されるならば、将来的に確かな科学に発展する可能性もあるかも知れない、が現段階では商品としてインチキと言わざるを得ない。とりわけ万能の効果を謳うものは将来に亘ってもインチキである。
最近では河川浄化にEM菌を投入する市民運動が増加しているようだが、微生物を増やした分水中酸素濃度が低下し却って環境を破壊する可能性があるのでやめるように。
オーディオ
オーディオの世界はほとんどオカルトで構成されているのではないかと思うほど怪しげ。あまりにも(理論上)音質に影響を与える要素が多過ぎて何を改善すればいいのかプロも判っていないというのが実情だ。
機材のレビューでも二重盲検法はおろか一重ですら行なっておらず、単に価格順に評価が決まっていたりする。100万の機材と2万の機材で中身の部品がまったく一緒だったという例すらある。
オーディオ装置そのものはニセ科学ではないが、評価基準を含めたマニア世界はオカルトと断じても良かろう。
永久機関
外部からエネルギーを供給せずに動き続ける機械。明らかに物理法則に反するもので、絶対に実現できない。
もっとも、仮に実現したとしても部品同士の摩擦などによるロスをなくすことはできないからいずれ停止するし、それすら解消したとしてもエネルギーを100%装置内で循環させ続けるだけだから、一切の動力を取り出せず意味のないオブジェとなるだけなのだが。
水から作る燃料
水を電気分解すると酸素と水素になり、これを1:2の割合で混合し点火すると激しく燃焼する。爆鳴気などと呼ばれ古くから知られた現象で、義務教育で必ず習うものだが、何故か忘れてしまう人が多いようでしばしば「新しいエネルギー」として詐欺的に再登場する。知られた名としてはブラウンガスやオオマサガスなどがそれだ。
何しろごくありふれた水を燃料に変えることができるわけで「元手の要らない夢の新エネルギー」のように見えるが、当然ながら水を分解するのに必要なエネルギーが燃焼によって得られるエネルギーを上回るので、単に電気の無駄である。
なお「水電池」といって水をかけるだけで電気を発生させる製品があるが、これは中に入っている物質と水が反応し電気を発生させるものであって「水をエネルギーにしている」わけではなく、まったく別物であるので注意。
「相対性理論は間違ってる」論
相対性理論は現代科学の基礎を成す重要な理論である。これが間違っているとしたら現在の生活の殆どが成り立たないと言っても過言ではないほどの。
相対性理論を否定する全ての説は、単に相対性理論が理解できなかった奴の戯言であると断言できる。
どういうわけか、更に難解な量子力学は都合良く解釈されトンデモ理論を科学的に裏付けるものとされることが多い。しかし相対性理論が理解できない頭で量子力学が理解できているとは到底思えない。
血液型と性格の相関
血液型による性格診断(A型は几帳面、B型はおおらか、などの)は日本では非常に知名度が高いが、実際に有意差が確認されたことはない。
占いを含め、こうした「内面を言い当てる」ものは往々にして相反する情報を一つにまとめて、どれを見ても少なからず自分のことを言い当てられているように思わせるものである。(参考:バーナム効果)
ID論
インテリジェント・デザイナー、つまり「神のような何者かが人間を/地球を/宇宙をこのように形作った」説。
一見科学を装ってはいるが、実のところ「進化論が学校で教えられるのに創造論(神が7日で世界を作ったというアレ)が教えられないのは不満だ」という連中が「これも科学だから教えろ」と主張する為に作ったまったくのニセモノ。
これを揶揄するために作られた「空飛ぶスパゲティ・モンスター教」というパロディ宗教もある。
フリーエネルギー
量子力学的には、「真空」とは無の空間ではなく、電子と陽電子が生成・対消滅を繰り返しているとされる。ここで放出されるのが「フリーエネルギー」だが、これが(どんな手段によってか知らないが)取り出して利用できると主張する輩がいる。実際に取り出して見せた奴はいないが。
スカラー波
「距離によって減衰せず、物質を透過し、光速度に制限されない」電磁波。相対性理論に反した存在である。
電磁波について未知であった19世紀末の(結果として誤っていた)学説であったが、後に変な解釈をされ超兵器や超理論の根拠として主張された。
七田式右脳開発トレーニング
