書字板を作る

本好きの下剋上」に、書字板ディプティクというアイテムが登場する。これは紙がまだ高価だった時代にメモ書きのために使われたもので、木枠に蝋を流し込み鉄筆で引っ掻いて字を書き、篦で削って消すことで何度も利用できるという代物である。
これを自作してみようかと思った。

とはいえ木枠を拵えるのはそれなりに面倒である。まあ角材を斜めに切って組み合わせ、裏から板を打ち付ければいいだけではあるのだが、サイズを合わせて板と縁材を切り出し、隙間ができないように組み合わせるのは結構大変そうだ。
第二部でマインが手に入れた最初の書字版は父ギュンターの手作りであったので、こちらを再現する場合は多少不恰好になってもそれらしさがあるかとは思うのだが、第三部でプランタン商会から納められたようなものを想定する場合は枠もかっちりとして飾りのあるようなものが欲しい。
そういうものは既製品で賄ってしまうのが宜しかろうということで、100均でポストカードサイズの額縁を買ってきた。
f:id:DocSeri:20191103114931j:plain
硬質のスチロール樹脂で、木に似せた塗装が施されておりなかなかの雰囲気。
これを2つ合わせて止めるためのリングも購入する。事務用品でパンチした紙を通すリングでいいだろう。枠の厚みが1cmぐらいあるので、リングは径の大きな32mmを選んだ。

ドリルで中央と上下の3箇所に穴を開ける。このとき、閉じた状態ではリングが斜めに貫通することを考慮して縦長の穴になるように加工する。
f:id:DocSeri:20191103184625j:plain

リングを通して閉じてみたところ。
f:id:DocSeri:20191103184755j:plain
リングが少し大きいかと思っていたのだが、閉じた時の状態を見るとこれより小さなものでは無理そうだ。
f:id:DocSeri:20191103184830j:plain
開いた状態ではこのように、左右の板は少し離れる。

さて、これは額なので枠だけである。そのままでは蝋を溜めることができないので、この裏側にガラス板を接着してしまおう。裏側からゼリー状瞬着を流し込んで隙間を固める。
これで表側は割合それっぽくなったのだが、閉じた状態では本の表紙にあたる裏側が丸見えなのはどうにも格好が付かない。それに、白い蝋を流した裏側が明るい色だと文字が読みにくいような気もする。
というわけでガラスの裏側を黒く塗り、端材で段差を埋め、その上から飾り紙を貼って表紙らしく見せる。
f:id:DocSeri:20191117162949j:plain
ついでに鉄筆も用意した。ヨハンに発注したのは片側が鉄筆、もう片側が彫り跡を均すための篦になったもので、リングに引っ掛けておくためのクリップが付いたものということだったが、クリップはともかく鉄筆と篦がセットになったものを探さなくてはならない。幸いにしてパジコからそのようなものが販売されていた。

パジコ ステンレス細工棒

パジコ ステンレス細工棒

これにゼムクリップを加工してクリップを付ける。

最後に、枠内に蝋を流し込む。
蝋は100均でハンドクラフト用のものを買ってきた。予め小さく分割されて溶かしやすくできている。
最初これを並べて上からヒーターで温めようかと思ったのだが、枠がスチロールであるため溶けては困る。そこで(原作でやっているように)湯煎して流し込むことにする。
しかしこれが意外に大変な作業だった。平らにして液状の蝋を流し入れれば勝手に平滑になって固まるかと思ったら、流し込んだ時点で冷えて固まり凸凹になって、とても字が書けるような状態ではない。仕方ないのでこれを半田鏝で溶かしたり篦で削ったりしてなるべく平滑になるよう調整してゆく。
そうやって出来上がった状態がこれだ。
f:id:DocSeri:20191117162751j:plain
f:id:DocSeri:20191117162742j:plain
f:id:DocSeri:20191117162837j:plain

さて、それでは早速字を刻んでみよう。
f:id:DocSeri:20191117195702j:plain
えー……お判りだろうか。
面が平滑でないため直線的に描くのが難しく、それなりに力を入れて刻む必要があるため素早いメモには向かない。削った跡は決して視認性の高いものではなく、篦で均しても白い跡が残る。削り屑はポロポロと落ち、均してくっつけるのは難しい。
これは正直かなり使いにくい代物だと感じられた。蝋を平滑に鋳込む、あるいは鋳込んだ後で平滑になるよう削る技術や、松脂などを混ぜて軟粘性の蝋にするなどの改質ができればあるいは違ってくるかも知れないが。

川崎九龍城砦遊戯

来月で営業を終了してしまうという、ウェアハウス川崎店に行ってきた。
香港の旧九龍城砦遊を模した内装で知られるゲームセンターである。

外見は錆びた鉄板で覆われたそっけない建物である。入口付近は太いパイプが巡らされているが、あとは文字以外にはさして装飾は見られない。

店内では謎解きイベントが開催されていたようだが、キットは売り切れていた。

入口だけを見るとほとんど廃墟だ。

重厚な鉄扉……に見える自動ドアが開くと、赤く塗られたもうひとつの扉が。

その先はもう九龍城砦の狭い路地。



入口脇には「娼婦の部屋」なども作り込まれているが、えっちなので割愛。

2階から上はゲームセンター。壁や両替機などにはウェザリングが施されているものの、ゲームコーナー自体はごく普通の様相。しかし男子トイレはこんな様相である(女子トイレの方はごく普通だそうで)。


