ソーシャルブックマークの切り口

衆愚になっちゃう原因の一つは、注目尺度がほぼブクマ数のみに限定されているからだと思う。
はてブはタグの導入により、各自が好きに分類を使い分けられるように作られている。だから必ずしも良いと思った記事だけではなく、駄目だと思った記事についてもブックマークの可能性がある*1。それはそれで、個人の中ではタグによる振り分けで完結している問題だ。
しかし、ソーシャルブックマークの醍醐味である集合的情報抽出の段階では、現在のところブックマーク数以外に簡便な尺度が得られていない。故にネガティヴな評価の多い記事も上位に来てしまい、結果として全体の印象を下げる。


要するに、ソーシャルとしてもタグを基準に抽出すれば良いのだ。しかしタグは用意されたものを全員で使用しているわけではなく個別に独自タグを生み出しているので、表記には揺れがあるし、適用範囲にも差がある。
それでは、各自が他人のタグを自分のタグリストに関連づけてゆくというのはどうだろうか。例えば私の使用タグに「遊戯」というのがある。遊び全般を含むカテゴライズだ。これに、他人の使っている「ゲーム」や「game」「遊び」などを関連づけておくことで、タグを選んで絞り込んだときに自動的にそれらも候補に含まれるようにする。これなら、全体を自分の切り口に近い範囲で切り取ることができる。


或いは、ブックマーク数に代わって新たにポジティヴな評価基準として導入された☆の数を抽出する方法もある。ただしこれだと自作自演問題を避けられないので、ユニークユーザ数を基準とする、ブックマーク数との平均を取るなどの調整が必要だろう。
もっと言えば、ブクマコメントに付いた☆の数を使っても良い。エントリから何らかの注目に値する見識が生じたこと自体、そのエントリの価値とも言えるから。


どういうシステムを考案するにせよ、切り口を複数持つようにすることは抽出する記事の多様性を確保する上でも必要なことではないかと思う。
システムの変更が止まって久しいはてなブックマーク、そろそろここらで大きな改修はいかがですか?

*1:そもそもあらゆる表現を測る唯一の尺度は「影響度」だけだと考えている。面白かった、感動した、などのポジティヴな意見だけではなく、引っ掛かりを感じた、不快に思った、などネガティヴなものも含めた総合的な尺度。