陰謀論の非対称構造

例によって9.11陰謀論者と対話して疲れる。
これほど疲れる理由のひとつは、彼らが言葉の通じない(字義通りの意味で)輩であるからだが、もう一つが「各自共通性のない意見でありながら連合する」点だ。


9.11陰謀論で共通しているのは「9.11テロを端緒とする一連の流れはアメリカによる陰謀だ」という一点のみで、それ以外の部分では各自の主張に食い違いがある。代表的なものとしては、

  1. 9.11ハイジャックテロは陰謀だ説
    1. イラク宣戦布告の口実にでっち上げたよ説
      1. そもそも民間旅客機じゃなく軍の輸送機だ説
        1. 実は激突したんじゃなくてミサイル発射だった説
      2. 純粋水爆で爆破したんだ説
        1. 地下からバンカーバスター打ち上げたよ説
    2. WTCビルのアスベスト処理費用が惜しくてテロに見せ掛けて解体したよ説
  2. 9.11ハイジャックは反米テロだ説
    1. でもテロリストへの協力と大量破壊兵器保持を口実にした宣戦布告は陰謀だ説
  3. ペンタゴン特攻はでっち上げ説
    1. 行方を断った航空機と現場近くに墜落した機は違うよ説
    2. フライトレコーダ見るとペンタゴンに激突するような高度じゃなかったよ説

……こんな感じ。これを一度に相手しても、話が繋がるはずもない。
対して陰謀否定派は概ね一致した見解を持っていることが多いので、誰が反論しても大体同じあたりに落ち着く。従って陰謀論者側から見れば一纏めにして反論し易い。


どのような説であれ、対話者が一人ならばその言動の妙な点を擦り合わせて一つの結論に達することができる。しかし複数出現して、それぞれの主張が共通していない場合、それぞれに頭を切り替えて対話せざるを得ない。それに要する労力はかなりのものだ。実はそれを狙っての波状攻撃なのではないかと勘繰ってみたくもなる。
せめて派閥ごとにBlogでも用意して主張を纏めてくれれば反論のしようもあるのだが、こういう手合いに限って自分の土俵を用意しようとはしないものだ。