そして2階奥のレトロゲームコーナーは……



もうこれ自体がサイバーパンクなゲームの舞台じゃないかという雰囲気。



2階と3階は吹き抜けになっていて、街としての「高さ」までもが演出されている。



4階はビリヤードや卓球台があるが、特段九龍の雰囲気ではなかったのでこちらも割愛。

最後はこの赤い扉を選んで日常へ。

地下謎への招待状

毎年10月になると東京メトロで開催される謎解きイベント「地下謎への招待状」に今年も参加してきた。
realdgame.jp

地下謎も今年で6回目。何度も参加している人はもう慣れているかと思うが、初めての方向けに少しばかりガイドを書いておこう。

キット購入からもう謎は始まっている

地下謎に参加するためには、まずキットの購入が必要である。
販売所は上野・東京・新宿・北千住、それに加えて1月末までは新橋・王子、それから土日祝日のみだが銀座・明治神宮前の、それぞれ東京メトロ定期券売り場で販売している。
今年はキット内容が例年より少し厚くなり、その分少し値上がりして2400円。複数人で1つのキットを共有してもいいが、1日乗車券も付いているし、2人分以上を一緒に買うとハンドタオルが付いてくる。

販売所内に「最初に行くべきところ」が示されているので、購入の際はチェックをお忘れなく。キットのみ購入しておいて後日解きに行ってもいいが、最初の謎だけは予め情報を集めておかないと、わざわざ販売駅まで足を運ぶことになる。

3回はカフェに入るつもりで

さて、最初の謎を解くための手がかりを入手したら、ひとまず喫茶店にでも入ろう。これはキットの中身を取り出して全部揃っているか確認すると共に、冊子に一通り目を通し、ゆっくり謎を考えるためでもある。
このように、謎解きの最中に何度か「座って考えたい」場面が出てくる。しかし街中でゆっくり座れるところを探すのはそう簡単ではない。特にSCRAPの謎解きは「キットに含まれるあらゆるものが謎解きに使われ得る」ため、メインとなる冊子のみでは解けずキットを展開したくなる場面が多くあり、そのためのテーブルも考えると喫茶店などに入るのが順当だろう。
そのため、最小の参加費用はキットの価格+購入駅までの運賃(以後の移動は付属の1日乗車券を使うため、24時間を越えない限り追加料金は発生しない)のみだが、少なくとも3回分ぐらいのカフェ利用料金程度は余裕を持っておいた方がいいだろう。
また、謎解きだけでなく移動を伴うこともあってそれなりに時間がかかる。謎にどれぐらい悩むか、途中でどの程度休憩するか、どういうルートで移動するかなどによっても異なるが、クリアまでに3〜5時間ぐらいは見込んでおくべきだ。そのため途中で食事を挟むことも考慮して、お金には余裕を持って動こう。

キット以外はなるべく手ぶらで

謎解きの最中は基本的に片手に冊子、片手にペグシルを持っての移動になるだろうと思われる。そのため、他のものを手に持つことになるとどれかをしまったりまた取り出したりと、結構煩わしい。
今年のキットは持ち手が紐状になって腕にかけやすく、また外側に乗車券とペグシルを差し込んでおけるポケットが付いたので袋の中から取り出すよりも見失いにくくなっているが、それでも手に持つものはなるべく減らしておこう。できればスマホや財布はポケットに入れられるようにしておくかバッグに入れて肩からかけてしまうか、謎解きの最中は手を空けておけるようにしたい。
過去の謎解きでは消しゴムがなく間違った時にちょっと困ることがあったが、去年あたりから消しゴム付きのペグシルに変わったため別途筆記用具を準備しなくても大丈夫になった。

歩きやすい靴で

謎解きは基本的に「駅で降りる→指示に従い駅の外を歩く→必要な情報を集めて謎を解く→次に行くべき駅を見出す」の繰り返しによって進行する。そのため少なからぬ距離を歩き(私は1万5千歩ほど歩いていた)、また地下鉄での移動中も座れるとは限らない。なるべく足に負担の少ない靴で行こう。

雨具を忘れずに

地下鉄謎解きでも駅外を歩くことは少なくない。そのため雨の中を移動せざるを得なくなることもある。雨具の用意は忘れずに。
あまり天気の悪い日は避けた方がいいかも知れない。まあそんな日の方が、他の参加者が少ないためネタバレになりにくいかも知れないけど。

