ゲーセンでプレイ動画を撮る

最近、ボーダーブレイクをプレイする時になるべく動画を撮っておくようにしている。主に見返して反省するためだが、特色のあるものを中心に動画共有サーヴィスにアップロードして助言を貰ったりもする。
私程度の腕では参考にはなるまいが、Aクラスの達人たちを見ると「巧く行った時のイメージトレーニング」ができて大変好ましい。かつては情報誌か口コミでしか得られなかったゲームのプレイテクニックは、今や動画共有を通じて広まるようになった。素晴らしいことだ。
というわけで、「自分でも撮影してみよう」という話。

機材の話

撮影機材はほとんどの人が手元に持っているもので充分だ:つまり携帯のカメラで。よほど古い機種でもなければ300万画素かそこらの能力はあり、QVGA以上の画質で動画を撮るぐらいのことはできる。小型のデジカメを持っているなら、それを使うと更に撮り易いだろう。
とは言え手持ちで撮影というわけには行かない。プレイ中は常に両手が塞がるから、カメラはどこかに固定しておかねばならない。
そこで三脚が必要になる。三脚といっても本格的なゴツいものを持ち歩くわけにもゲーセンに持ち込むわけにも行かないので、主に卓上サイズの小型なものを使う。
カメラの固定にはネジ穴を使うものが多いが、小型デジカメや携帯向けに挟んで留めるものもある。

Kenko 三脚 クリップスタンド メタルシルバー 卓上三脚 861479

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例えば、これはカメラ固定部分がクリップ式で、本体も重量56g全長約20cm(脚展開時の高さ約15cm)と軽くコンパクトなポケットサイズ。これなら普段から持ち歩いてさっと使える。
もうちょっと大きい、足を伸ばして使えるようなタイプを持っているなら、2本を縮めて筐体の前縁に引っ掛け、残り1本を足の間に置いて調節するといい。この方法では卓上三脚よりも画面と距離を置ける分だけ画面全体を撮影し易く、また上の方から撮れるので画面と平行に近く調節し易いメリットがある。

画角の話

カメラには画角というものがある。要するに撮影面から何度の範囲を撮影できるかというもので、普通これは角度じゃなくて焦点距離で表記されているので直感的に把握し難い。
画角 - Wikipedia焦点距離と画角の換算表があるが、これに拠ると一般的なカメラでの広角側に多い28mmでは水平65.5度、かなり広角に強いカメラの21mmで85.5度。
ところでボーダーブレイクの場合だと筐体サイズは概算で横60cm、パネル部分奥行30cmというところ。そうすると底辺:高さ=2:1なので必要な画角は90度になる。もう少し手前側にカメラを置けるとしても75度ぐらいは欲しい。そうすると必要な焦点距離は18〜24mmぐらいになる。
残念ながら市販カメラでこのクラスを用意するのはかなり難しいが、方法はある:コンバージョンレンズだ。
これはカメラ本来のレンズの前に追加して焦点距離や画角を変えるもので、ワイドコンバージョンレンズ(ワイコン)と呼ばれるものは焦点距離を短かくして通常より広角を撮影可能にしてくれる。
具体的には、レンズに「×0.7」などと倍率が示されていて、これをカメラ本体の焦点距離に掛けた値が、実際の焦点距離になる。例えば28mmのカメラに0.7倍ワイコンを付けると19.6mm。これぐらいあれば充分に画面全体を捉えることができそうだ。
カメラを買う時は、ワイコンが利用可能かどうかも確認するといい。
携帯カメラやコンパクトデジカメで、メーカ公式のワイコンがない場合でも、磁石で貼り付けたりクリップで挟む形で使えるワイコンもある。

倍率が低いものほど強力に画角を拡げてくれるけど、その分だけ画面も歪むし周辺部が流れて画質が悪くなる面もあるので、必要最小限の効果に留めた方がいい。まあ魚眼はまた別の楽しみがあるから、それはそれで買っておくのも悪くないけど。
なお上記商品は完全にケータイカメラサイズに特化しているので、コンデジだと周辺かなりケラレて意味ない可能性があることに注意。可能なら最初から広角に強い機種を用意した方がいい。例えばSONYCyber-Shot WX1なら広角24mmで実売3万行かないぐらい。今買える広角コンデジでは多分最安。
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テクニックの話

