電脳戦機Virtual-On Marz

電脳戦機バーチャロン」シリーズ最新作。
仕事帰りに秋葉原で購入。21時まで開いているというのは有り難い。
色々な意味で微妙な部分の多いゲームでもあるが、往年の名作を懐かしむ意味もあって買ってみた。仕事のストレスを発散したいというのもないではない。


初代「Operation Moon Gate(OMG)」は3D格闘ゲーム全盛期にあって初めて2D格闘ゲームの影響を脱した画期的な作品である。
それまでの3D格闘ゲームは3Dとはいいながらも、常に視点は敵味方両キャラを含む側方からの2D的視点でのみ描かれ、戦闘の舞台にこそ奥行きがあったものの2D格闘ゲームと大きく違うものではなかった。
しかしVirtual-Onは、自機後方視点であり敵が必ずしも視界内に居ない、フィールドの広さを生かし機動戦/射撃戦を中心とするなど、格闘ゲームの枠を大きく超えた。
実のところ自機後方視点の3Dシューティングアクションゲーム自体はVirtual-Onが初めてではなかったが、このシステムに格闘ゲーム独特の即時応答性と技の読み合い的要素を融合させたのは本作が初めてであり、まさにこれこそが本作の魅力でもあった。
シンプルなインターフェイスにシンプルなシステムだったが、それだけに深いところまで研究がなされた。近接攻撃時の踏み込み+敵方向を向く特性を利用し、攻撃開始位置を真正面から僅かにずらすことで脇をすり抜けて背後に回り込んだり、ダッシュ攻撃後の硬直を両トリガー攻撃でキャンセル、更にそれをダッシュ攻撃でキャンセルすることで止まることなくダッシュ攻撃し続けたり。格闘ゲームのように「特定のパターン入力で発動する技」があるのではなく、プレイヤー自ら技を編み出す面白さ。


誠に残念なことに第2作「オラトリオ・タングラム」からは操作の組み合わせが不必要に複雑化し、当初のシンプルな奥深さは失われてしまった。
また、キャラパターン自体がオタク受けを狙ったチープなものに傾いてしまったのも残念な点だ。っていうか身長10m超の機械化魔法少女は駄目だろ。



どうやらオラタンでやりすぎた超複雑操作(動き*トリガー*ターボ組み合わせ全72パターン+特殊操作)はその後フォースでかなり削られたらしい。それでもOMGの簡潔な操作性+スピード感にはどうやっても到達し得ないが、割り切ってしまえば結構遊べそうな。