ネタバレ厳禁

当たり前の話だが、謎は自力で解くから楽しいのであって他人に答えを教えられたくはない。答えがわかっても他の人には知られないように気を付けよう。

環境問題への否定について

国連の温暖化対策サミットで、スウェーデンの活動家が行なった演説に対して、ネット上で多くの否定的意見が噴出している。
彼女の発言に対して、ではない。発言の「態度」や、発言者の「出自」、あるいは「経歴」、もしくは未成年であることから「背後にいる者に操られているだけ」、あるいはナチスプロパガンダに似ているといった「印象」に対して、である。

当初、私はこれら否定者の「卑怯なやり方」に憤りを感じていた。批判するならするで発言を受け止め正面から反駁すべきであって、発言内容「以外」のところに否定すべき理由をあげつらうのは議論の上で決して行なってはならぬ最低の行為だ。いつの間にネットの「論壇(などと表現するのも烏滸がましい何か)」はこんなにも腐り果ててしまったのだろうか……と。

が、どうやらこの問題は意外に深刻な捻れが原因であったようだ。


私の見た限りの範囲で、彼女の「発言内容」に対して言及していた唯一の例は、経済発展に関するものだった。


「経済発展は永遠に続く」という命題が真であるか偽であるか、という話は経済に疎い私には手に余るので、元発言および反論に対する批判は控える。重要なのは、温暖化への対策を訴える環境活動家にしても、それに否定的な人にしても、概ね「環境対策と経済発展は両立しない」と捉えているらしい、ということだ。

環境と経済が両立し得るのかし得ないのか、それ自体についても私の拙い知識では判断できないので、その議論自体は専門家に任せよう(もしこの問題について一家言お持ちの方がおられたら、見解は是非論文なりに仕立てて然るべきところへ発表して頂きたい。私では受け止めかねるので)。

両立できるのであれば望ましい。それならば経済発展を目指しつつも環境問題に立ち向かい、問題を乗り越えてゆけるだろう。ただ、「経済さえ回っていればそのうち今はない超技術が開発されて環境問題を完全解決してくれるかも知れない」というような期待は流石に楽観と運任せが過ぎるので、もう少し現実的な路線での両立をお願いしたい。

さて問題は「両立できない場合」である。

環境か経済か、どちらか一方しか選択肢がないのだったら、どちらを優先すべきなのか。これは実に苦しい問題である。
今を生きる我々は経済を無視しては生活できない。もし経済の悪化を容認するとしたら、そのことによって生活が圧迫され、死者だって増えるだろう。
一方で環境問題は、今すぐにではなくともじわじわと、人類全体に襲いかかる。私の生きているうちには表面化しないとしても、数世代先にはもう取り返しが付かなくなっているかも知れない。
破滅的なトロッコ問題だ。「この線路の先には人類の破滅的な未来があるが、ポイントを切り替えると代わりに経済の破綻が待っている。トロッコ問題について訊くと少なからず「ポイントを切り替える行為によって自分の責任問題になるのが嫌なので放置する」という答えが出るそうだが、状況的にもそれと似ている。政治家にしてみれば、国内経済を悪化させて支持を失ってまで未来の環境に対処すべき理由がない、ということなのだろう。
むしろ「共有地の悲劇」として見るべきという指摘もあった。長期的全体的な利益と短期的個別的な利益が相反し、かつ競争原理の介在によって「長期的利益の減少を無視して短期的利益の最大化を狙う」ことが各自の最適解になってしまう。そのことによって環境の悪化を早めるとしてもなお、「それで他プレイヤーに負けるよりはまし」という判断が下される。目指すは短期的な発展と長期的な絶滅だ。

で、どうやらこの「本音としては経済発展を手放す気など毛頭ない(ので環境問題へは取り組まない)が、建前として環境問題を無視するとは言えない」という心理が、冒頭で取り上げた「発言者を貶めることにより発言そのものをなかったことにする」という態度に繋がっているらしいのだ。

余談ながら、この対応は発達障害者によく見られる問題の先送り行為にたいへん似ている。
発達障害では、気が進まないことを実行しようとする場合に強い拒絶を生じる。そのため、しばしばやりたくない行為の存在によるストレスを、忘却によって緩和する。できれば発覚した頃には手遅れになっており実行しても無意味な状況になることを願いながら。
今起きているのは、まさにそういう類いのことだ。環境問題への対応は気が進まない(それによって経済が減速するならば尚更)。どうせすぐには問題が深刻化しないだろうし、手に負えなくなるまで放置すれば対応しなくて済むんじゃないかな……

ところで実は、更に悪い可能性もあるのだ。つまり「環境と経済の両立どころか、そもそも環境対策はもうとっくに手遅れ」という可能性である。

箱根と湯本温泉と萬翠楼

熊本に行ってきた。

羽田空港から熊本空港まで小田急ロマンスカーで1時間45分。
f:id:DocSeri:20190829070504j:plainf:id:DocSeri:20190829071803j:plainf:id:DocSeri:20190829070552j:plain

