はてなアイデアのデフレ現象

はてなアイデアの開始からはや1年半。1000ポイントから始まったアイデアポイントは配当を受けて随分増えた。
その結果、1000ポイントを配分して戻りを待っていた初期とは投資の勢いが随分違ってきている。10ポイントでアイデアを投稿するようなことはあまりなく、最初から100ポイント以上、場合によっては200〜500ポイントを投資しておくことも珍しくない。
それに乗る側も100ポイント単位での投資を行なうので、どのアイデアもあっと言う間に1000に達して上場する。
本来ならば1000ポイントに達したアイデアから順に検討するという話だった筈が、今や上場アイデアが多すぎて飽和状態である。これはつまり、アイデアポイントが溢れ過ぎてデフレに陥っているということではないのか。


各人の手持ちが現在どの程度あるのかは解らないが、総額としての評価額はランキングから確認できる。
私のポートフォリオを見る限りでは、手持ちポイントは概ね評価額の1/3程度となっているので、それを平均的割合と仮定してみると1000ポイント以上保有している人(即ち評価額3000以上)は約350人。大体これぐらいの人数が、やろうと思えばアイデア投稿と同時に1000ポイントを投資して上場させることが可能ということだ。
一方で市場全体の時価総額、ははっきり解らないが前述の350人の総額を大雑把に合計すると約500万となる。これ以下は人数こそ多いものの額は少ないから、全体で1千万を越えることは多分ないだろう。
ということは、私の手持ち額でさえ0.02%の影響力を持っているわけだ。大富豪であるid:adramine氏に至っては時価総額40万超、1/3仮説が当て嵌まるとするならば現金だけで市場の1%にもなる。実際には多分大部分が投資中の額だとは思うが、優に5〜10のアイデアをいつでも上場させられるだけの財力は常に有しているだろう。


このような状態では、開設当初考えていたような「投資額でそのアイデアへの期待度を測る」効果はほとんど発揮されない。現実の経済でさえ、政府によるコントロールなしには立ち行かないというのに、まったくノーコントロールはてなアイデア市場が正常に機能するわけもあるまい。
しかし現実問題として、市場コントロールの為だけに有望アイデアを棄却するわけにもいかない。それでは本末転倒だ。はてなアイデアはより良いアイデアを募るための手段であって目的ではない。
また、手持ちのポイントを没収というわけにもいくまい。それをやるならまったく新しいはてなアイデアを立ち上げるときだ。


単純なデフレ対策としては、上場の閾値を変動制にするなどの方法が考えられる。例えば、平均的なユーザーの評価額に合わせて上場閾値を変動させる。現在の参加人数は全部で4313人ということだから、単純に考えれば平均で2500程度。手持ちでこれ以上を保有していそうなユーザー数は精々100人かそこらだから、簡単には上場しなくなってくるだろう。尤も-----これは全体として見ればポイントが増加するほどに物価も上昇し、また(配当は倍率制なので)戻りも大きくなる状況だから、今度はインフレしてしまいそうではあるが。