幼児教育のひとつだが、パターン学習による反射的な能力開発を特徴とするようだ。天才を生むかのような印象付け、あるいは「右脳の能力を引き出す」というのが親心に響くらしいが、説明を見ると波動だのESP教育だのとトンデモなく怪しい。
ドーマン法
脳障害による無反応状態からの回復例(?)で有名になったリハビリ法。手足を強制的に動かして動作パターンを脳に刷り込む学習法などが特徴。
保護者は「反応が甦った」などと言うが、実際のところ親が動かすままに動いているだけではないかとの指摘もある。
(参考:google:奇跡の詩人)
陰謀系
「〜〜はxxの陰謀だ」という説全般。これ自体は科学の範疇ではないのでいちいちニセ科学として扱うべきものでもない筈だが、実際のところ主張の裏付け部分で科学的に間違ったものが多い。
政治の世界では実際に陰謀が横行する部分があるので話がややこしくなるのだが、「陰謀論」と呼ばれる類は陰謀が成功した場合のメリットに比して露見した場合のデメリットがあまりに大きく、また秘密保持が著しく困難で不成功可能性が高すぎるものばかりである。
アポロ陰謀論
人間が月へ行けるわけがない、従って映像を含めた証拠はすべて捏造であるとする説。
「月へ行けない」とする根拠も「捏造」とする根拠も無知から来るものに過ぎないが、どのように証拠を示しても「NASAの出すデータはすべてインチキだ」などとして聞く耳を持たない。
最近、日本の月探査機「かぐや」がアポロ15号の着陸痕を撮影したが、これに対する反応は「アポロが着陸していたとしても有人だったとは限らない」「かぐや自体もでっち上げ」といったものであった。
歴史・考古系
歴史は基本的に一回性のものであるから科学のように再現性を基とした実証が困難であり、また往々にして資料に乏しいため真贋の判別は容易でない。たった50年前のことですら合意がないというのはよくあることである(例:南京大虐殺)。
従ってここでは基本的に歴史学に属するニセ情報の検証は行なわないが、中には科学的検証部分でニセ情報が紛れている例があるので、何点か紹介する。
与那国海底遺跡
直線的な道路や階段などが見出されたために遺跡として取り上げられたが、実際には節理という現象による自然地形。
本当に遺跡なら、階段の幅・高さがばらばらだったり1段あたり1mもあったりしないし、頂上の平面が16度も傾いていたりしない。
オーガニック系
オーガニック、有機農法自体は真っ当である……筈だが、どういうわけか自然崇拝と結び付き易くしばしばニセ科学要素が入り込む。
ビオディナミ
天体の位置と自然環境に関連性を見出し、農作業を天体の運行に従って行なう農法。
太陽=地球の位置関係は確かに自然環境に影響する(要するに四季だ)が、それ以外の天体の影響まで考慮する点でまったくのニセ科学。
マクロビオティック
菜食主義に陰陽思想を取り入れたような食養主義。
発生当時としては先進的な部分もあったり、食事療法的効果もあるのだが、如何せん理論はおろか経験的判断による主張でもなく、多分に思想的な判断から発生しているので受け入れには注意が必要。
精神世界系
もはや一片たりとも科学的でないのでわざわざ書くこともなさそうな気がするのだが、彼らは自分たちの信ずる何かが「今は証明されていないが、いずれ科学で裏付けられるであろう」と信じているようで、用語にちょっと科学っぽいタームを流用する傾向にある。
波動
科学用語としての波動は単なる波の振動を示すものだが、精神用語では「主に精神へ作用する何か」を示すようだ。
高次元
どうも精神系の人は次元をスピリチュアルな別世界と勘違いしているようで、悟りを開いた聖人は高い次元へ移行するのだと思っているらしい。宗派によって10次元まであったり20次元以上あったりするが、増えたベクトルがもたらす変化についての考察はついぞ口に上らない。
ZPF(ゼロポイントフィールド)
量子力学分野で仮定されたエネルギーとしてZPE(ゼロポイント・エネルギー)というものがあるが、これにしてからが疑わしい仮説と言わざるを得ない。言わば無からエネルギーを取り出せる(かも知れない)というような話で、仮説から新たな仮説を導くような危うい理論である。
ZPFの方はこれを何か変な風に勘違いして生み出した語であるらしい。何故か気だの生命だのと結び付いているようだ。
フォトンベルト
「銀河の回転に伴って光子の帯に突入すると意識の変革や肉体からの解脱が起こる」という説。……ええと、これ以上説明しなくていいよね?
