Webサイト制作とコンサルティングは似ている

いや別にWebサイトに限った話ではなくて、システム開発や大規模な広告企画なんかもそうだと思うのだけれど、要するに相手の業務に踏み込んだ作業となる以上、どうしてもクライアントが認識していない部分-----製品や会社の強みあるいは弱みなんかを分析して、最適と思われる策を提供する必要が出て来て、それって殆どコンサルティングだよねという。


クライアントの要望は要望として訊いておくのだけれど、実際彼らが正しく問題を把握/分析して要求を出している可能性はかなり低いので、それをそのまま採用すると酷いことになりがち。なので直接の担当者あるいは決済権限保有者のみならず「現場の声」を拾わざるを得ないし、そうやって「認識されていない潜在的な要求」なんかを吸い上げつつ、「正しくない解決案」を指摘し適宜矯正する必要がある。
勿論、こちらも必ずしも正しく問題を把握できていないことがあり得るので、事前の聞き込み調査と提案の段階でどこまで詰められるかが重要になってくる。
残念ながら、経験的に言ってその辺意思疎通の楽なクライアントは殆ど皆無だ。大方の場合は極めて漠然とした要求が語られるのみで、それも実に表面的な部分に留まる(「先進的な感じのデザインで頼む」とか)。そういう人達相手に、Webサイトの意義とか理念とか、期待される効果なんかを理解して貰わなければならないわけだけれど、実際のところある程度の技術理解なしに理念だけ浸透させるのは不可能だし、何故か日本の企業は数字でしか判断できないような経営者が多いみたいなので直接的に数字として表すことの困難な部分……例えばユーザビリティとかヴァリデーションの話は聞いても貰えなかったりする。


最初からコンサルティングを含む総合的な提案として織り込めればいいのかも知れないけれど、日常的にコンサル業務で付き合いがあるとかいうなら兎も角、単にWeb屋として声を掛けられた場合では如何ともし難い。