ヴッパータール空中鉄道


現存最古のモノレールである。創業なんと1900年。上野のモノレールも参考にしたという、湾曲した腕をレールの上に引っ掛けるランゲン式の懸垂モノレールは当世流行りのサフェージュ式懸垂タイプや跨座式より格段に美しい。張り出したトラス組鉄骨の直線的な無骨さすら優雅に思える。


モノレールはレールが1本で済む分だけ支柱を含めた占有面積が少なく済み、また列車自体が中空を走行するため路上に干渉しないという利点がある。つまり高架鉄道よりも控え目で、地下鉄よりも安価で、路面電車よりも車の邪魔をしないのだが、反面これといった強みもない。輸送力では高架鉄道や地下鉄に劣り、拮抗する路面電車よりも敷設コストで劣る。一時期は未来の交通機関と注目されながらも普及しない一因である。


ヴッパータールでは総延長の半分ほどが道路の上を、残り半分が川の上を走る。これは川上部分の路線。路上線は逆U字の太い鉄骨脚が道路を跨いでいる。