撮影にあたっては注意すべきことがいくつか。

  1. レンズを画面の中心に据える
    • カメラ本体じゃなくてレンズ位置が重要。「接続中」など中央に配置される文字を参考にアジャストする。
  2. レンズ面と画面を平行にする
    • 勿論、三脚だと斜めの画面を下から撮るから完全平行にはならないけど、上下の辺とレンズ面を平行にしておくと見易さが違う。
  3. 光の映り込みを防ぐ
    • こればっかりはゲーセンの照明セッティング次第なので難しいところだけど、せめて映り難い角度で。平行とどっちを優先するかは難しい。
  4. 画面中央に露出を合わせて
    • ゲーセンは暗いところが多いから、周辺の照度に合わせて調整されてると画面の明るいところが白く潰れてよく見えなくなる。ピント位置を調整できるものなら、画面中央に合わせておくと照度もそれを基準に調整してくれることが多い。できれば画面周囲の暗いところを入れないように撮れるとなお良いけど、それやると盛大に左右が切れるので難しいところ。
  5. フォーカス固定で
    • オートフォーカスが働いていると、自機の爆発とかで被写体がはっきりしなくなるとピント調整が入って画面全体がぼやける。できればピントを固定にして撮影したい。大体のカメラではメニューのどこかに無限遠モードが入っている筈。ただ最低焦点距離が80cmぐらいになってしまうので画面と距離を取れないとボケるかも。
  6. 音をどうするか
    • カメラ付属のマイクでもそれなりには聞こえるんだけど、周辺の音が被ってクリアに聞こえない問題はある。可能ならイアフォンジャックから直接録音したい。
  7. 外部出力が使えるなら最高
    • ゲーセンによっては筐体の画面からの外部出力を録画してくれるところもある。例えば秋葉原ドンキホーテ7階にある東京レジャーランドでは、DVDを持って行けば特定台のプレイ動画を焼いてくれる。これだと手が画面を隠したり周辺が映り込んだり画面が歪んだり雑音が混じったりしないのでとっても見易い。

エンコードの話

これは撮影じゃなく公開の部分。もしあなたが撮影した動画を他の人に見て貰いたいなら、YouTubeニコニコ動画あたりにアップロードするのが一般的な方法だろうと思う。
その時に、あまり画質を劣化させずに公開する方法についてちょっと解説しておく。

リサイズさせない

動画共有サーヴィスごとに規定のサイズがあって、合わないものはサーバ側でリサイズ処理することになる。引き伸ばされるにせよ圧縮されるにせよ、画質は劣化するしエンコードには時間がかかるしで良いことがないから、ぴったりのサイズに予め合わせておくといい。
ニコ動なら横512px(4:3なら縦386、16:9なら縦288px)。YouTubeはHDサイズ対応など色々あるようだけど、基本的には448×336。

転送サイズをギリギリに

サーヴィスによってデータ量の上限が決まっている。秒間転送量だったり動画ファイルの最大サイズだったり。
サイズ指定で自動計算してくれたり仕上がりファイルサイズを計算してくれたりするソフトなら、それで適宜調整すればいい。そうでないなら自力で計算するしかない。普通ファイルサイズはメガバイトで規定され、転送量はビット/秒で規定されている。1バイト=8ビットだから100メガバイトのファイルなら800メガビット。全体の秒数で割れば1秒あたりのビットサイズがわかるので、そこから音のビットレートを引いたものが画像のビットレートになる。

音は捨てる

この辺は動画にも拠るけど、ここではゲーセンでの直撮りを前提にしているからそもそも雑音が多くて音質悪いという前提で話を進める。そうすると音をクリアに聴かせようとは思わない方がいいから、逆に言えば音は結構圧縮してしまっても大差ない。96kbpsとか80kbpsとか、その程度まで下げてしまっていい。その分だけ画像にビットレートを回せるようになる。