時計

以前は懐中時計を愛用していたのだが、度重なる破損により使用を諦め、ここ数年は携帯電話で代用していた。が、どうにも味気ないし、またいちいち電話を引っ張り出して時間を確かめるのも面倒だ。
それでここ暫く頻繁に時計を物色するのだが、なかなか良いものに巡り会えない。私は好みが煩く、またこれが流行に逆行する傾向があるものだから、店頭で良いものを発見できる率が極めて低いのだ。
まず、本体は渋めの色を良しとする。クロム鍍金の如きぎらぎらと輝くものは不可。また、デザインはシンプルなもの。彫刻されたものは除外。
文字盤の数字は、できればローマ数字が良い。アラビア数字ならばレトロな書体のもの。
複数のダイアルがあると好ましい。できれば、ムーンフェイズか、せめてサンムーンが欲しい。
ケルトンは好みだが文字盤が見難くなるので悩ましい。
懐中時計ならば蓋付きだと尚良い。腕時計ならばベルトは革であること。
そして、(一番重要なことだが)できれば機械式のもの。クォーツの方が精度は高いが味気ない。


懐中時計はそもそも店頭に出ること自体非常に少ない。
以前入手したBoston Clubの蓋付きサンムーン付きはチェーンを取り付けるリングの取り付け穴が浅く、極めて外れ易かった。何度か嵌め直すうちに金具を破損し、没に。その後買ったものは日付け/月/曜日の3ダイアル+サンムーンでなかなか気に入っていたのだが、うっかりポケットに入れたまま洗濯してしまい故障。まあ、嵌め殺し構造なので電池交換が困難で、いずれ処分せざるを得なかったろう。


腕時計はあまり大振りでないものが良い。最近のものは殆ど大型多機能で金属ベルトのものばかりで品がない。
13年程前のALBAの腕時計は茶の革ベルトに青の文字盤で素晴らしく良いデザインだったが、もうこの手のものは生産していないようだ。正確な型番も判らないので探しようも無い。
先日、専門店をぐるりと回ったらかなり気に入ったものがあったのだが、46,000はちょっと高い......と思ったら0がもう一つ多かった。これだから機械式は。


本当に欲しい腕時計は、今のところたった4本......いずれもスイス製の機械式で、1本あたり700万の代物である。高嶺の花。