ここが熊本である。


その証拠にほら、くまモンの姿も。

というのは嘘で、ここは都心から近い観光地、箱根である。
……実は、熊本に行くつもりで飛行機と宿の予約を済ませ休暇も取ってあったのだが、当初の予定日に仕事が入ったために日を後ろにずらし……たはずが元の日付で予約してしまっていたらしい。空港のカウンターではじめて「もう日を過ぎていた」ことに気付いてしばし呆然とした後、「じゃあ今日取れる宿を取って他の場所に行こう」ということになった。
元々は重要文化財の温泉宿「日奈久温泉 金波楼」に泊まるつもりでいたのだが、代わりに他の重文の宿をということで探してみたところ、箱根湯本温泉の萬翠楼 福住に空き室ありとのことで、急遽予約を取って行き先を変更。
安からぬ金額を無駄にすることにはなったが、まあ滅多にない経験と笑いのタネになったので良しとしよう。

なにしろ熊本のつもりでいたので箱根については何の下調べもない。ひとまず登山電車のフリー切符を買って箱根山に上がってみることにした。
ケーブルカー→ロープウェイを乗り継いで芦ノ湖遊覧船というルートも考えたが、現在はどうやら噴火警戒レベルが2に引き上げられているためロープウェイは運休、代わりにバスで迂回は可能なのだが遊覧船も霧のため運行を減らしており、つまり登山ルートは日が悪い。

というわけで箱根登山鉄道である。小田急線の終着ホームから直に乗り換えることができる。
f:id:DocSeri:20190829104544j:plain
これが実は非常に撮り鉄度の高い絶好の路線であった。なにしろ大正8年(1919年)開通の登山鉄道であり、粘着式(=ケーブルやラックなどを用いず車輪と線路の摩擦力のみによって走行する)鉄道としては日本一/世界でも二番目という80‰の急勾配(碓氷峠でも66.7‰である)や、旋回半径30mという急曲線は他の路線では例を見ない。温泉地であるため水源に影響を与えぬようトンネル掘削が制限されたため、山肌に沿って登るしかなかったことによるものだという。
まあ蘊蓄はさておき、急勾配と短かいトンネル、それにスイッチバックによる高低差軌道が楽しめる、なかなかにフォトジェニックな路線であった。
f:id:DocSeri:20190829111431j:plainf:id:DocSeri:20190830161108j:plainf:id:DocSeri:20190829172455j:plainf:id:DocSeri:20190830155849j:plainf:id:DocSeri:20190830161053j:plainf:id:DocSeri:20190830161030j:plain
途中、鉄道橋の上から眼下を流れる早川を眺めることができるのだが、撮影しようと思うとどううしても鉄骨を避けられない。これは車で塔ノ澤橋へ行かないと難しそうだ。
f:id:DocSeri:20190829105458j:plain
トンネルを抜けた後、最初のスイッチバックを行なう出山信号場は単線である箱根登山鉄道線の行き違い待ちを行なうため、しばし景色を眺める余裕がある。ここからは眼下に先程通過した早川橋梁と塔ノ澤橋が撮影できる。
f:id:DocSeri:20190829105815j:plain
創業当時に導入された木造チキ1形をベースとするモニ1形、1927年チキ2形ベースのモニ2形がまだ現役である。これらのタイプは窓が少し開くので、ガラスの反射なしに景色を撮影することができる。箱根寄木細工柄のシートカバーも楽しい。
f:id:DocSeri:20190829173628j:plainf:id:DocSeri:20190829173636j:plainf:id:DocSeri:20190829113419j:plain
大きな窓の3000形「アレグラ」は窓枠に邪魔されず前面の景色が撮りやすい。それでも車内の明かりが少し写り込んでしまうが。

終点は標高541mの「強羅」駅。
f:id:DocSeri:20190829113513j:plain
ここからは山頂方面へ向けてケーブルカーに乗り換えられるが、今回はバスで美術館を巡ることにする。湿性花園行きバスは箱根美術館、ポーラ美術館、星の王子さまミュージアム箱根ガラスの森美術館箱根ラリック美術館を経由して湿性花園へと向かう、見所の多い路線である。

まずはポーラ美術館へ。
www.polamuseum.or.jp
ここはガラスを主体とした建物が美しい。
f:id:DocSeri:20190829115926j:plainf:id:DocSeri:20190829115952j:plainf:id:DocSeri:20190829120028j:plainf:id:DocSeri:20190829120340j:plainf:id:DocSeri:20190829120411j:plainf:id:DocSeri:20190829123239j:plainf:id:DocSeri:20190829121429j:plainf:id:DocSeri:20190829121028j:plain
2019年12月1日まで、「シンコペーション」と題して、所蔵する名画と現代アートの対比展を開催している。モネ「睡蓮」と対比される、 セレスト・ブルシエ=ムジュノ「クリナメン v.2」は円形のプールに白い磁器のボウルを浮かべ、水流で触れ合って音を立てる作品で、心地良い音が楽しめる。撮影できないのが残念だ。
個人的に好みだったのはマグリット「前兆」と対比される、青にこだわりのある石塚元太良の写真。
f:id:DocSeri:20190829122250j:plain
それからダリ「姿の見えない人、馬、獅子」と対比される、アリシア・クワデによる鏡と照明のインスターレション。
f:id:DocSeri:20190829123122j:plainf:id:DocSeri:20190829123003j:plain
他にも色々な対比が試みられ、単によく知られた「名画」を見るのとは異なった趣きが感じられる。
f:id:DocSeri:20190829122758j:plainf:id:DocSeri:20190829123742j:plain
全体にキュレーターが良い仕事をしているなと感じられる展示だった。

