以前電書アプリに望む機能 - 妄想科學倶楽部などでもある程度電子書籍への機能要求について書いたのだが、普段使っているのがAmazonのKindleアプリ(iOS版)なので、今回は(主に上記記事で触れなかった部分について)機能への不満点と改善案を書いてみる。
「ライブラリへ戻る」操作の改善
kindleで本を開くのは当該の本をタップするだけで悩むところはないが、閉じる方はワンアクションでの動作が設定されていない。今読んでいるページをタップしてメニューを表示、メニューから「ライブラリに戻る」を選択、という2アクションになる……だけならまあそれほどストレスでもないのだが、左右フリックをページめくりに割り当てていること、この判定がかなり敏感であることから「タップしただけのつもりがページがめくれてしまう」ことがあまりに多く、なかなか閉じることができずに苛々する。
これ、どうせならOSの標準的なアプリ閉じ動作に合わせて上フリックとかにすれば良かったのではないか。まあOSのコントロールセンター引き出し動作とのコンフリクトをどうするかという問題はないでもないが、画面下端からの上フリックはコントロールセンター優先、そうでない位置からの上フリックを閉じる動作とすれば回避は容易に思われる。あるいは2本以上のマルチタッチ上フリック、とかでもいいが。
まとめて読みたい
シリーズものを読む場合、順番に読み続けることが多いはずだ。1冊終わったら閉じて次の巻を開く、というのは紙でも同じことだが、上述したように閉じ難いという問題に加え、「今読んだ本が並び順の最上位に移動する」ので続刊を探し難いという問題も出てくる。検索すれば簡単にはなるが、巻数が多い場合などはやはり面倒だ。
なので、最後まで読み切った時に出てくる「レビューを書く/シェアする/こんな本も買っています」に加えて「次の巻を開く」を付けていただきたい。
つまり電書情報に「次の巻/前の巻」というメタ情報を付加する必要がある、ということになるが。
漫画にも付箋を
小説ではテキストを選択しメモ付加したりページに栞を挟んだりできるが、何故か漫画(というか画像データ)にはそれができない。吹き出しの写植をテキストとして認識できないのはまあ仕方ないとしても、せめて「ページ単位でのメモ」ぐらいは欲しいところだ。
メモ内での別書籍/ページ参照
パロディだったり論評だったり、他の著作を参照すべき作品というものがある場合、それらをメモ内で示し当該書籍/ページを参照しに行きたい。無論それはブラウザ経由でのURL参照であっても構わない。
ページをめくるだけのシーケンシャルなアクセスではなく複数ページ/複数書籍をまたぐハイパーリンク可能であることが電子書籍の強みなわけで。
既刊書籍所有者への優遇
これは機能要望ではなくAmazonがやるべきことかどうかも疑問ではあるのだが。
現状、電子書籍需要というのは主に本のヘヴィユーザ、それも「多数の本を持ち歩きたい」「自宅に本を置く場所がなくなってきた」人たちによって支えられているのだろうと思われる。
こういう人たちは単に新刊を電書で買うようにするだけではなく、既刊を電子版に置き換えることに結構な費用を投じる。わざわざ持っているものを新規に買い直すほどに、作品への忠誠度が高いこれらヘヴィユーザに対する優遇政策を実施すべきではないかと思う。
というわけで、たとえば書籍買い取りサーヴィスで電子版購入済みの作品と一致する商品を買い取った場合にポイントのキックバックを行なうというのはどうか……などと思ったがAmazonは書籍の買い取りをやってないのだった。