ボードゲームその他の世間的にマイナーなゲームに親しんでいる人たちは大概、自分がマイノリティーである自覚があり、理解されて来なかった歴史があると思う。だから、初心者に対して変に身構えてしまうというか、「初めての人にいきなり難しいのをやらせても」みたいな考え方があるようだ。
で、「初心者向け」とされるゲームを見ると、大体運の要素が強めで短時間で終わるものが選ばれている(という印象を、私は持っている)。確かに、運が強いゲームならプレイに慣れていなくても勝ててしまうこともあるし、短時間で終わるなら集中力が続かない人にもできる。
けれど、実際のところそんなにレベルを下げる必要があるのだろうか。
ボードゲームといえば人生ゲームぐらいしか思いつかないような人でも、トランプゲームなら5〜6種類は知っているだろうし、UNOやモノポリーぐらいはやったことがあるかも知れない。コンシューマーゲームの中にもボードゲーム的なものがあるし、もしかしたらトレーディング・カードゲームの類いを知っているかも知れない。
大抵の人は、既にある程度ゲームの素養があるのだ。
実際に、ボードゲーム経験の皆無な人たちと色々プレイした経験があるが、いきなり2時間近くかかるような重いゲームをやっても特に抵抗感はなく、また戦績も決して悪くはない。初めてだからといって手加減したわけではなく(無論、ある程度のアドヴァイスはするが)、彼らは自力で考えてプレイできている。
重要なのは「そのゲームは初心者向けか」ではなく「その人はゲーム向きか」ではなかろうか。じっと考えるのが好きでないと公言する人とゲームをしようというのはそもそも無理だが、ある程度本を読んだり思考型ゲームを楽しんでいるような人なら、多分大丈夫だ。