ポーラを出て、次はラリック美術館へ。ここはアール・ヌーヴォーおよびアール・デコを支えた宝飾・ガラス器デザイナー、ルネ・ラリックの作品を収集展示している。残念ながら撮影禁止なのだが、「ミュシャ以外のアール・ヌーヴォー」に興味ある向きには大変面白いだろう。
庭にはクラシックカー、赤いフォードT・ツーリングが置いてある。なぜルネ・ラリック美術館にフォードが、と思ったらヘッドマークがラリックの作品なのだそうだ。館長は元々クラシックカーのコレクターで(大宮にそちらの博物館もある)、収集中にヘッドマークのコレクションを始めてしまったのがラリックへの傾倒に繋がったのだとか。
f:id:DocSeri:20190829144343j:plain
庭には他にサンキャッチャーが下げられていたりして、ガラス系美術館っぽさが感じられる。
f:id:DocSeri:20190829144511j:plain
なぜか根本にはカタツムリの殻が。
f:id:DocSeri:20190829144544j:plain
このあたりはトンボや蝶が多く見られた。
f:id:DocSeri:20190829144716j:plain
f:id:DocSeri:20190829154922j:plain
青い橋のかかった「モネの池」もあるのだが、これは館内からしか見ることができないため撮影できず残念。

この日はこれで山を下ることにする。強羅駅へ戻り、登山鉄道で箱根湯本へ。
ひとつ手前の「塔ノ沢」駅は無人駅で、降りる時に車掌が交通ICリーダーで検札を行なう。
ここはホームに銭洗弁財天が直結している。というか、他に何もない。そのため乗降客がほとんどなく、鬱蒼と茂る森の中の神社という空間を独り占めできる。
f:id:DocSeri:20190829171705j:plainf:id:DocSeri:20190829171720j:plainf:id:DocSeri:20190829171804j:plainf:id:DocSeri:20190829171812j:plainf:id:DocSeri:20190829171928j:plainf:id:DocSeri:20190829172042j:plain
赤く大きな提灯には、白い円に黒々と卍が。わかってはいてもこの配色はちょっとドキッとする……
f:id:DocSeri:20190829171953j:plain
少し登ると、いくつか鳥居をくぐった先に小さな祠洞が。
f:id:DocSeri:20190829172115j:plainf:id:DocSeri:20190829172145j:plain

箱根湯本へ戻り、宿へと向かう。
f:id:DocSeri:20190829174208j:plain
道沿いに進み、橋を渡る。
f:id:DocSeri:20190829174934j:plain
突き当たりに大きな破風屋根を持つ木造旅館が見える……のだが、これは昭和初期創業の萬寿福(ますふく)旅館で、今回の宿ではない。
f:id:DocSeri:20190829175231j:plain
右へ入ってすぐが萬翠楼 福住。外観はぜんぜん古そうに見えないが、寛永年間……1625年頃の創業だという、箱根でも随一の老舗であり、建物もおよそ140年前のものが今も現役で使われているのだという。
www.2923.co.jp
今回の部屋は「新館」の方だが、それでも前述の萬寿福と同じ頃の建物であるという。

部屋に通され、茶と一緒に「湯もち」をいただく。
f:id:DocSeri:20190829180312j:plain
これは今しがた渡ってきた橋のたもとにある和菓子匠「ちもと」さんの商品だそうで、角切りにした羊羹が、柑橘の香るマシュマロのような食感の「もち」に包まれている。
f:id:DocSeri:20190829174852j:plain

まずは温泉に漬かり汗を流してから食事となる。
正直なところ、碌にチェックもせず「今日泊まれる重文の宿」というだけで来てしまったのだが、萬翠楼 福住は料理のすごい宿だった。
とにかくご覧いただこう。
まずは涼味。
f:id:DocSeri:20190829190740j:plain
オクラのムース、鬼灯玉子、無花果天麩羅に抹茶塩、夏の地魚龍皮炙り寿司、水海月酢浸し、白瓜雷干し粉鰹まぶし、ラム肉香草焼き白ポン酢ジュレ

向附け。
f:id:DocSeri:20190829190654j:plain
小田原漁港地魚を含む5種盛り。

吸い物。
f:id:DocSeri:20190829191743j:plain

主菜は黒毛和牛サーロイン陶板ステーキか鮑の踊り焼きバター風味。
f:id:DocSeri:20190829193657j:plainf:id:DocSeri:20190829194944j:plain
コリコリした蒸し鮑しか食べたことがなかったので、生鮑の蒸し焼きがこんなにも柔らかなものだとは初めて知った。

