有名ゲームマスタというプレミアの利益性

某所でちょっとTRPGプレイルーム新設に関して話題に。
その流れで「有名な人にマスタリングしてもらうことの価値」についての話が出たので、ちょっと考えてみる。


TRPG業界は非常に狭い。ので有名人も少ない。というか、事実上システムデザイナ以外で有名なゲームマスタって皆無ではないだろうか。
事実上、システムデザイナ=客の呼べるマスタである、としよう。そうすると、彼らを一日雇うのにいくら払えば良いだろうか。
こういうのの相場ってよく知らない。例えば業務委託では1人日あたり5〜10万ぐらい。講演みたいな形だと1回2時間ぐらいで30万〜100万ぐらいか。それらと比較するのが適正なのかどうかよく解らないのだが、少なくとも当日丸一日の拘束と事前のシナリオ準備コストを考えねばならない。まあシナリオはある程度使い回しとか、事後の雑誌掲載とか潰しが効くから丸々コストに含める必要もないのかも知れないけど。


仮に、その有名マスタを1回呼ぶと10万円かかるとする。マスタリングとしては、(ライヴRPGのような特殊形態でもなければ)同時に捌ける人数は最大でも8人ぐらいが限界だろう。一人あたり12,500円。いや、これだと店側になんの利もないから、実質15,000(これでも1日2万の利にしかならない)。プレーヤにしてみればとてもじゃないが気軽に出せる金額ではないし、店にしてみれば儲けにならない。しかも、実質的にこの金額で収まりそうもない。
これを店のウリにするのであれば最低でも毎週1回の割合で継続的に実行せねばなるまい(1回限りのイヴェントであれば店の特色にはなり得ない)。毎回8人参加としても月に8万の利。


こうして見ると、有名ゲームマスタ案はどうにも困難と言える。じゃあ発想を変えて、「質の良いゲームマスタ店員が常駐していて、ふらりと遊びに行ってもRPGが楽しめる」というのはどうか。雀荘みたいな感じで。
これは有望そうな気もする。RPGやる上で困ることのひとつは面子集めであるので、「いつ行っても誰かいて気軽に遊べる」というゲームスペース柏木のような状況が作り出せるならば、あるいは意味があるかも知れない。
ただ、そういうものとしては既にコンベンションという場がある。コンベンションは通常、会場費のみで運営されているので参加費が安い。それに対して「プロのゲームマスタ」を雇っての運営でペイさせようと思ったら、どうしても価格に跳ね返らざるを得まい。
店舗経営のコストについては詳しくないが、例えば月に地代その他諸々で100万かかるのだとする。それとは別に人件費、バイトで月10万ぐらいじゃ見合わない仕事なので、なんのかんのと諸経費込みで一人あたま30万/月ぐらいはかかるんじゃないか。「いつ来ても遊べる」体制を作ろうと思えば最低でも平日2人、休日5人ぐらいの体制にせざるを得ない。月150万で併せて250万。
時間のかかる遊びだから平日にそんなにお客が来るとも思えないので、平日1卓5人・休日8卓40人ぐらいを見込んで週20卓100人。一人1万ぐらい取らないとペイしそうにない。