ポールシフト
ある日突然、地球がぐるりと横転し回転軸が変化するという災厄説。多分「マンモスの胃に未消化の草=温暖だったのに突然凍り付いた」という連想から来るものと思われる。
長毛のマンモスは当初から寒冷地に棲息していたのであって温暖な気候にいたわけではない。
補足1
ここに書いたのは、「今は証明されていないが将来的には科学的に証明されるかも知れない」などという代物ではない。根本の部分で明らかに間違っているものばかりである。
科学はしばしば、新たな説によって修正される。これを根拠に「今信じられている説が将来正しくなくなるかも知れない」と考えるのは間違いだ。
未確定であるが故に仮説に留まっている説ならばそういうこともある。けれど、理論として確立しているものには通用しない。
例えばニュートン力学が相対性理論に、相対性理論が量子力学に取って代わられるのは、解明すべき世界のスケールの違いによるものだ。
例えればモノサシのようなもので、mm単位の目盛が付いたモノサシは身の回りのものを測るには適切なサイズだが、例えば東京-大阪間の距離を測定するには不向きだし、顕微鏡サイズのものを測定するにも使えない。そのスケールではそれに合わせたモノサシが必要なのだ。
つまりニュートン力学は日常生活の中では正しい理論だし、相対性理論は天文学スケールの中では正しい。そういうこと。
だから新たな理論を打ち立てようと思ったら、「現代科学を否定する説を考える」のではなく「現代科学を理解した上で、それを発展させた新たな説を考える」必要がある。ニセ科学は根本的にこれを勘違いしている。
補足2
このリストは、機械的にニセ科学を見分けるためのものではない。「リストに載ってないから本物」などという判断は、それ自体科学的ではない。
項目についてはご意見を頂いたが解説は基本的に私の判断と知識に拠っている。従って必ずしも万全の正しさを保証するものではない。むしろ内容に疑念を感じ、自身で調べるぐらいの方が健全と言える。そのための足がかりとして、ただ名を挙げるだけではなく解説を添えることにした。
科学とは信じるものではなく調べるものだ。科学知識は判断を効率良く進めるための基準にはなるが、本当に必要なのは科学思考の方である。考え方さえ身に付いていれば、時間はかかっても自分で情報を集めて適正に判断が下せる。知識だけでは、未知のものを判断できない。
このリストには各方面から思わぬ反響を頂いた。はてブ数20は越えるだろうと思っていたが、まさか100どころか500を遥かに上回るとは思わなかった。
嬉しい反響ではあるが、一方で今まで動いてこなかったこと、個人の行動としてしまったことについては複雑な心境である。本当ならば、学術団体であったり教育団体であったり、そうした信頼性の高い機関によって発表されるべきものではないかとも思う。
なにはともあれ、多くの人目に触れることは素直に喜びたい。「今まで信じてたんだけどリストに載ってた」ものを調べ直してみたり、「今まで漠然と怪しんでいたんだけどどこから調べたら良いか判らなかった」ものをきちんと調べるきっかけになればと願っている。