副菜は胡麻豆腐。
f:id:DocSeri:20190829193634j:plain
もっちりした作りたての胡麻豆腐に胡麻ペーストと摺り胡麻がたっぷり。

冷菜。
f:id:DocSeri:20190829200327j:plain
野菜、みる貝、穴子の炊き合わせに凍らせた出汁を載せて。

焼き物。
f:id:DocSeri:20190829200247j:plain
水茄子の照り焼き、夏鮎の化粧焼き2種、茗荷の出汁醤油漬け、それに骨煎餅。

手打ち蕎麦と香の物3種。
f:id:DocSeri:20190829202200j:plain
汁が甘口なのは箱根風なんだろうか。

最後は甘味。
f:id:DocSeri:20190829204010j:plain
西瓜シャーベット、黒胡麻ムース、マンゴープリン、ソルダム、小豆氷室羹、白桃コンポートゼリー、グレープフルーツクリームのブリュレ、アンデスメロンのスフレ。

もう既に満腹なのでは、と思いつつも一品あたりの量は控え目に作られているのとどれも驚くほどに美味なのでついつい箸が進む。
これを味わえただけでも、この宿にして良かったと思える料理だった。

朝早くの飛行機に乗るつもりで随分早起きしたので、この日は早々に就寝。その分朝早くに起きたので朝焼けを見ることができた。
f:id:DocSeri:20190830051744j:plainf:id:DocSeri:20190830052015j:plain

さて、朝食もまた豪勢だった。
f:id:DocSeri:20190830075930j:plain
流石に夕食のようなコース料理ではないが、それでも15品ぐらい付いてくる。鍋に入った白いものは豆乳で、固形燃料で温めて引き上げ湯葉を食べた後、にがりを混ぜて豆腐にして食べるという二段構え。「付属のスプーンで混ぜてください」加減がわからずに混ぜすぎたらモロモロになってしまった……2、3回混ぜたら放っておけば良かったらしく、愛妻のはちゃんと豆腐に。
f:id:DocSeri:20190830080124j:plainf:id:DocSeri:20190830080213j:plain
食べ終わった頃には、外は雨になっていた。
f:id:DocSeri:20190830083103j:plain
重要文化財の建物と聞いて楽しみにしてたんです」というような話を中居さんとしていたら、「お泊まりの方がおられるのでチェックアウト後でしたら中をお見せできますよ」とのことで案内して頂くことに。少しの間写真を撮らせて頂くぐらいのつもりでいたら、なんと宿のご亭主直々に解説して頂きながらの見学に。
有名な天井画の間や、
f:id:DocSeri:20190830103150j:plainf:id:DocSeri:20190830104647j:plain
差渡し2mはあろうかという一枚板の天井、
f:id:DocSeri:20190830105408j:plain
敢えて透かし彫りなどを施さない一枚板の欄間は神代杉だという。
f:id:DocSeri:20190830105504j:plain
当時はわざわざ建材に使用した木材のリストを印刷してあったそうで、つまり材を見て素性がわかる教養の持ち主が泊まったし、それが粋な遊びのひとつともなったのだろう。

室内の照明を落とすと自然光のみに照らされた、建築当初の頃の雰囲気が甦る。
f:id:DocSeri:20190830104745j:plainf:id:DocSeri:20190830105302j:plainf:id:DocSeri:20190830104859j:plainf:id:DocSeri:20190830104812j:plainf:id:DocSeri:20190830105126j:plainf:id:DocSeri:20190830105344j:plain

明治初期頃の萬翠楼 福住は政府要人方の定宿というか、半ば避暑地の別邸に近い立場だったようで、従者や警固など二十数名を引き連れて一棟貸し切って1〜2ヶ月ほどを過ごしたのだそうだ。単なる休暇ではなく、自邸に招くほどには親しくない相手との会談の場なども兼ねて、「お帰りの折には仕事が捗られたそうで」つまりここで歓待、根回し、密談、折衝をこなしていたということらしい。

宿を辞して再び駅へ向かう。
f:id:DocSeri:20190830110235j:plain
芦ノ湖遊覧船は運休だったので、前日と同じく登山鉄道 強羅駅からバスに乗り、今日は星の王子さまミュージアムへ。
f:id:DocSeri:20190830130548j:plain
www.tbs.co.jp
ここではタカラッシュ ブラックレーベルによる謎解き「星の王子さまと導きのダイス」が開催されている。
blacklabel.takarush.jp
この手の謎解きとしては難易度が低く、子供と一緒でも楽しめそうだ。

ガラスの森美術館などにも行きたかったが、雨が強まりそうだったため断念して下山し、ロマンスカーで現世へと戻る。
f:id:DocSeri:20190830175036j:plain
f:id:DocSeri:20190830181635j:plain

今回、鉄道を撮る機会に直面して「単焦点の不便さ」を思い知らされたので、次の旅行に行く時はズームレンズを導入しようと思う。沿線からの撮影ポイントなども研究したいところだ。
萬翠楼 福住は素晴らしい宿だったのでまた泊まりに来たいが、箱根には他にもいくつもの古い宿があるので、それらにも行ってみたい。
今回巡れなかった美術館や、大涌谷方面もいずれは見に行きたいし、まだまだ遊び足りない。
都心から片道2時間ぐらいで来れる絶妙な距離なので、もっと頻繁に遊びに行こう。
箱根、おすすめですよ。

アクアパーク品川

水族館に行ってきた。

品川には水族館が二つあって唯でさえ混乱しがちなのだが、品川駅の方のアクアパーク品川ネーミングライツで時々名が変わり、この前までエプソンだと思ったら今はマクセルになっている。が、まあ中身が変わるわけではない。
夏休み期間中は「NAKED 花火アクアリウム」と題して花火をテーマとしたイルミネーションなどで彩られている。
なお、浴衣で入場すると500円引きだそうで、道理で浴衣姿のカップルが多いわけだ。

入場料は2300円、水族館の料金としては高い方だ。
ここは夜間営業が特徴で、この時期は22時まで開館している(入場は21時まで)。

入るといきなり海賊船に出迎えられる。遊園地によくあるスウィング型の絶叫マシンだが、屋内型はちょっと珍しい。

更にその奥には海洋生物に乗るカルーセルが、向かい側に設えたLEDディスプレイに照らされている。



アトラクションのエリアを抜けるとようやく水族館らしくなってくる。小さな水槽の並ぶエリアでは床に映像を投影し、音と光で花火を演出していた。意図はわかるが水族館としてはもう少し静かな方が好ましい。


珊瑚礁エリアではブラックライトに照らされた蛍光色の生物たちが見られる。普通に撮ると色が出ないので、ここはホワイトバランスを「水中」に合わせるといい。

クラゲのエリアは、アクアパークの目玉のひとつだ。色とりどりのライトに照らされたクラゲたちをゆっくり楽しめる。
ただ円筒形水槽は屈折が著しく、ピントを合わせるのは結構大変。








エスカレータを上がるとイルカショーの円形プールが。丁度ショーが始まったところで、人垣の向こうでやっているショーを頭上からなんとか撮ってみた。

その先は回遊型の水槽エリア。大きな水槽を貫く海中トンネルでは頭上を舞うマンタを観察できる。
その他にもペンギンやオットセイなどの水棲動物や水際の動物を展示するエリアも。




夏休み期間の休日とあって大勢の客で賑っていた……というか些か人口密度が高すぎてあまり魚を眺める余裕がなかったというか。時期をずらし、平日の夜あたりを狙ってみた方が良かったかも知れない。

カメラメーカーと色味の関係


カメラ界隈ではよく、「このメーカーはこういう写真に向く」という話が出てくる。よく聞くものとしては「キヤノンは人肌の色味が綺麗」「ペンタックスは葉の緑が鮮やか」「富士フイルムの発色はフィルムっぽさに定評がある」など。
その割には、なぜか色の比較事例をあまり見掛けない。そんなに違いがあるなら、同条件で撮り比べた時の差を見せるなどの企画があって良さそうなものだ。

こういう比較って、個人ではちょっと難しい。コンデジならともかく一眼レフやミラーレスだとカメラに合わせてレンズも揃える必要があるので複数メーカーのカメラを持つ人は少なく、2機種ぐらいならば比較のしようもあるけど各メーカー取り揃えてとはなかなか行かない。
逆に、専門誌こそ比較記事を書いて然るべきだと思うのだが、意外にも事例をほとんど見付けられない。

ぐらいか。どちらも条件をなるべく揃えたサンプル画像を比較できるのだが、なにぶん画像自体が隣接していないので些か比較しにくい。

ないなら作ろう。
自分で持っているカメラだけではできることにも限度がある、が「既にある情報を借りて再構成する」形でなら、やりようもあるだろう。
というわけで、デジカメレビュー記事から画像を引用する形で比較してみることにした。なるべく公平を期すため、レビューは各メーカー一眼レフまたはミラーレス3機種(ただしEOS R/RP、ニコンZ7/Z6、LUMIX S1/S1Rのような発売時期の近い兄弟機については作画傾向にあまり差が生じないと考えられるため、新しい方1機種のみとした)、新しい方から記事を辿り、すべての記事で共通する作例である「屋外(ガスタンクの写真)」「屋内(人形の写真)」を並べる。
引用元はすべて荻窪圭 - ITmedia 著者別インデックスより。同条件で撮り続け、比較可能な記事を書いてくれるライターの荻窪氏に感謝したい。

社名 機種名 屋外 屋内
オリンパス OM-D E-M1X https://image.itmedia.co.jp/news/articles/1903/07/ts153201_em1x12_EX.jpg https://image.itmedia.co.jp/news/articles/1903/07/ts153201_em1x25.jpg
オリンパス PEN E-PL9 https://image.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/1803/05/ts0153_pen08_EX.jpg https://image.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/1803/05/ts0153_pen09.jpg
オリンパス OM-D E-M10 mark3 https://image.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/1710/14/ts_omd3mk21_EX.jpg https://image.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/1710/14/ts_omd3mk12.jpg
キヤノン EOS kiss X10 https://image.itmedia.co.jp/news/articles/1907/27/ts0153_eoskiss07_EX.jpg https://image.itmedia.co.jp/news/articles/1907/27/ts0153_eoskiss18.jpg
キヤノン EOS RP https://image.itmedia.co.jp/news/articles/1903/28/ts153201_eosrp14_EX.jpg https://image.itmedia.co.jp/news/articles/1903/28/ts153201_eosrp21.jpg
キヤノン EOS kiss M https://image.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/1804/05/ts0153_eoskiss10_EX.jpg https://image.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/1804/05/ts0153_eoskiss23.jpg
ソニー α9 https://image.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/1706/28/ts_9alpha08_EX.jpg https://image.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/1706/28/ts_alpha07.jpg
ニコン Z6 https://image.itmedia.co.jp/news/articles/1811/30/ts0153_nikon6z15_EX.jpg https://image.itmedia.co.jp/news/articles/1811/30/ts0153_nikon6z09.jpg
ニコン D850 https://image.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/1709/26/ts_850d10_EX.jpg https://image.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/1709/26/ts_850d03.jpg
ニコン D7500 https://image.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/1706/26/ts_d7500nikon04_EX.jpg https://image.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/1706/26/ts_d7500nikon06.jpg
パナソニック LUMIX G99 https://image.itmedia.co.jp/news/articles/1907/20/ts0153_g99lumix10_EX.jpg https://image.itmedia.co.jp/news/articles/1907/20/ts0153_g99lumix15.jpg
パナソニック LUMIX S1R https://image.itmedia.co.jp/news/articles/1905/05/ts0153_s1r11_EX.jpg https://image.itmedia.co.jp/news/articles/1905/05/ts0153_s1r23.jpg
パナソニック LUMIX GF10/90 https://image.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/1803/30/ts0153_pana90gf09_EX.jpg https://image.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/1803/30/ts0153_pana90gf11.jpg
富士フイルム X-T30 https://image.itmedia.co.jp/news/articles/1904/27/ts153201_fuji13_EX.jpg https://image.itmedia.co.jp/news/articles/1904/27/ts153201_fuji15.jpg
富士フイルム GFX 50R https://image.itmedia.co.jp/news/articles/1812/27/ts0153_gfx13_EX.jpg https://image.itmedia.co.jp/news/articles/1812/27/ts0153_gfx16.jpg
富士フイルム X-T3 https://image.itmedia.co.jp/news/articles/1811/08/ts0153_fuji3xt17_EX.jpg https://image.itmedia.co.jp/news/articles/1811/08/ts0153_fuji3xt18.jpg
ペンタックス KP https://image.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/1704/05/ts_kp06_EX.jpg https://image.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/1704/05/ts_kp03.jpg
イカ CL https://image.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/1801/26/ts0153_leica20_EX.jpg https://image.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/1801/26/ts0153_leica13.jpg

ソニーペンタックスについてはレビューが少なく、古い時期で作例の異なる記事になってしまうのでサンプル3機種のピックアップを断念した。
使用するレンズの画角やF値が違ったり、天候の差や撮影モードの差などもあってすべて同条件というわけではなく、万全の比較というわけには行かないが、それでもメーカーごとのクセはなんとなく見えてくる。

オリンパスはE-M1Xとそれ以外の機種で空の発色が大きく異なるが、これは入門機の方が記憶色に調整するiAUTOだから。空を判定して彩度をかなり強調しているようだ。その影響もあってか人形の肌色も若干黄色〜緑に寄っている感があるが、逆にE-M1Xの肌色はほんのり赤味がかって血色が良い。
キヤノンはマゼンタ寄りの色味と言われるが、ここでもその傾向が明らかに見て取れる。ホワイトバランス自体がマゼンタに寄せてあるというか、白はちゃんと白なんだけど少し明度の下がった雲色なんかはほんのりマゼンタがかっている。その分だけ、たしかに肌の色は雰囲気がある。
ソニーは1機種からの判断になるが、彩度控えめながら若干青みが強く出る印象。
ニコンは意外にも、発色がかなりコントラスト強め。空の色は天候の影響もあるのだろうけれども、人形も他よりパッキリして見える。
パナソニックナチュラルな発色。35mm判のS1よりもマイクロフォーサーズ機の方がコントラスト強めだけれど、色味はニュートラルだ。
富士フイルムは結構こってりしている。オリンパスのiAUTOみたいに明度を上げてこないけど、明らかに他メーカーより空が濃い。
こちらも1機種しかサンプルのないペンタックスは、キヤノン同様に少しマゼンタ寄りに見える。葉の発色が良いと聞いていたけど、作例があまりそれに適した環境ではないため、ちょっとわからなかった。